2024.12.26 ガバナンス・コンプライアンスコンサルティング中堅企業五人衆内部統制課題解決髙井 清司
みなさんこんにちは、安田です。
トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ガバナンスコンサルタント 髙井清司先生ブログ、
第18回、テーマは「取締役経験者からのお勧め事例」です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井です。
今回は、“取締役シリーズ”の最後として私が実施してきたお勧めしたい事例などを紹介します。参考になれば有難いです。
自分が“親”からの落下傘ではありましたが、取締役になった時に、会社をいかに良くするために社員の方々と一緒に考え、実効の上がる施策を作り、頑張ろうと思いました。これが、当時の私の思いであり、目標でした。その為に、考えた施策は、次のような内容です。
1.会社の将来像・ありたい姿を明確にする
・“親”にいた時は、経営企画室長として、10年後のビジョンづくりのリーダーを経験しました。その際、外部のコンサルにアドバイスをもらいながら、進めました。“子会社”役員としても社員全体が目標にするビジョンづくりは必要と考え、提案をしました。ビジョンづくりにGoの決定までは本当に社内の説得が大変でしたが、それは先回述べたので割愛しますが、役員会でGo!がかかった時、外部コンサルをアドバイザーにして「役員研修」を経てビジョンづくりに着手しました。また、社員が元気になるように「職場の風通しを良くするため」にオフサイトの合宿研修を役員会の承認を経て、開始。ファシリテーターは自分自身で務めました。
・ビジョンづくりは「うちも作ったなぁ。でも、作っただけで、うまく活用できていないなぁ」とか「ビジョンは本当に必要なのか?うちは200人程度の会社なので、社長の指示で動いてくれればいいのでは?」といった意見もよく聞きます。科学的に証明は出来ませんが、行くべき方向やゴールを作ることは誰も反対する人はいないと思います。コストの制約は要検討ですが…では、ここで、ビジョンづくりのポイントについて持論を書いてみます。
《ビジョンに織り込むべき6つの視点とビジョンづくりのありたい体制》
・6つは、次の視点です。切り口と言ってもいいでしょう。髙井オリジナルです。
《6つの視点》
1.「羅針盤(経営の方向づけ)」 |
2.「成長(事業拡大、価値創造)」 |
3.「変革(事業体質の強化)」 |
4.「社会性(社会貢献、国際協調、グローバル化)」 |
5.「夢(社員活性化、能力発揮)」 |
6.「人間性(人間性尊重)」 |
この6つ視点を考え、作ったのは、約30年前ですが、今も尚、変わっていない、他社にも使えると思っています。最近、“パーパス経営”という言葉もよく聞きますが、それにも通じるなと思っています。
・ビジョンづくりで大切なのは、作られるビジョンが上から与えられたビジョンでなく、自分達で作ったビジョンであると思えることです。真剣みが違ってきます。その為には、優秀なミドルクラス(課長級)がチームに入ってビジョンづくりに参画し、議論を重ねることです。ビジョンは10年後とか15年後の事業環境を想定し、その時点の事業内容やそうなるための施策を創り上げるものです。当時、私がミドルクラスをメンバーにと考えていたのは、ビジョン達成時にトップに立っている人が検討メンバーにいるかもしれないというのはインパクトあるポイントだと思います。また、若手や女性だけのチームがあってもいいでしょう。事実、自分がリーダーだった時は、6つものチーム、60人で構成しました。大変いいチームでしたし、検討チームから多くの役員も輩出されましたし、ビジョン達成年次のトップは、当時の検討チームメンバーの一人でした。
2.経営を活性化するのは、経営体系の整備と“頑張った人”が評価される人事制度づくりの2つが私の持論!
