2025.04.25 ガバナンス・コンプライアンスコンサルティング中堅企業五人衆内部統制課題解決髙井 清司
みなさんこんにちは、安田です。
トライアングル・トラスト専門家 ガバナンスコンサルタント髙井清司先生ブログ
第26回テーマは「中小企業にとっての内部統制のメリット」です。
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今回は、「内部統制システムの構築」について、私見を述べたいと思います。自分が2012年に常勤監査役になった会社は、資本金5億円以上または負債の合計が200億円以上の「大会社」であったため、「内部統制システムの構築が義務化」されていたので、私が就任した時は、既に、構築済みでした。私の任務の一つとして「内部統制システムのレベルの維持向上」に取組むとともに「取締役が内部統制システムを守る番人にすること」を目標にすることにしました。そういった活動は会社に貢献できたと引退した今でも思っています。
では、内部統制について、ちょっとおさらいをしておきましょう。上場している会社は、「有価証券報告書」とともに「内部統制報告書」の提出が義務付けられています。「内部統制報告書」は、会社が作成する「有価証券報告書」で不正が発生しないような活動を記述したり、発生しても、「内部統制が有効であった」ことをまとめ、提出するものです。常に統制のレベルが年々、向上するような行動をしなければならないということが根底にあると思っています。形だけでなく、“良い会社になる”ために気持ちのこもった活動であるべきです。より導入を促進するために、上場企業には罰則もありますね。私のblogを見ていただいている方々は中小、中堅企業が多いのではと推測していますので、そこにスポットを当てて、述べてみます。
中小企業には内部統制整備が法律(会社法)で義務付けられていません。しかしながら、“良い会社”になる為に、内部統制の整備は必要であることは何度もお話しています。しかし、中小企業の場合、どうしても、目先のビジネスの多忙さから、導入の優先順位は下がり気味です。次のような導入のメリットは、整備を始めないと得られません。どんなメリットでしょうか。列記してみましょう。
《内部統制の導入メリット》 ・違法行為(コンプライアンス)や情報漏洩など防ぐことが出来る。 ・会社の業務や財務を適正にする。 ・会社の持続的な成長や中期的な企業価値の向上を実現できる。 ➡しかし、経営者が健全な企業活動に対して、関心が低かったり、コンプライアンスを重要視しなかったりすると、内部統制の整備は進みません。そういった経営陣の意識改革も必要です。 |
前回のBlog25は「内部統制って何?」をテーマにお話ししました。最後のまとめをリピートしてみます。その中でも書きましたが、ポイントは、「取締役がキーマン」ということです。
《前回(Blog 25)のまとめ》 ・内部統制は不正会計の防止を目的にアメリカで生まれた。 ・会社は、コーポレートガバナンスを機能させる必要があり、「内部統制」が構築されていることが大前提です。 ・コンプライアンスは法令や規則を守ること。コーポレートガバナンスはコンプライアンスの管理体制や仕組みも含めて作られていること。 ・内部統制を構築していく上で、取締役がキーマン。“会社を良くするために絶対必要な仕事だという認識が”重要。取締役自身がやらされ感を感じているようではうまくいきません。 ・取締役と取締役のスタッフがいかに頑張るかが“会社が良くなるかどうか”のキーポイントです。 |
冒頭で述べた私は、「取締役を内部統制の番人にする!」という目標に対して、まずは、本を何冊も読んで勉強したり、セミナーに行ったりしましたが、一番これがいいなと思ったのは、金融庁の「内部統制の基本的枠組み(案)」です。これがお勧めです。8年ほど前ですが、一緒に内部統制の点検をした取締役とこれをバイブルに社内にプロジェクトを作り、スタッフとともに総点検と改訂を進めました。何がいいかというと31ペーとコンパクトだということ。で、全てがエッセンスです。比較的すぐ読めますので、何度も読み返すといいでしょう。「今、うちの会社で何から始めればいいかということが立案しやすい」と言えます。つまり、せねばならないアイデアが浮かんできます。私は、最初、表紙の目次をずっと眺め、瞑想するようにいつも眺めていました。不思議と進め方が浮かんできます。そして、推進に同意した仲間とチームをつくり進めることをお勧めします。仲間は企画、法務、IT等の管理者がいいと思います。進め方と言うか詳細な計画(5W2Hになっている計画)ができれば、PDCAを回すことです。これは私の信条なので、毎度毎度言っていますから割愛します。
まずは、「内部統制の基本的枠組み」を検索し、打ち出してみましょう。目次を眺めることが第一歩です。目次は、添付しております。状況は会社ごとに違いますから、皆さんのオリジナルな内部統制構築計画が既に形になっていれば点検・整備計画になりますね。外部のアドバイス・ヒントが得たいときは、お声がけください。お力になれるよう頑張ります。
今回は、中小企業にとっての内部統制導入のメリットについてお話ししました。いかがでしたか。今回も、堅苦しい内容でしたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。お役に立てれば嬉しいです。
次回はコーヒーブレイク的に、ガバナンス・コンプライアンスから離れ、私の好きな“お酒”について気楽にお話したいと思います。ご期待ください。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。
ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント
髙井 清司
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