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2024.06.27 ガバナンス・コンプライアンスコンサルティング中堅企業五人衆課題解決

【ニューリーダーを育てる五人衆㉛】ガバナンス・コンプライアンスとは⑥

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ブログを、3月2日から公開しています。

 

今回は、「内部統制」担当のガバナンスコンサルタント 髙井清司先生のブログで、第6回です。

 

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ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井です。今回は、海外編は弟二弾をお届けするつもりでしたが、最近の自動車メーカーでの不正について私見をお話し致します。

皆さんの会社は大丈夫ですか?

経営基盤をしっかりとしたものにするために、早急に経営改善に取り組むことはタイムリーなテーマだと思います。

あくまで私見ですが、ご参考になれば幸いです。

 

正)自動車業界20240627

 

▶ 私なりの事実認識

 

・不正として報道されているのは「型式指定の認証申請を巡る不正」とか「認証申請のためのデータ改ざん」等と書かれています。

型式認証の取得によって全数チェックすることなく大量生産が可能になるというものです。

大変重要な認証です。

さらに、どんな不正かについて新聞の紙面を追うと、「安全に関する試験で虚偽データを提出した」「不適切な条件で騒音試験を実施した」「ブレーキ試験の成績を虚偽記載した」等とされています。

簡単に言えば、決められた法令を守らなかったということで、コンプライアンス違反です。

多くのステークホルダー(株主、従業員、お客様、取引先……)が驚き、失望し、信頼を裏切ったことでしょう。

また、監督官庁の立ち入り検査が行われたことで問題の大きさが窺えます。

そして、その事実について、私は、「なぜ、やってしまったのか」、「止める人はいなかったのか」、「やってしまう前に周りに相談する人は周りにいなかったのか」とか、私には数多くの疑問があります。

そういった状況の解決には決め手はないと思いますが、企業風土を良くする、つまり、タテの報連相が出来ていて、ヨコ、ナナメの連携が出来ている、そんな企業風土を良くする努力、その地道な努力を続けることも大切な活動であり、解決策の一つだと思います

 

・私は事務屋ですが、多くの技術屋さんが製品の改良のため、何度も試験を繰り返し、いくつもの改善案を実験している様を見てきました。

うまく結果が出ず、悩み、試行錯誤する姿は新たなイノベーションのためには通らねばならない道です。

それを改ざんですか!

虚偽記載ですか!

これは純粋な技術者の心に対する冒瀆ですよね。

 

・それと、新聞記事には、気になる記述がありました。

不正だが安全」という言葉。

それは、法規より厳しい条件で試験をしているので、安全性には問題はないとあります。

であれば、なぜ、法令を守れなかったのか疑問が私には残ります。

それなりの理由はあるでしょうが、ルールを守らなかったのは、事実です。

都合のいい解釈でやってしまったのでしょうね。

まあ、私のような事務屋の素人が色々と書いても説得力はありませんが、経営基盤を強化するという目標に向かって、まずは、法令順守、ルール順守、そして、不安や疑問があればチームで話し合い、改善する努力は大切だと思います。

 

 

▶ 事務屋の私なりの解決策の考察

 

① 最近の自動車業界で起きた不正をトリガーに、現在の自社のコンプライアンスの順守状況について、見直すチームを作り、総点検を開始する。

業界が違っても、やるべきことです。

法令や社内の規程、ルールは多岐に渡るでしょうから、チーム全体をコーディネートすることは大変です。

全体を俯瞰でき、きちんとフォローできる方を点検チームのリーダーにすべきと思います。

リーダーはオーケストラの指揮者みたいな存在ですね。

この総点検は重要なプロジェクトです。

まずリーダーを人選し、専任チームの組織を作り、大日程に基づいた計画に沿って活動し、フォローアップを毎週するようなやり方が望ましいと思います。

うちの会社はそんな余裕はないということで簡易的にチェックするならやらない方がいいかもしれません。

そういった場合はどんな解決策が望ましいか議論したいですね。

私は、昔、決算方法を単独から連結に切り替えるという3年間の一大プロジェクトのリーダーを経験したことを思い出します。

その時は50人程度の専任チームで1/3は外部の公認会計士でした。

このプロジェクトは自分にとっては大変価値のある経験でした。

 

② こういった総点検チームの活動を支える経営陣のガバナンスのレベルアップも合同時に点検することもいい機会だと思います。

どうしたら、ガバナンスとコンプライアンスの両方を効率的に高めるかというやり方は大変難しいことでしょう。

そのためには、とことん本音で議論して進め方を決めるということしかないでしょう。

少なくとも、総点検チームの具体的な計画を作り、チェック項目ごとに数値目標をKPIとして作り、フォローする。

最低限そこまでは必要ではないでしょうか。

 

③ また、総点検チームの作った“会社としてせねばならない施策”を経営陣が後押しし、会社を挙げての活動にすることは確実に経営基盤の強化につながるでしょう

加えて、年度計画においては、コンプライアンス違反に繋がらないよう、環境変化を十分把握しながら、ブレーキをかける重要性(計画の見直し)も確認しておくべきと思います。

売上至上主義が不正に繋がるファクターになることもありえます。

 

 

④ 一方、風通しを良くするにはどうするか”も施策の一つにしておくことをお勧めします。

“タテの報連相が出来ていて、ヨコ、ナナメの連携が出来ている”“困ったときに気軽に相談できる仲間がいる”こういったことの実現を目的にキーパーソンである管理者がオフサイト合宿で徹底的に議論をし、今後のすべきことを決め、管理者の一人ひとりが行動宣言までできれば“変われる!”と実感できるでしょう。

それは、必ずや将来の“力”になると思います。

 

⑤ 色々と私なりの解決策についてお話してきました。

昨今の不正をトリガーに経営基盤を確固たるものにする私なりの解決策は参考になったでしょうか。

不正のトライアングルという考え方もあります。

それも意識しながら、現状の規程、ルールを点検し、社員の方々が気持ちよく日々仕事ができる会社になればと思います。

そして、そういったプロジェクトを“語り合うコンサルタント”としてお役に立つ活動ができること、楽しみにしています。

長々と書きましたが、お付き合いいただきありがとうございました。

次回は、海外編その2をお届けします。

 

 

ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント

髙井 清司

 

▶髙井 清司 先生 プロフィール

講師紹介

 

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自動車業界に蔓延するコンプライアンス違反。

業界にいたからこそ、みなさんにお伝えしたいことがあります。

髙井先生の「ガバナンス・コンプライアンス」「語り合うコンサルタント」に興味のある方は、トライアングル・トラストまでお問い合わせください。

 

 

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

▶ 課題解決コンサルティングTRIANGLE TRUST

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