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2025.03.14 ガバナンス・コンプライアンスコンサルティング中堅企業五人衆内部統制課題解決髙井 清司

【ガバナンス・コンプライアンスとは㉓】監査役ってどんな人?(その3)

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラスト専門家 ガバナンスコンサルタント髙井清司先生ブログ

第23回テーマは「監査役ってどんな人?(その3)」です。

 

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今回は監査役シリーズの最後として、私の担当分野である「ガバナンスとコンプライアンス」について監査役視点で述べたいと思います。最近は、テレビ業界で不祥事があったり、企業間の合併交渉が暗礁に乗り上げたり、突然、道路が陥没したり、色々なことが起きています。果たして会社経営や法例遵守に問題はなかったのだろうかと思うことが増えているような気がします。そして、不祥事の記者会見では、企業のトップが、「ガバナンスが効いておりませんでした。申し訳ありません。」という発言をよく耳にします。そういった「ガバナンスとコンプライアンス」についておさらいも含めて私見や持論を述べてみたいと思います。お付き合いください。

 

① おさらい
●「コンプライアンスとは、法令・企業倫理・企業規則を遵守すること」です。そして、「ガバナンスとは、法令や規則を遵守させるための管理体制を作ること」とどんな書籍にもほぼ同様な説明が載っていますし、私もそう説明をしています。よく記者会見で耳にする「ガバナンスが効いていませんでした。申し訳ありません。」とは、管理体制が取れていない、経営の方向性が常にブレている等、内部統制の運用が適切に行われていないというのが原因、課題だと言われています。つまり、「ガバナンスが効いている状態」に戻すことが経営上、重要な課題であると言えます。では、どうしたらいいのでしょう。早くガバナンスが効いている状態にする近道の持論を述べてみます。

 

② 「ガバナンスとコンプライアンス」のレベルアップの為に施策(私見・持論)

<ガバナンス>
方針体系、計画体系の見直しと公平公正に評価される人事制度が出発点
・方針体系を見直し、部・課・個人に至るまで、PDCAが回ることが目標
《ミッション→ビジョン→経営戦略→経営計画→部門計画(計画はPDCAを回す)》
・人事制度は目標管理に基づき、公平公正な評価基準、方法を整備し、実践
・全体を鳥瞰でき、経営改善に繋げる外部のプロによるアドバイスが有効的

●ガバナンスに関しては、以前、参考になりそうな基本パターンを私が簡単に書いたものがあります。ご参考になればと思い、後で紹介します。私の外部アドバイザーとしての活動は、“出発点”としてのこの2つのテーマ(方針体系と人事制度)について、現状をQ&Aで伺うことから始めます。2つのテーマの進め方が決まった後の動きは、会社によって異なりますし、トップの意向もありますので、十分な話し合いをして決めることにしています。とにかく、この2つのテーマが出発点です。それが私の持論です。

 

<コンプライアンス>
現状把握の為の総点検が出発点
・法令・企業倫理・企業規則が遵守されているかどうかを総点検
・総点検に当たっては、環境変化が反映されているかも確認
・コンプライアンス違反を想定した事象とその対応策も関係者でブレストが有効的

●コンプライアンスについては、総点検が会社を挙げてできるかがポイントでしょう。Blog 8,9で述べた内容をできれば読み返してもらいたいなぁと思ってます。そこでお話した5つの項目だけ書いておきますね。コンプライアンスの総点検の他に5つの項目の実行はいい取っ掛かりになるのではと思います。

 

・コンプライアンスを根付かせるにはトップの覚悟!
・法務担当はいますか?
・社内規程やマニュアルを総点検しましょう。
・コンプライアンスの相談窓口や意見箱を作りましょう。
・高すぎる計画立案はご用心!

 

●それと、もう一つ自分の経験から有効であったと思っている事例をヒントとして書いてみます。上記の「関係者でブレストが有効的」と書いた内容です。

●コンプライアンス違反は無数の事例があると思いますが、大きくは分けると4つに分類されると言われています。それは、「労働問題」、「法令違反」、「不正経理」、「情報漏洩」です。私は、関連部署のメンバーを指名し、ワーキングメンバーを作ってもらいました。そのメンバーでこの4つのテーマ毎に「こういう違反がわが社で起きる可能性はあるのか、違反を隠したり、すり抜ける道はあるのか」という意見を持ち寄り、「違反の可能性、予防の為の社内ルールは大丈夫か、ルール順守の社内のマインドはあるか」等を定期的にブレストしました。その中で、完全犯罪ではないですが、違反をすり抜けるようなことも含めて議論しました。すり抜ける道や見つからない方法を考えることで予防や防止の為の完璧なルールづくりに繋げたいと思っていました。騙されたと思って、是非、やっていただきたいと思います。効果があると思います。次は、先ほど、後から紹介と言った「参考になりそうな基本パターンを私が簡単に書いたもの(方針体系と人事制度の2つのテーマ)」です。

