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2026.06.13 組織づくりとは

【第6章】経営方針・計画の整合と戦略構築

みなさん、こんにちは。安田です。

前回は、会社の基本理解と生産性向上の基盤づくりについてお伝えしました。

 

会社とは何か。
働くとは何か。
管理職として何を理解しておくとよいのか。
そして、生産性を高めるためには、まず日々の仕事の土台を整えることが大切だというお話でした。

 

今回は、その土台を踏まえたうえで、少し経営に近い視点から考えていきたいと思います。

テーマは、「経営方針・計画の整合」と「戦略構築」です。

 

経営と現場をつなげる

会社を動かしていくうえで大切なのは、経営の考え方と現場の行動がつながっていることです。

経営陣が考えている方向性。
管理職が現場で伝えていること。
社員一人ひとりの日々の行動。

この三つがつながってくると、組織は同じ方向へ進みやすくなります。

 

逆に、ここにつながりが見えにくくなると、現場は迷いやすくなります。

「何を大切にすればよいのか」
「なぜ、この取り組みをしているのか」
「自分たちの仕事が、会社全体のどこにつながっているのか」

こうしたことが分かりにくくなると、仕事が単なる作業になってしまうこともあります。

 

だからこそ、管理職には、経営と現場をつなぐ役割が求められます。

 

理念から実行までの流れ

会社には、基本となる流れがあります。

 

まず一番上にあるのは、理念やパーパスです。

何のために会社が存在しているのか。
社会にどのような価値を提供していくのか。
どのような考え方を大切にしているのか。

これが、会社の軸になります。

 

その次にあるのが、経営方針です。

今年、会社はどの方向へ進むのか。
中期的に、どのような姿を目指すのか。
何を重点課題として取り組むのか。

 

さらにその下に、経営計画があります。

具体的に何をするのか。
どの数字を目指すのか。
どの事業に力を入れるのか。
どの課題を解決していくのか。

 

そして最後に、各部門の計画や現場での実行があります。

 

つまり、

理念
方針
計画
実行

この流れです。

 

大切なのは、この流れが一つひとつつながっているかどうかです。

 

つながりが見えると、現場は動きやすくなる

例えば、会社として「顧客第一」を大切にしているとします。

その理念が、経営方針に反映されている。
経営計画にも落とし込まれている。
部門計画にもつながっている。
そして、日々の仕事の中で社員が意識できている。

この状態であれば、理念は単なる言葉ではなく、現場の行動につながっていきます。

 

一方で、理念はあるけれど、現場の仕事との関係が見えにくい場合もあります。

会社として何を大切にしているのか。
なぜ今、この目標に取り組むのか。
この仕事がお客様や会社にどうつながっているのか。

ここが分かりにくいと、現場は目の前の業務だけに追われやすくなります。

 

だからこそ、管理職は、会社の方針を現場の言葉に置き換えて伝えることが大切です。

「この仕事には、こういう意味がある」
「この目標は、会社のこの方針につながっている」
「私たちの部署は、ここで会社に貢献している」

 

このように伝えていくことで、現場は仕事の意味を理解しやすくなります。

 

方針は、伝わって初めて力になる

次に大切なのが、「浸透」です。

理念や方針は、掲げるだけでは十分ではありません。
現場に伝わり、日々の行動につながって、初めて力になります。

 

立派な経営理念がある。
毎年、経営方針が発表されている。
中期計画もつくられている。

それ自体はとても大切なことです。

 

ただ、社員一人ひとりがそれを自分の仕事と結びつけて理解できているかというと、そこには工夫が必要です。

経営陣が理解している。
管理職が理解している。
そして、現場にも伝わっている。

この状態をつくることが大切です。

 

そのために、管理職は部門の中で繰り返し伝えていく必要があります。

うちの部署の方針は何か。
なぜ、今これに取り組むのか。
この仕事は、会社全体のどこにつながっているのか。
自分たちの役割は何なのか。

 

こうしたことを、日々の会議や面談、仕事のやり取りの中で伝えていく。

一度伝えたら終わりではなく、繰り返し共有していくことが大切です。

 

役割を明確にする

経営方針や計画を実行していくうえで、もう一つ大切なのが役割の明確化です。

誰が何を担当するのか。
どこまで責任を持つのか。
誰と連携するのか。
どのタイミングで共有するのか。
何をもって完了とするのか。

 

