2026.06.10 組織づくりとは
みなさん、こんにちは。安田です。
前回は、管理職に必要な「キャリア意識形成」についてお伝えしました。
組織を動かす前に、まず自分自身を理解する。
自分の過去を振り返り、現在を正しく見て、未来を描き、行動に落とし込む。
これが、管理職としての土台になるというお話でした。
今回は、その次のステップとして「会社理解」について考えていきたいと思います。
管理職にとって、自己理解はとても大切です。
しかし、自分を理解するだけでは、組織を動かすことはできません。
なぜなら、管理職は会社という組織の中で、成果を出す立場だからです。
だからこそ、次に必要になるのが「自社理解」です。
自分のことは考える。
部下のことも考える。
しかし、自分たちの会社そのものについては、意外と深く考えていない。
こういう管理職は、実は少なくありません。
「自分の会社のことは分かっている」
「長く働いているから理解している」
「毎日仕事をしているから知っている」
そう思っていても、実際には「分かっているつもり」になっていることがあります。
管理職として組織を動かす立場になる以上、自社をどう捉えているかは非常に重要です。
まず大前提として、企業は一時的な存在ではありません。
会社は、続いていくことに意味があります。
価値を生み出し、社会に必要とされ、社員が働き続けられる場をつくり、未来へつないでいく。
これが、企業経営の本質です。
では、会社が永続していくためには何が必要でしょうか。
その出発点になるのが、「自社を正しく理解すること」です。
自社の原点を知らずに、未来は描けません。
自社の現状を知らずに、正しい判断はできません。
自社の強みや弱みを知らずに、戦略は立てられません。
だからこそ、管理職には、自社を客観的に理解する力が必要なのです。
前回、個人には「キャリアのたな卸し」が必要だとお伝えしました。
それと同じように、会社にも「たな卸し」が必要です。
まず見るべきは、会社の原点です。
なぜ、この会社は生まれたのか。
どのような時代背景の中で創業されたのか。
創業者は何を考えていたのか。
何を社会に提供しようとしていたのか。
どのような想いで事業を始めたのか。
こうした「会社の原点」を知ることが大切です。
原点を知らないまま仕事をしていると、日々の業務は単なる作業になりやすくなります。
しかし、会社の原点を理解すると、見え方が変わります。
自分たちは何のために存在しているのか。
何を大切にしてきた会社なのか。
どのような価値を提供してきたのか。
ここが見えてくると、仕事に意味が生まれます。
次に必要なのが、現状把握です。
今、自社はどういう状態なのか。
事業はうまくいっているのか。
組織は機能しているのか。
人材は育っているのか。
市場の中で、どのような立ち位置にいるのか。
これらを客観的に見る必要があります。
ここは、個人でいう「現在の自己理解」と同じです。
自分自身を正しく見られない人が、正しい行動を選べないのと同じように、会社も自社の現状を正しく見られなければ、戦略を間違えます。
大切なのは、良い悪いを感情で判断することではありません。
まず事実を見ることです。
売上はどうか。
利益はどうか。
顧客からどう見られているのか。
社員の状態はどうか。
現場で何が起きているのか。
こうした現実を、管理職が正しく把握することが重要です。
さらに必要なのが、外部環境の認識です。
会社の中だけを見ていても、正しい経営判断はできません。
今、世の中はどう動いているのか。
市場はどう変化しているのか。
お客様の価値観はどう変わっているのか。
競合は何をしているのか。
社会全体はどこへ向かっているのか。
こうした外の変化を見なければなりません。
人口減少、働き手不足、DX、AI、価値観の多様化など、企業を取り巻く環境は大きく変わっています。
つまり、会社は会社の中だけで完結しているわけではありません。
外部環境の変化を前提にして、自社をどう捉えるか。
ここが、管理職に求められる視点です。
ここで重要になるのが、理念体系です。
経営理念。