 

<ガバナンスのレベル向上の為の参考事例(私のオリジナル・持論)>

 

1. 方針体系と計画体系を創り上げる
・まずは、『成長し、利益を上げ続け、世の中に貢献できる会社、従業員の満足度が増え続ける会社(私見)』にするため何をすべきかを計画化することについて、助言・支援していく。大切なことは、経営会議メンバーである幹部が議論を通じて“自分達の計画、自分達で作った手作りの計画”として創り上げること。
・あるべき流れは・・・・
ミッションとビジョン(将来、ありたい姿)→明確な経営戦略→長期構想(5~10年スパン)→長期計画(5年)→年度計画→年度計画に基づき部門、個人への展開
・具体的にどう実現するかの実行計画を作ることが第一歩。PDCAを回す上でも、しっかりとしたPを作ることが大切。立案した年度計画を部門、個人にも展開していく。

 

2.新たな人事制度を創り上げる
・基本的な考え方として、“頑張った人は公平公正に評価される”を重視し、それに相応しい制度に変えることを目標にする。その為に、次のようなステップで進めたらどうかと思う。を掘り下げながら検討することからスタートしたい。幹部による議論を通じて内容を固めていく。まずは、私見を共有して理解いただくことから始めたい。

 

個人としての目標管理を導入する。個人の目標は会社、組織と連動させるように方針体系、計画体系に合わせる。

職能等級基準(部門毎職位毎)と役職を整合させ、社員の目標レベルにする
(どこまでできるようになったら、上の等級になるのかが皆が理解できる等級基準にすることが大切で目標管理に結び付ける)

ⅲ個人の目標管理の為には、面談実施(期首、期中、期末)が必須。面談により、より個人のモチベーションアップも狙う。管理者の理解、部下への指導で結果は大きく変わる。管理者の教育も重要(別途、研修をアレンジ)。また、給与体系の見直しアセスメント(昇格試験)を導入、風通しの良い職場、改善活動等。

いかがですか?参考になれば有難いです。最後に「私の座右の銘と参考文献」を紹介して今回は、締めくくりたいと思います。

 

③ 私の座右の銘と参考文献
・Blog9で読み人知らずの「ダメな監査役・4ない監査役を」紹介しましたが、その時は、題名だけでしたので、フルバージョンでお伝えします。

 

<ダメな監査役・4ない監査役>

 

(1)「話を聞けない、聞かない」監査役
・情報を受け取るには、聞く技術が必要
(2)「歩き回らない」監査役
・耳触りのいい情報は、黙っていても来る。
・自室にいても、何も情報は入ってこない。
・必要な情報は、相手の手元にある
(3)「怖くない」監査役
・取締役とは違った観点の意見を言うのを躊躇するようでは、お飾りの監査役だと言われるし、自身の善管注意義務違反にもなる
(4)「声をあげない」監査役
・波風立てずに過ごすことが仕事
・任期中に大きな不正を発見したくない
・後任者に先送りしたい
・自分が「悪者」になりたくない

 

私が常勤監査役の時は、机にこれを張って「自分はこうなっていないか、こうならないよう、どうしたらいいか」を考え、行動していました。
Blog21-23で監査役について、私見を述べてきました。いかがだったでしょうか。関心持っていただけましたか?「監査役は、良い会社になる番人」だと思っています。私が就任した時に、監査役協会の研修で紹介された3部作の本が大変、参考になりました。以下の本ですが、私にとっては、本当にいい勉強になりました。

「監査役になったらすぐ読む本(小川文夫氏著」
「会社を良くする監査役-監査役の心構え-(笹尾慶蔵著)」
「経営を監視する監査役-日本型ガバナンスのキーパーソン-(別府正之助氏著)」

 

今回もお読みいただき、ありがとうございました。参考になれば有難いです。次回は、不正が新聞紙上を騒がしていますので、よく言われる「不正のトライアングル」にスポットを当てたいと思います。次々回以降は数回「内部統制」についてお話します。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。

 

ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント

髙井 清司

 

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トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

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