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2026.10.16 上敷領 忍|マーケティング・DX・AI

世代交代は、AXを始めるチャンスになるのか ~AI時代に考える、会社の未来のつくり方~

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラスト専門家 マーケター&経営支援コンサルタント 上敷領先生ブログ

第4回の掲載となります。よろしくお願いいたします。

テーマは「世代交代は、AXを始めるチャンスになるのか ~AI時代に考える、会社の未来のつくり方~」です。

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1.世代交代は「人が替わること」だけではない

 

企業の「世代交代」というと、経営者から後継者へ会社を引き継ぐことや、ベテラン社員から若手社員へ技術を伝えることを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろん、それも重要な世代交代です。しかし、これからの世代交代には、少し違った視点が必要になるかもしれません。

なぜなら、次の世代へ会社を引き継いでいく間に、企業を取り巻く環境そのものが大きく変わろうとしているからです。

人口減少や人手不足、働き方の変化。そして、急速に進化する生成AI。10年後、20年後の会社は、今と同じ人数、同じ組織、同じ仕事の進め方で運営されているでしょうか。そう考えると世代交代とは、単に「今あるものを次の人へ渡すこと」ではなく、会社の強みを残しながら、次の時代に合う会社へ変えていくことでもあるように思います。

 

 

2.AI活用は広がっている。でも、会社の変革はこれから

 

2026年にIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表した「DX動向2026」では、日本企業でもAIの導入が急速に広がっている一方、その活用は業務効率化や迅速化が中心で、企業価値の創出や企業変革への展開はまだ限定的であるとされています。

 

その中に、今回のテーマを考えるうえで興味深いデータがあります。

「AI利活用に伴う将来的な課題への対応状況」という調査の中で、「職務内容の変化に伴う組織構造も含めての見直し」について、「対応中・対応済み」と答えた企業は5.1%でした。一方で「検討していない」は62.0%となっています。

出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026」図表3-20「AI利活用に伴う将来的な課題への対応状況」(2026年7月公表)

 

この数字は、AIを導入することと、AIによって会社そのものを変えていくことの間には、まだ大きな距離があることを示しているように思います。

 

生成AIを使って文章を作る。資料をまとめる。情報を検索する。それだけでも仕事は便利になります。

しかしAIの活用がさらに進めば、仕事の内容そのものが変わり、そこで働く人の役割も変わっていくと考えられます。

そうなれば、単に「AIをどう使うか」だけではなく、「人は何を担うのか」「組織をどう変えるのか」まで考える必要が出てきます。

 

本稿では、AIの導入そのものではなく、AIを前提に仕事の進め方や人の役割、組織のあり方まで見直していくことを「AX(AI Transformation)」と捉えています。

 

 

3.世代交代とAXは、一つのテーマになる

 

世代交代を考えるときには、「何を次の世代へ残すのか」を考えます。

一方、AXを考えるときには、「AIによって何を変えていくのか」を考えます。

一見すると別々の話のようですが、この二つを一緒に考えると、一つの問いに行き着きます。

 

これからの会社を、どのような会社にしていきたいのか。これまで培ってきた技術や経験、顧客との関係、仕事に対する考え方。そのすべてを、今と同じ形のまま次の世代へ渡す必要はありません。

 

逆に、新しい技術が登場したからといって、すべてをAIに置き換える必要もありません。

大切なのは、何を残し、何を変え、何を新しく生み出していくのかを考えることです。

私は世代交代を「人を替えること」だけではなく、「引き継ぐ」「つなぐ」「育てる」「見直す」、そして次の挑戦へつなげていくものとして捉えています。

さらにこれからは、人から人へ知識や技術を引き継ぐだけでなく、会社の知恵を言語化・整理し、必要に応じてAIでも活用できる形へつないでいくという、新しい視点も必要になってきます。

 

 

4.次の世代へ、会社の何を残すのか

 

ここまで考えると、世代交代は「いつか起きる人事の問題」ではなくなります。

例えば、長年働いてきた社員が持っている経験や判断は、どこまで会社の中に残っているでしょうか。経営者が大切にしてきた考え方は、理念として文章になっているだけではなく、「なぜその判断をしたのか」という意思決定の考え方まで次の世代へ伝わっているでしょうか。さらにこれから、AIを使うことが当たり前の世代が入社してきたとき、その人たちは自社独自の仕事の仕方や判断の基準を、どこから学ぶのでしょうか。

こうした問いに、すぐ答えられる企業は意外に少ないかもしれません。

だからこそ世代交代を、「人を替えること」ではなく、会社の未来を設計する機会として考えてみる必要があると思います。

 

トライアングル・トラストでは、

「AI・DXを活用した世代交代」をテーマとした研修も行っています。

 

研修では、「そもそも世代交代とは何なのか」というところから考え始めます。そして、人を替えるだけの世代交代から、会社の価値を次の世代へ「つなぐ」世代交代へと視点を広げていきます。さらに、企業の中に蓄積されている暗黙知をどう残すのか、今から何を始めるべきなのか、そして蓄積した知恵や経験をAIでも活用できる状態へどう整理していくのかといったテーマにも踏み込んでいきます。

ただし、これは単なるAI活用研修ではありません。世代交代とAXを掛け合わせながら、10年後、20年後の会社へ何を残し、何を変えていくのかを考える研修です。

 

AIの進化を待ってから考えるのでもなく、誰かが退職してから考えるのでもない。

今いる人たちの経験と、これから入ってくる世代、そしてAIを、どのようにつないでいくのか。そこを考え始めることが、AI時代の世代交代の第一歩なのかもしれません。

あなたの会社では、次の世代へ何を残し、何を変えていきますか。

 

 

マーケター/経営支援コンサルタント

上敷領 忍

 

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