2026.06.11 組織づくりとは
みなさん、こんにちは。安田です。
前回は、「自社理解と経営認識」についてお伝えしました。
管理職は、自分自身を理解するだけでなく、自社の原点、現状、外部環境、理念、未来を理解することが大切です。
自分を理解する。
会社を理解する。
この二つが揃って、初めて組織を正しい方向へ導く準備が整います。
では次に考えるべきことは何か。
それは、「どうすれば組織は機能するのか」ということです。
ここから、いよいよ組織運営とマネジメントの本質に入っていきます。
まず、皆さんにお伝えしたいのは、組織は放っておいても機能しないということです。
人が集まっただけでは、組織にはなりません。
同じ会社にいる。
同じ部署にいる。
同じ目標を掲げている。
それだけで、自然に組織が動くわけではありません。
一人ひとりの考え方も違います。
価値観も違います。
仕事への向き合い方も違います。
得意なこと、苦手なことも違います。
だからこそ、組織として機能するためには、原理原則が必要になります。
その基本になるのが、「組織形成三原則」です。
組織が組織として機能するためには、三つの要素が必要です。
一つ目は、目的共有。
二つ目は、意思疎通。
三つ目は、協働意識です。
この三つが整って、初めて組織は動き始めます。
どれか一つが欠けても、組織はうまく機能しません。
目的が共有されていなければ、向かう方向がバラバラになります。
意思疎通ができていなければ、誤解や不信感が生まれます。
協働意識がなければ、助け合いや連携が生まれません。
つまり、組織づくりの基本は、この三つを整えることです。
組織形成三原則の一つ目は、「目的共有」です。
これは、会社や組織がどこへ向かうのか、その方向を揃えることです。
経営理念。
パーパス。
ビジョン。
経営計画。
事業計画。
部門方針。
言葉はいろいろありますが、要するに大切なのは、
「自分たちはどこへ向かうのか」
が共有されているかどうかです。
ここがズレると、組織はバラバラになります。
経営陣はこう考えている。
管理職は別のことを言っている。
現場はまったく違う方向を見ている。
このような状態では、組織として成果を出すことは難しくなります。
目的共有は、経営陣や管理職だけが理解していればよいものではありません。
現場まで含めて、同じ方向を向いているかが重要です。
管理職の役割は、会社の目的を現場の言葉に置き換えて伝えることです。
なぜこの仕事をするのか。
なぜこの目標を追うのか。
なぜ今、この取り組みが必要なのか。
それを、自分の言葉で伝え続けることが大切です。
二つ目は、「意思疎通」です。
私は、この意思疎通が組織運営において非常に重要だと考えています。
意思疎通とは、単に情報を伝えることではありません。
お互いを理解し合うことです。
まず必要なのは、自己理解です。
自分はどういう人間なのか。
何を大切にしているのか。
どのような考え方をしやすいのか。
どのような場面で感情が動きやすいのか。
自分を理解していなければ、相手との関係性も整えにくくなります。
次に必要なのが、他者理解です。
部下は何を考えているのか。
何に悩んでいるのか。
どのような価値観を持っているのか。
何を大切にして働いているのか。
そして最後に必要なのが、相互理解です。
自分が相手を理解する。
相手にも自分を理解してもらう。
そのうえで、お互いにどう協力していくかを考える。
これが、本当の意味での意思疎通です。
管理職が気をつけなければならないのは、「分かっているつもり」です。
部下のことは分かっている。
現場のことは分かっている。
自分の考えは伝わっている。
そう思っていても、実際には伝わっていないことがあります。
特に管理職は、自分が話す側になることが多くなります。
指示を出す。
説明する。
注意する。
方針を伝える。
もちろん、発信することは大切です。
しかし、発信だけでは意思疎通にはなりません。
相手がどう受け取ったのか。
何を感じたのか。
どこで迷っているのか。
何が理解できていないのか。
そこまで確認して、初めて意思疎通になります。
理想は、「発信50、受信50」です。
伝えるだけではなく、聞く。
指示するだけではなく、受け取る。
話すだけではなく、相手の考えを確認する。
このバランスが取れている組織は、強いです。
