2025.03.28 ガバナンス・コンプライアンスコンサルティング中堅企業五人衆内部統制課題解決髙井 清司
みなさんこんにちは、安田です。
トライアングル・トラスト専門家 ガバナンスコンサルタント髙井清司先生ブログ
第24回テーマは「不正のトライアングルとは」です。
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最近、詐欺事件、贈収賄や銀行の貸金庫の事件等、毎日のように新聞、テレビのニュースで騒がれていますね。昔に比べて件数が増えたなぁと感じるのは私だけでしょうか。そういった不正がどうやって起きるかの理論があり、「不正のトライアングル」と言われていますが、それにスポットを当ててまとめてみたいと思います。私が、常勤監査役をしていた時、日本監査役協会の会員でした。年に一回、「全国大会」という研修会があり、2016年のテーマは「企業不祥事の端緒と発覚後の対応」で、その中で『不正のトライアングル』という言葉が何度も登場したことを覚えています。今回は、その『不正のトライアングル』についてお話します。お付き合いください。
【「不正のトライアングル」とは何?】
『不正のトライアングル』とは、人が不正な行為をしてしまうメカニズムを説明する用語で、アメリカのD.R.クレッシーという犯罪学者が犯罪者を実際に調査して導き出した理論だそうです。具体的には、「不正行為は、①機会、②動機、③正当化という3つの不正実効の要因が全て揃った時に発生する。」という理論です。
3つの要因が三角形で表されているので、トライアングルと言われているんだなと思います。ここで、3つの要因のキーワードを整理しておきます。
① 機 会:不正行為の実行を可能或いは容易にする客観的環境。 ≪やろうと思えばいつでもできる≫ ② 動 機:不正行為を実行することを欲する主観的な事情。
③ 正当化:不正行為の実行を積極的に是認しようとする主観的事情。 |
【デロイトトーマツの調査】
・監査役協会の全国大会2016年の話をしましたが、同じ年にデロイトトーマツの「企業の不正リスク実態調査2016」というレポートがありました。上場企業の法務担当へのアンケートを基に分かり易くまとめてありました。今からざっとサマリーを書いてみますが、詳しくお知りになりたい方は、検索するとすぐ出てきます。
① 不正の機会 ・上記のコメント(不正行為の実行を可能或いは容易にする客観的環境)ですが、客観的環境を分かり易く言うと、不正をやろうと思えば、難なくやれてしまうような職場環境のことです。デロイトの調査では、不正の要因として多かった回答は、「経営者・管理者による統制活動の形骸化」と「不適切な職務分離」を挙げていますが、要するに、経営者・マネージャーは部下の行いをしっかり監視する、適切な権限付与とローテーションをしっかり行うことで「不正の機会は低減できる。」と締めくくっています。 |
② 不正の動機 ・上記コメント(不正行為を実行することを欲する主観的な事情)の主観的な事情ですが、個人と組織の2つに分かれます。個人的な動機は、ギャンブル、借金苦、貧困、恨み等だそうで、組織的な動機は、会社のため、上司のプレッシャー、人事評価・報酬のため等です。デロイトの調査では、個人、組織ともに年々、増加傾向で、どんどん、追い込まれ残された結果、不正しかない、不正をすることが唯一の道だと思ってしまう、また、組織的な不正で行われやすいのは、財務報告内容や汚職等を挙げています。私、個人的には、コミュニケーションが一番効果的な解決策だと思います。 |
③ 不正の正当性 ・上記コメント(不正行為の実行を積極的に是認しようとする主観的事情)ですが、これは、「このくらいのことは誰でもやっている。大したことではない。」と自己正当化するということでしょう。それは、不正をしないという会社では、悪いことをしてはいけない、させない、やれないという企業・職場の行動倫理や組織風土が大きく影響していると思います。デロイトの調査では経営理念や企業理念の伝達・実践もしくはコンプライアンス研修の形骸化で不正の抑止力が低下している或いは、十分でないと分析しています。 |
④ 不正のトライアングルの対応策(私見) ・3つの要素に共通した対応策と言うと、私は「職場のコミュニケーションの改善」かなと思っています。今まで数回、お話した「風通しの良い職場づくり(Blog13,14)」の活動を実践することは不正防止策になると思います。また、会社の仕組み、ルールの形骸化を防ぐ意味で、会社を良くしようという志を共有するメンバーで「うちの会社で不正の可能性・原因、予防の為の社内ルールは大丈夫か、ルール順守の社内のマインドはあるか」等を定期的にブレストし、レベルアップを行うことが大変有効だと思っています。 |
【不正トライアングルの予防策】
・「不正トライアングルの事例」と検索すると山ほど出てきます。時間が許せば、その事例と現在置かれている状況と比較しながら、果たして、今の仕組みやルール等が機能しているか、形骸化されていないかを考えるべきだろうと思います。そういうことを考えてくれる社員の方がいる会社は不正は起きないのではないでしょうか。しかし、大半のビジネスマンはそんな余裕はないでしょう。でも、会社を良くするという気持ちを持ち続け、仕組み、ルールの改善を考え続けることが大切だと思います。そこで、効率的に活動するために、不正トライアングルの3つの要素について、私の思う改善の為の「予防策」のヒントになるキーワードをランダムに列挙します。さあ、皆さん、考えましょう。
① 不正の動機の予防策ヒント ・公平公正な業務評価とそれに基づく公平公正な報酬 ・極端に無理のないリーズナブルな目標レベルと目標管理システムでプレッシャーやストレス低減 ・円滑なコミュニケーションやコンプライアンス教育 ② 不正の機会の予防策ヒント
③ 不正の正当化の予防策ヒント
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・いかがでしたか?参考になったでしょうか。あくまで私からのヒントですので、もっといいアイデアがあるかもしれません。ご容赦ください。大切なことは何か、動き出すことです。
【まとめ】
・ガバナンスもコンプライアンスも経営の基盤です。世の中の会社では毎日のように不祥事や不正が起こっています。そして、謝罪会見では、「ガバナンスが効いていませんでした。」とか「コンプライナンスの教育を初心に帰ってやっていきます。」とか・・・耳たこになるほど、よく聞くフレーズですね。他社の不正も他人事でと思わず、うちでも起こりうるのではないかとか、このルールのままではうちも起こるのではないかという「点検マインドを強化していくこと」が大切ですね。魔法のランプや打ち出の小槌はありません。地道に粛々と点検し、弱いところを改善していくことしかないですね、言わば常道です。
・また、トップにも十分理解していただき、トップが覚悟を持って取り組み、信頼できるリーダーを指名し、真剣に改善プロジェクトをスタートさせる。うまくいくことを期待しております。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。お役に立てれば嬉しいです。次回は数回、「内部統制」について色々な切り口で、お話します。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。
ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント
髙井 清司
▶髙井 清司 先生 プロフィール
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トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント
安田真浪
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