ミッション。
ビジョン。
バリュー。
パーパス。
最近は、さまざまな言葉が使われています。
しかし、大事なのは、横文字を並べることではありません。
本当に大切なのは、
「自社は何を大切にしているのか」
「何のために存在しているのか」
「どこを目指しているのか」
を理解することです。
そして、もっと大切なのは、それが社内で共有されているかどうかです。
経営陣だけが理解していても意味がありません。
管理職だけが理解していても不十分です。
現場まで浸透しているか。
社員一人ひとりが、自分の仕事と結びつけて理解できているか。
ここが非常に重要です。
理念は、掲げるだけでは機能しません。
日々の判断や行動につながって、初めて意味を持ちます。
管理職に求められるのは、現在を見る力だけではありません。
未来を描く力も必要です。
今の会社をどう見るか。
それだけではなく、5年後にどのような会社になっていたいのか。
どのような組織をつくりたいのか。
どのような価値を提供していきたいのか。
ここまで考えることが大切です。
そして、それを言葉にする。
周囲と共有する。
経営陣、管理職、現場の認識を擦り合わせる。
これも管理職の大切な役割です。
未来が曖昧なままだと、現場は迷います。
何のために頑張るのかが分からなくなります。
だからこそ、会社の未来を描き、それを組織の中で共有していく必要があります。
自社理解を進めるうえで使いやすいのが、SWOT分析です。
ただし、ここで大切なのは、SWOT分析を難しく考えすぎないことです。
SWOTは、分析ツールというよりも、整理ツールです。
まず外を見る。
市場はどうか。
競合はどうか。
社会はどう変わっているのか。
これが、機会と脅威です。
次に内を見る。
自社の強みは何か。
自社の弱みは何か。
どのような資源があるのか。
何が価値になっているのか。
これが、強みと弱みです。
そして重要なのは、それらを組み合わせることです。
強みと機会を組み合わせれば、攻める方向が見えてきます。
弱みと脅威を組み合わせれば、守るべき部分が見えてきます。
つまり、戦略とは、現状を整理して方向性を決めることです。
難しい言葉を使うことではありません。
自社の現実を正しく見て、どこへ向かうかを決めることです。
ここまで整理すると、自己理解と会社理解には共通点があることが分かります。
個人の場合は、
過去を振り返り、現在を把握し、未来を描く。
会社の場合も同じです。
創業からの歩みを知り、現在の状態を把握し、未来を描く。
つまり、個人も会社も、理解の流れは同じなのです。
管理職に必要なのは、この両方です。
自分を理解すること。
会社を理解すること。
この二つが揃って、初めて正しい組織マネジメントができます。
自分の軸がなければ、判断がブレます。
会社の軸が分からなければ、組織を正しい方向へ導けません。
だからこそ、管理職は、自分自身を理解すると同時に、自社を深く理解する必要があります。
管理職は、単なる現場責任者ではありません。
会社の方針を現場に伝え、現場の状況を経営に返し、組織を動かしていく存在です。
そのためには、自社の原点、現状、外部環境、理念、未来を理解していることが欠かせません。
会社を理解していない管理職は、組織を正しく導くことができません。
逆に、会社を深く理解している管理職は、現場に意味を伝えることができます。
なぜこの仕事をするのか。
なぜこの方針なのか。
なぜ今これに取り組むのか。
こうしたことを、自分の言葉で伝えることができます。
これが、組織を動かす力になります。
前回は「自分を知る」ことについてお伝えしました。
今回は「会社を知る」ことについてお伝えしました。
次回は、この自己理解と会社理解を踏まえたうえで、組織が機能するための原理原則について考えていきたいと思います。
~組織づくりが企業を変える!組織の課題解決コンサルティング~
安田真浪
トライアングル・トラストは、組織における各種課題解決のお手伝いをしています。
オーダーメイドプログラムで、担当者様と一緒に取り組んでいます。
お気軽にご相談ください。