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2026.09.25 吉井 勇|中堅企業における人的資本経営の実践

上司の目標はどう部下へ伝わるのか ― 目標設定が組織を変える ―

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラスト専門家 社会保険労務士、ISO30414リードコンサルタント/アセッサー 吉井先生ブログ

第3回の掲載となります。よろしくお願いいたします。

テーマは「上司の目標はどう部下へ伝わるのか― 目標設定が組織を変える ―」です。

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前回の最後に、次回は「評価制度は『点数』を付けるためではない」をテーマに、評価について考えてみたいとお伝えしました。ところが、評価について考え始めたところ、一つの問いに行き着きました。

そもそも「何を目指したのか」が明確でなければ、何を評価するのでしょうか。

 

そこで今回は、評価の一つ手前にある「目標設定」について考えてみたいと思います。

 

前回、会社が目指す未来と一人ひとりの仕事をつなぐ接点が「役割」であるとお伝えしました。

役割とは、「何を実現するために自分がここにいるのか」を示すものです。しかし、役割が明らかになっただけでは、日々の行動にはつながりません。その役割を、「今期、自分は何をどこまで実現するのか」へ具体化する必要があります。それが「目標」だと私は考えています。

 

私は現在、中堅企業の人事制度運用に関わる中で、個人の業績目標を次のように捉えています。

 

「部門は何のためにあるのか」+「自分はどこまでの役割・責任を担うのか」+「今期、組織から何を期待されているのか」⇒「自分は今期、何をどこまで実現するのか」 

 

これを個人の目標にするという考え方です。

ところが、実際に目標を設定しようとすると、ここが難しい。

 

「業務を効率化する」「部下を育成する」「顧客満足度を高める」。一見すると立派な目標ですが、「何のために」「誰にどんな価値をもたらし」「どこまで実現するのか」が曖昧であれば、本人も何を目指せばよいのか分からず、期末になって達成できたのかを判断することも難しくなります。

 

もう一つ難しいのが、上司と部下の目標をどうつなぐかです。

上司の目標を細かく分解して、そのまま部下へ「下ろす」だけでは、部下にとっては「やらされる目標」になりかねません。一方、一人ひとりが自分の関心だけで目標を設定すれば、それぞれは頑張っていても、組織全体として目指す成果につながらないことがあります。

 

私が大切だと考えているのは、「上司の目標を部下に下ろす」のではなく、「部下の目標を積み上げた結果が、上司の目標達成につながる状態をつくる」ことです。そのために、上司はまず、「私たちの部門は何のために存在するのか」「今期、何を実現しなければならないのか」を自分の言葉で伝える必要があります。

そのうえで、「その中で、あなたの役割なら、誰にどのような価値を届けることができるだろうか」と本人に問いかける。本人も、自分の役割から「何を実現したいのか」を考える。上司からの期待と本人の意思をすり合わせながら、一緒に目標をつくっていくのです。

 

ここには、中堅企業だからこその可能性があると私は感じています。

大きな組織では、階層や職種が増えるほど、経営が目指すものと一人ひとりの目標をつなぐために相応の仕組みが必要になります。一方、中堅企業は経営と現場の距離が比較的近く、会社が目指す方向を一人ひとりの役割や目標までつなげやすい。反面、距離が近いからこそ、「分かっているだろう」という“あうんの呼吸”に頼ってしまう危うさもあります。だからこそ、目標設定を単なる期初の書類作成にしてはいけないのだと思います。

 

会社はどこへ向かうのか。部門は何を実現するのか。その中で自分はどの役割を担い、今期、何をどこまで実現するのか。この一本の線を、上司と本人が対話によってつくる。そうすることで、前回お伝えした「役割が見えるから、責任を引き取れる」が、具体的な行動へと変わっていきます。

 

私は、目標とは人を管理するための数字ではなく、会社が目指す未来と一人ひとりの役割を、今日からの行動へつなぐものだと考えています。では、こうして設定した目標に向かって行動した結果を、上司と本人はどのように振り返ればよいのでしょうか。「目標達成率80%だから4点」と点数を付けるだけで、人の成長につながるのでしょうか。ここで、前回予告した「評価」の話へようやくつながります。

 

私は今、上司と本人の間に「役割という箱」を置き、その中に「期待された役割」「目標」「実際に生み出した価値」を置いて、二人で同じものを見ながら振り返ることに、評価の新しい可能性を感じています。

 

次回は、「評価制度は『点数』を付けるためではない」をテーマに、評価を「役割という箱を通じた成長の対話」として考えてみたいと思います。

 

 

社会保険労務士、ISO30414リードコンサルタント/アセッサー

吉井 勇

 

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安田真浪

 

 

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