・この2つのテーマは、ブログ1~3で述べました。読み返してもらえると大変嬉しいです。“子会社”の役員退任後、アドバイザーとして数社、経営レベルアップのお手伝いをしましたが、この2つの“切り口”の総点検から始めました。そのステップは今も正しいと思っています。レベルアップするポイントや改善の進め方やその施策はなかなか自社だけではできないものです。社外の第三者のアドバイスが有効でしょうが、それも、第三者(外部コンサル)を信じてくれること、それが前提です。
3.担当分野の各部が元気になる“スローガン”を社員のアイデアで創り上げ、同じ方向に向かって頑張る体制を作る
・通常、ビジョンに基づいて、長期構想とか長期計画を数値目標とともに立案し、それに基づき年度計画を作ります。それが課や係までブレイクダウンされ個々人の目標へと繋がっていく。こういったマネジメントがどこの会社でも繰り広げられていると思います。では年度計画は個々人が自分の計画で頑張ろうと思えるような状況でしょうか。ビジョン同様、何らかの工夫は必要でしょうね。
・私が取締役になった時は、コーポレート本部長で、経営企画、人事、総務、監査、経理、IT、法務が担当部署でした。本部のスローガンと活動の柱を私が素案を作り、本部内の部長さん達に意見を求め、完成させました。それをベースに各部のスローガンを作ってもらいました。スローガンは部の活動の的を得ていること、各課、各メンバーの目標と連動していること、覚えやすいものにしてほしいとお願いしました。約10年前の内容ですが、今でもイメージ頂けると思うので、抜粋して、紹介しましょう。
《コーポレート本部のスローガン》 |
コーポレートのスローガンは「事業成長を支えるコーポになる」
そして、その柱は、①マネジメントレベルの向上、②人材育成、③誇れる文化を創るの3本柱。 それぞれの柱が3つの施策を展開 |
1.マネジメントレベルの向上:会議での決定事項のフォローアップの徹底(PDCA)、権限委譲の見直し、スクラップforビルドによるリソーセス確保 |
2.人材育成:高齢者の活躍の場の拡大、女性の活躍の場の拡大、ローカル人材のレベルアップ |
3.活性化(誇れる文化を創る):ひらめき活動(自由な提案)、職場の風通し良くするプロジェクト、スポーツの強化 |
《コーポ内の各部のスローガン》 |
・人 事 :グローバルの3Cを牽引(Communication,Collabolation,Cultivation) |
・I T :ユーザー目線の業務変革をITで速やかに実現 |
・法 務 :コンプライアンス推進の司令塔 |
・監 査 :グローバル監査体制の円滑な活動と支援 |
・財務経理:財務のプロとしてグローバルにリスクを先読みし、経営に貢献 |
・総 務 :会社と社員を守り、社内外のお客様に感謝される総務 |
・経営企画:中期でも短期でも計画達成の為に全社をリード |
《活動の工夫》 |
・PDCAを効率的にかつ高度に回すために、大きな紙に計画を書き、関係者が立って定期的にフォロー。これを“壁紙マネジメント”と呼びました。立ってやると疲れるので、効率的です。その部屋を“PDCAルーム”と名付けました。 |
・私の退任以降も、各部が継続してマネジメントレベルを維持できているようでうれしいです。退任時は、やり切ったという達成感がありましたね。 |
・いかがでしたか?考え方とか、使ったワーディングとか、少しは参考になったでしょうか。「うちも参考にしながら、やってみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
次々回は、数回に分けて、「取締役会」「内部統制」「コーポレートガバナンス」等について語れればなあと思います。そして、次回は、コーヒーブレイク的にガバナンス・コンプライアンスから離れ、私の読書観についてお話ししようと思います。好きな作家さんは、広兼さんや東野さんですね。今回もお読みいただき、ありがとうございました。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。
ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント
髙井 清司
▶髙井 清司 先生 プロフィール
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ガバナンス・コンプライアンス」についてのご相談ほか、
トライアングル・トラストまでお問い合わせください。
~組織づくりが企業を変える!~
トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント
安田真浪
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お問い合わせや弊社事業に対する詳細説明など面談をご希望の方は、事務局までご連絡ください。
トライアングル・トラスト事務局 info@triangle-trust.jp
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
▶YASUDA ISM(安田イズム)
※安田がプロデュースする取組み、考察ページです。
▶ 課題解決コンサルティングTRIANGLE TRUST
▶ LEGO®SERIOUS PLAY®技法と専用教材を用いたワークショップ
https://lsp.triangle-trust.jp/
▶イプロス
https://premium.ipros.jp/triangle-trust/?hub=157+4672154
▶Deliveru「たかやすWEBセミナー」
https://shop.deliveru.jp/triangle-trust/
▶ONSENWORK