三つ目は、「協働意識」です。
協働意識とは、簡単に言えば、
「一緒に前へ進もう」
という感覚です。
組織には、役割の違いがあります。
立場の違いもあります。
考え方の違いもあります。
それでも、同じ目的に向かって、お互いに協力しながら進んでいく。
これが協働意識です。
ただし、協働意識は無理やり作るものではありません。
「協力しなさい」
「チームワークを大事にしなさい」
と言うだけで、協働意識が生まれるわけではありません。
目的が共有されている。
意思疎通ができている。
お互いの役割が明確になっている。
相互理解がある。
その土台があって、初めて自然に協力関係が生まれます。
つまり、協働意識は結果でもあるのです。
目的共有と意思疎通が整ってくると、組織の中に「一緒にやろう」という空気が生まれていきます。
ここまで、組織形成三原則についてお伝えしました。
ただ、組織が常に理想通りに機能するわけではありません。
なぜなら、組織は人で成り立っているからです。
人には感情があります。
欲求があります。
不安があります。
承認されたい気持ちがあります。
成長したい気持ちもあります。
ここで参考になるのが、「マズローの欲求五段階」です。
人には段階的な欲求があります。
まず、生きるための基本的な欲求があります。
次に、安心・安全に過ごしたいという欲求があります。
その次に、どこかに所属していたいという欲求があります。
さらに、認められたいという承認欲求があります。
そして最後に、自分らしく成長し、自己実現したいという欲求があります。
これは、組織運営において非常に大切な視点です。
例えば、安心して働けない環境にいる人に対して、
「もっと成長しよう」
「主体的に挑戦しよう」
と言っても、なかなか響きません。
なぜなら、その人にとっては、まず安心・安全が満たされていないからです。
人間関係に不安がある。
ハラスメントへの恐れがある。
家庭の問題を抱えている。
自分の居場所がないと感じている。
そうした状態では、前向きに挑戦する余裕は生まれにくいのです。
一方で、安心して働ける環境があり、周囲から認められ、自分の役割を感じられている人は、成長や貢献に意識が向きやすくなります。
だからこそ管理職は、部下が今どの段階にいるのかを見る必要があります。
同じ言葉をかけても、響く人と響かない人がいます。
それは、能力の問題だけではありません。
欲求の段階が違うこともあるのです。
組織マネジメントというと、仕組みや制度、目標管理、業績管理をイメージする方も多いと思います。
もちろん、それらも大切です。
しかし、その前提にあるのは「人を理解すること」です。
人を理解せずに、組織は動かせません。
目的を共有する。
意思疎通を図る。
協働意識をつくる。
そして、一人ひとりの状態を見ながら関わる。
これが、マネジメントの基本です。
管理職は、単に指示を出す人ではありません。
人と組織をつなぎ、目的に向かって動ける状態をつくる人です。
そのためには、理論を知るだけでは不十分です。
現場で実践できる原理原則として理解する必要があります。
結局、組織は次の三つが整って、初めて機能します。
目的を共有すること。
お互いに意思疎通を図ること。
協力して進もうとする意識を持つこと。
この三つです。
そして、その土台には「人を理解する」という視点があります。
どれだけ立派な方針があっても、人が理解していなければ動きません。
どれだけ制度が整っていても、意思疎通がなければ機能しません。
どれだけ目標を掲げても、協働意識がなければ成果にはつながりません。
だからこそ、管理職は組織形成三原則を、単なる知識としてではなく、日々のマネジメントの中で実践していく必要があります。
自分を理解する。
会社を理解する。
そして、人と組織が機能する原理原則を理解する。
ここまで整って、ようやく組織運営の土台が見えてきます。
次回は、この土台を踏まえたうえで、会社の基本理解と生産性向上について考えていきたいと思います。
~組織づくりが企業を変える!組織の課題解決コンサルティング~
安田真浪
トライアングル・トラストは、組織における各種課題解決のお手伝いをしています。
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