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2025.08.08 髙井 清司 | ガバナンス・コンプライアンスとは

[33] 経営の基本コンセプトとは何か?

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラスト専門家 ガバナンスコンサルタント髙井清司先生ブログ

第33回テーマは「経営の基本コンセプトとは何か?」です。

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20250808_319番_経営の基本コンセプトとは何か?

 

 

 先回は、いい会議にする為の秘訣と題して、経験、知見をベースに書いてみました。いかがだったでしょうか。“今(現状)”を確認していただきながら、いい会議を実施するお手伝いが出来れば有難いです。   

いい会議は、経営スピードアップに弾みがつきますからね。今回は、ガバナンスの担当講師として、私流の平易な経営診断の仕方についてお話したいと思います。

最初に、私流の経営に関する基本コンセプトを説明した後、経営診断の流れについてお話します。今回は、考え方を中心に、次回は、具体的な診断の進め方という流れです。

 

《①基本コンセプト》

経営の大切な要素は組織、戦略そして管理システムの3つと考えています。

 

経営=組織+戦略+管理システム

 

もう少し、具体的にお話ししましょう。

 

 私のイメージする「健全な経営」は、将来のしっかりとした“ありたい姿”があり、それに向けての戦略が立案されており、その戦略実現の為の計画が立案され、PDCAが回っている状態です。そして、その「健全な経営」は、組織という共通の目標を持った集団があって成り立ち、その集団のメンバーが努力して達成するのが戦略。そして戦略を実現する為に、実施している施策がうまく効率的にマネージできるような仕組みやルールが管理システムという構造なのではないかと思っています。いかがでしょうか。経営といった漠としたものを説明すると10人いれば、10種類の説明になってしまいますが、私流に組織、戦略、管理システムの3つの要素をもう少し、ブレイクダウンしていきます。

 

≪②組織≫

●少人数の会社であれば、組織毎の整合性を考える必要はないでしょうが、数百人以上の会社であれば、組織に関するルール(取り決め)が必要になります。私は診断させてもらった会社の経営者にまずお願いしたことは考えたルールをメモに残し、徐々に体系化する努力をしてくださいとお願いしていました。初めは、簡単なメモでいいです。常にいい組織を追求することは会社経営の効率、スピードに大きく関わります。そして、そのメモをいつも眺め、もっといい組織はどんなものかをいつも考えることが大切です。しかし、立派で、かつ、きちんとし過ぎるルールを作ると組織は知らず知らずに肥大化していきます。それでは組織をどうしたらいいのかの議論ばかりで、本末転倒です。効率と経営スピードを実現する為の組織でなければなりません。

●組織のルールをお話する前に、例えば、製造会社では、事業部とか製造部とかありますね。通常、プロフィットセンターと呼ぶことが多く、管理部門はコストセンターということが多いです。効率的な組織を心掛けても、必ず、徐々に肥大化します。そういったことを避ける上でも、ルールが必要です。では、ルールとはどういう内容なのでしょうか。私は、“目的”、“連携”、“変更”の3つかなと思っています。“目的”は、なぜこういう部が、室が、課が、必要なのかを簡潔に述べた内容です。何度も複数のメンバーで読み返し、固めていくということですね。“連携“とは、社内のどういう組織と連携すべきかを述べたものですが、詳しく作るとまたまた肥大化するので、こういった戦略に基づく施策実現のため、こういった社内の連携をすべきというような感じのルールは必要ということです。組織は良い経営を実現する為の道具です。よって、組織の目的が消滅したり、優先順位が変わった時に、解散するとか縮小するとかをルールとして決めておくべきです。組織は時間とともに既得権益になりがちです。“ヒト”という限られたリソースを効率的に使うよう、効率と経営のスピードアップに繋がる組織のルールになることを期待します。

 

≪③戦略≫

●戦略という言葉を使うと「そんな堅苦しい理屈はうちはいらん。」とか「そんなことを考えていては目の前の仕事がこなせない。」という意見をよく聞きました。しかし、社員みんなが目標に向かって頑張っているという状況がなかなか創れないという声も聞きます。私は、将来どうなりたいかの“想い”を社員の方と共有することから始めませんか?とアドバイスしています。初めは、なかなか議論が深まりませんが、軌道に乗り始めると、議論がスピードアップしてびっくりするほど転がり始めます。検討の流れは次のようです。

経営理念やビジョンに基づく“将来なりたい姿”を描く
その実現の為に何をするかを組織単位毎に考えて方向を決める
これが戦略といっていいでしょう。

 

●ただ、組織単位の戦略のΣが会社全体の戦略ですので、全体の整合性が重要です。自前でやれるところまでやって壁にぶつかったら、外部のアドバイザーの協力を短期間でいいので、依頼するのがかえって効率的かなと思います。進め方のイメージが湧くように具体的な診断内容は次回紹介したいと思います。この戦略がうまくいくかどうかも“ヒト”ですよね。だから、私は、今まで述べた方針体系に加えて、人事制度を含めて2本立てが戦略として重要と思っています。人事制度は、“頑張った人が公平公正に評価される”制度を創ることがポイントです。

 

≪④管理システム≫

●では、最後は管理システムです。システムという表現を使っているので、プログラムかなと思われることもありますが、仕組みやルールと思っていただければいいと思います。組織、戦略について既に述べましたが、その2つについても進め方の仕組みやルールはありますよね。そういったルールは、社内規定という形で残していくといいと思いますが、社内規程の作成に当たり、体系を決めておくこと、見直し時期や変更・修正もルール化しておくと便利です。

●現状は現場の方々が熟知していると思いますので、現場のスタッフを巻き込んで少人数で社内規程プロジェクトを組織化して進めるとうまくいくと思います。では、まず、とっかかりとして、どんな項目を整備するかは、どうしたらいいでしょうか。私は、次のようなことを規定として整備し、その後、必要に応じて、増やしていく、充実させていくといったやり方はどうでしょうかとお話しています。

 

組織:組織は良い経営をする為の道具。組織の概要・継続するかどうかの見直し時期(定期・随時)、組織ごとの目的(業務分掌)等

戦略:方針・計画体系(含むPDCAの具体的な回し方)、人事制度(人事考課方法・昇格昇進のやり方等)

 

≪⑤まとめ≫

●そろそろ、一区切りとしてまとめましょう。こうすべきということをコンパクトに書いてみました。皆さんの“今(現状)”と比較して、どうしていくことが効率的でかつ実効が挙がるかを考えてみたらいかがでしょうか。

 

経営の大切な要素は組織、戦略そして管理システムの3つ

経営=組織+戦略+管理システム

 

組     織組織の目的をメンバーが認識し、効率的に成果が出るよう努力する。また、常に肥大しないように注意。

戦     略“方針体系に沿って、戦略を構築し、年度計画に織り込み、PDCAを回す。”

         “頑張った人は公平公正に評価される”を重視し、それに相応しい制度に変えることを目標にする。

管理システムガバナンスの社内徹底を狙い、仕組み・ルールを規程に落とし込み、常に整備しながらメンテする。

 

いかがでしたか。少しは参考になったでしょうか。次回は、この基本コンセプトに沿って、役立つ私流の“具体的なガバナンスの診断方法”についてお話したいと思います。

 

今日もお読みいただき、ありがとうございました。少しでもご参考になれば幸いです。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。

 

 

ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント

髙井 清司

 

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安田真浪

 

 

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