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2024.07.11 ガバナンス・コンプライアンスコンサルティング中堅企業五人衆課題解決髙井 清司

【ガバナンス・コンプライアンスとは⑦】海外勤務での出来事・その2

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ブログを、3月2日から公開しています。

今回は、ガバナンスコンサルタント 髙井清司先生第7回、テーマは「海外勤務での出来事・その2」です。

 

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ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井です。今回は、海外編は第2弾をお届けします。2度目の赴任からかなり年月が経っているので、参考になる話かどうか不安な面はありますが、出来るだけ、普遍的なテーマでいくつかお話ししたいと思います。お付き合いください。

 

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1.会社の基盤づくり

・私の海外赴任は同じ国に2度でした。申し遅れましたが、自動車部品業界におりました。1回目が、80年代半ばの30代、2回目が、00年代で40代後半でした。1度目は、まだ日本製を海外メーカーに売り込んでいた時代、2度目は、多くの製造、販売会社を持った欧州全体の統括会社事務統括責任者になっていた時期でした。

 

・私の赴任時は、既に創立から10年以上経過していましたが、従業員規模は30名ほどで会社マネジメントは全て日本人、ローカルスタッフは物流関係に20名ほど。受注した製品を荷造りし、出荷する作業者がほとんど。

 

・私と同じ時期に社長も赴任したのですが、「将来を見据えて会社基盤は今から準備せねばならない。どうやって進めるかを君がフリーハンドで考えてみてほしい。」と指示されてしまいました。当時の日本人出向者は約8名程度。社長1、物流1,経理1、サービス2、営業3といった陣容で、私は営業。基盤づくりと言われても、何をどう進めればいいのかもわからず、とりあえず、中期計画をベースにローカル従業員の採用についての計画をつくることから始めました。

 

・ここでローカルの採用に関して、欧米と日本の違いのおさらいをしましょう。

日本の雇用慣行は終身雇用、年功賃金、企業内組合といった3種の神器がまだまだ存在していました。そして、4月の一斉入社が主流で中途入社は少なかったですね。一方、欧米では、「ジョブ型雇用」が一般的。ジョブ型とは、職務内容と求めるスキルを決めて採用する形態です。言わば、即戦力的な採用で、応募する人も自信を持ってアピールする面接でありました。それと、日本の場合、マネジメント業務だから他の業務と比較すると破格の処遇であるということはありませんが、欧米だとよくある話です。日本からの出向者コストが高いので、日本人をローカル人材に変えることでより数人雇えるし、言葉も含めて経営のレベルアップが図れるのではと考え、ローカル人材採用計画を作った訳です。ここで、自分が当時、経験をした失敗事例からの教訓を箇条書きにしてみます。

 

  • ローカルマネジメントの採用は慎重に

・給与相場も高く、一旦、採用したら、クビにはできないので、慎重にということですが、びっくりするくらい仕事もせずに言い訳で日々すり抜けているような人もいますし、人事考課時のアピールの強さは尋常ではなく根負けするリスクもあります。採用時にちゃんと業務の進め方と評価について事前にJob Description に詳細を記して契約しておくことにしました。最初の数名は多くの間違いもしましたし、裁判も経験しました……つまり、後悔しない為にも試用期間で見極める努力が大切です。

 

  • ローカルマネジメント採用の事前準備は大切

・また、職能等級基準等、人事の評価ルールや基準を日本のものをベースにしながら、ローカル要素も織り込み、ハイブリッドで用意することです。当時は営業マンなので、この手の仕事は大変な労力でしたが、通らねばならない道でした。

 

・「ジョブ型」で意外と忘れてしまうのが、雇う目的だった仕事が消滅した場合の処置です。その対応策も契約時に記載しておくと後から助かります。

 

・ネガティブなことばかり、述べましたが、採用して大変貢献してくれたことも多々ありました。片手間でなく真剣に取り組むべき事案だと思います。

 

・とは言え、海外勤務は大変魅力のある仕事です。しかし、努力しないと苦痛にもなりえます。より楽しくということで私の経験を次に述べてみます。

 

 

2.海外勤務を楽しくするには

・海外では悩むことも多いですし、日本では考えられないような苦境に立つこともあります。常にポジティブに考えること、好奇心を持って経験してみること、そして、その国を好きになることですね。その為には、勉強も大切です。

 

・大使館主催の立食パーティで大使館の方と懇意になって、「今度、この国の芸術家を200名招いてJapan Fairをすることになったが、どんな演出をするか協力頂けませんか?」というリクエストでした。そこで、考えたのは、部下の英語版落語と私の書。部下は大学時の落研メンバー。「英語版ときそば」はなかなかのものでした。私の書は、何十年のやっていた趣味。芸術家に希望の文字を聞いて私が半紙に筆で書いてあげるというもの。例えば、息子がカイトという名前の絵描きの人には、凧と書いてあげました。落語も大盛況、書も長蛇の列。大使館の用意したお寿司やお蕎麦はすごく残ってしまいましたが、楽しい経験でした。同様のプログラムに着物の着付け、折り紙なども加え、出向者の奥様にも協力してもらい、会社近くの老人ホームでイベントをしたこともありました。ローカルの方に喜んでもらうことは実に充実感を感じるものです。社会貢献と重く考えず、プチ的なボラと考え、気軽にやってみることだと思います。知らないうちにその国が好きになりますよ。そして仕事面にも好影響が出ることでしょう。

 

 

3.私の書「絆」

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4.とある学者との出会い

・何かの会合でクロスカルチャーの学者と知り合い、「欧州の多くの会社に工場がありますよね。国ごとの相性や特徴を把握すればマネジメントにも役立つのでは?ということでアンケートなどの協力をお願いできませんか。」ということで協力しました。

 

・リスクに対する態度や言語への依存度など19項目の文化特徴毎に論文が出来上がり、大変勉強になりました。ご参考までに「言語への依存度」について紹介します。国によって言語中心のコミュニケーションを重視する国民性や重視しない国民性があってコミュニケーションを円滑にするためには、そういった傾向を把握するのは大切というもの。表を見てもらった方がわかりやすいので、添付します。

 

 

5.「言葉への依存度」についての詳細はこちら

 

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・そういえば、昔、欧州の代理店会議で座席を地理的に決めたら、「この国の隣は嫌だ!変えてくれないと帰る!」ということもあったなあとその論文を読みながら思い出しました。当時は、国民性、歴史等、色々と雑学として把握せねばと思って勉強しましたね。

 

 

6.おまけ(「世界のビジネスジョーク集(おおばともみつさんの本より」

 

<国民性「早く飛び込め!」>

・豪華客船が航海中に沈みだした。船長が「飛び込め!」指示。

アメリカ:「飛び込めばあなたはヒーロー」

イギリス:「飛び込めばあなたは紳士」

ドイツ:「飛び込むのがこの船の規則です」

イタリア:「飛び込むと女性にもてますよ」

フランス:「飛び込まないでください」

日 本:「みんな飛び込んでいますよ」

 

海外編その2をお届けしました。参考になったでしょうか。次回は、コンプライアンスについて書いてみます。お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント

髙井 清司

 

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トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

 

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