2026.09.18 上敷領 忍|マーケティング・DX・AI
みなさんこんにちは、安田です。
トライアングル・トラスト専門家 マーケター&経営支援コンサルタント 上敷領先生ブログ
第3回の掲載となります。よろしくお願いいたします。
テーマは「AIは「第7の経営資源」になるのか ~生成AIが変える、企業の経営戦略と制約条件~」です。
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1.経営戦略で重要なのは「足りない資源」をどう使うか
企業が経営戦略を考えるとき、必ず意識しなければならないものがあります。それが「経営資源」です。
一般的にヒト・モノ・カネ・情報が基本的な経営資源とされ、近年では時間・知的財産を加えた6つで捉える考え方もあります。そして、これらがすべて十分にそろっている企業はほとんどありません。人が足りない。時間が足りない。資金が足りない。必要な情報がない。設備にも限界がある。
つまり経営資源とは、企業の可能性を生み出すものであると同時に、戦略を実行するときの「制約条件」でもあります。だからこそ経営戦略では、限られた資源をどこに分配するのかという「選択と集中」が重要になります。
戦略を考えるときに重要なのが「何をするのか」という方向性を決めることです。そして、それ以上に「何をしないのか」を決めることが難しく、重要になってきます。つまり、限られた資源の中で、どこに集中すれば最も大きな価値を生み出せるのかを考えることが、経営戦略の重要な役割の一つとなります。しかし、生成AIの登場によって、この「経営資源は限られている」という前提条件に変化が起き始めています。
2.AIは経営資源の「制約」を小さくする
6つの経営資源の中で、特に重要な存在は「ヒト」です。なぜなら、これまでヒトは、モノを使い、カネを分配し、情報を集め、時間を使い、知的財産を生み出すなど、他の経営資源を組み合わせて価値へ変える中心的な役割を担ってきたからです。そして今、そこに、AIが加わろうとしています。AIを活用すれば、これまで数時間かかっていた仕事を短時間で処理でき、膨大な情報を集め、整理・分析することもできます。そこから新しいアイデアやノウハウを生み出し、それらを知的資産として蓄積し、そして知的財産の形成につなげることも可能になってきました。
さらに、設備や業務プロセスを効率化できれば、モノの生産性も高まり、コスト削減によって「カネ」という資源にも余力が生まれます。その余力を新たな戦略へ再分配すれば、次の価値創造にもつながります。しかし勘違いしてはいけないのは、AIによって経営資源そのものが無限になるわけではないということです。
1日は24時間のままですし、社員10人の会社がAIを導入したからといって20人になるわけでもありません。しかし、これまで10人を必要としていた仕事を、より少ない人数で進められる。また、数時間を要した仕事を、大幅に短縮できるケースも生まれています。こうした変化は、すでに多くの企業で起き始めています。皆様の会社でも、その兆しが見え始めているのではないでしょうか。つまりAIは、経営資源の物理的な量を増やすのではなく、企業が実際に活用できる資源のパフォーマンスを高め、そこから生み出される価値を広げる可能性を持っています。
これは単なる効率化にとどまりません。これまで資源不足を理由に選択肢から外していた取り組みや戦略を、実行可能なものへ変えていくことにもつながります。
そうです。AIは単なる効率化ツールではなく、既存の経営資源が持つ制約を小さくし、その価値を増幅する存在になりつつあるのです。
3.AIを「第7の経営資源」として考える
そう考えると、これからの企業はAIを、従来の6つの経営資源とは別の「第7の経営資源」として捉えてみることに、意味があるのではないでしょうか。ただし、AIには従来の経営資源とは少し異なる特徴があります。その違いを理解し、AIに対する私たちの捉え方を変える必要があります。
AI単体で価値を生み出すというより、「AI×ヒト」「AI×情報」「AI×知的財産」「AI×モノ」のように、既存の経営資源と結びつくことで、その価値をさらに高めていきます。特に、自社が蓄積してきた情報やノウハウ、人の経験とAIが結びつけば、他社にはない新たな価値を生み出す可能性も高まります。
つまりAIは「第7の経営資源」と捉えることができると同時に、他の経営資源の価値を高める「価値の増幅装置」でもあるということです。
そして将来、AIが「どの経営資源を、どこに、どのように分配すればよいのか」を考え、人では思いつかなかった組み合わせから新しい事業戦略まで提示するようになる可能性は十分にあります。
これまで人にしかできなかった「経営資源を組み合わせ」、そして「経営資源を価値へ変える」という役割そのものが人と同じように、または人以上にAIが担える将来が訪れるのはそう遠くないかもしれません。
AIは経営資源の価値を高める「増幅装置」になっていきます。
そして戦略上の制約条件が変われば、経営戦略への取り組み方も変わります。
これまで「できない」と考えていた戦略が「できる」に変わる。
そのとき、人はどうあるべきか。
あらためて考え、学びを深める機会になればと思います。
マーケター/経営支援コンサルタント
上敷領 忍
▶上敷領 忍 先生
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