ここが明確になると、組織は動きやすくなります。

反対に、役割が曖昧なままだと、仕事の重なりや抜け漏れが起こりやすくなります。

同じことを複数の人が進めていた。
大切な仕事が誰の担当か分からなかった。
報告のタイミングが人によって違っていた。

こうしたことは、どの組織でも起こり得ます。

 

だからこそ、管理職は、方針を伝えるだけでなく、実行できる形に整えることが大切です。

役割が明確になると、自分が何をすべきかが分かります。
相手の役割も理解しやすくなります。
どこで協力すればよいかも見えやすくなります。

その結果、組織としての動きがスムーズになっていきます。

 

自部署だけでなく、全体を見る

管理職は、日々の業務の中で自部署のことを見る時間が多くなります。

部署の目標。
部下の状況。
担当業務の進捗。
現場で起きている問題。

もちろん、これらを把握することは大切です。

 

ただ、それと同時に、会社全体や外部環境を見る視点も必要になります。

会社全体はどこへ向かっているのか。
市場はどう変化しているのか。
お客様の価値観はどう変わっているのか。
競合はどのような動きをしているのか。
社会全体はどの方向へ進んでいるのか。

こうした外の変化を見ながら、自部署の役割を考えることが大切です。

 

管理職は、現場に近い存在でありながら、経営に近い視点も求められる立場です。

今だけを見るのではなく、少し先を見る。
自部署だけを見るのではなく、会社全体を見る。
社内だけを見るのではなく、外部環境も見る。

この視点があることで、判断の幅が広がります。

 

SWOT分析は、状況を整理するための道具

環境認識を進めるうえで使いやすいのが、SWOT分析です。

 

ただし、SWOT分析を難しく考えすぎる必要はありません。

SWOT分析は、状況を整理するための道具です。

まず、外部環境を見ます。

市場はどう変化しているのか。
競合はどう動いているのか。
社会はどのように変わっているのか。
お客様のニーズはどう変化しているのか。

ここから、「機会」と「脅威」を整理します。

 

次に、内部環境を見ます。

自社の強みは何か。
自社の弱みは何か。
どのような資源があるのか。
何が価値になっているのか。
どこに課題があるのか。

ここから、「強み」と「弱み」を整理します。

 

そして大切なのは、それらを組み合わせて考えることです。

強みと機会を組み合わせると、攻める方向が見えやすくなります。
強みと脅威を組み合わせると、守りながら活かす方法が見えてきます。
弱みと機会を組み合わせると、改善しながら進む方向が見えてきます。
弱みと脅威を組み合わせると、注意して備えるべき部分が見えてきます。

このように整理することで、今後どこに力を入れるべきかが見えやすくなります。

 

戦略とは、方向性を決めること

戦略という言葉を聞くと、少し難しく感じる方もいるかもしれません。

しかし、戦略とは、現状を整理したうえで方向性を決めることです。

 

何を目指すのか。
どこで戦うのか。
何を強みにするのか。
何を優先するのか。
どの順番で進めるのか。

これを決めることが戦略です。

 

すべてを一度に進めようとすると、現場は忙しくなりすぎてしまいます。

あれも大切。
これも必要。
全部やらなければならない。

この状態になると、優先順位が見えにくくなります。

だからこそ、戦略には選択が必要です。

 

今、何に力を入れるのか。
どこから取り組むのか。
何を優先するのか。
何を少し後に回すのか。

こうした判断をしていくことが大切です。

管理職は、経営方針を理解し、自部署の役割に置き換え、現場が動きやすい形にしていく必要があります。

 

変化の時代には、柔軟性も大切

今は、変化の大きい時代です。

これまでうまくいっていた方法が、これからも同じように通用するとは限りません。
お客様の考え方も変わります。
市場も変わります。
働く人の価値観も変わります。

 

だからこそ、一つのやり方にこだわりすぎず、柔軟に考えることも大切です。

A案だけでなく、B案も考える。
実行しながら様子を見る。
結果を確認する。
必要に応じて修正する。

このように、進めながら整えていく姿勢が求められます。

ただし、何でも変えればよいということではありません。

 

理念や目的という軸は大切にする。
そのうえで、手段や進め方は状況に応じて見直していく。

このバランスが重要です。

軸を持ちながら、柔軟に対応する。
これが、今の時代に必要な戦略の考え方だと思います。

 

管理職は、経営と現場をつなぐ存在

ここまで整理してきたように、経営方針や計画は、つくるだけではなく、現場で実行されて初めて意味を持ちます。

理念を軸にする。
環境を読む。
方針を立てる。
計画に落とし込む。
役割を明確にする。
組織で実行する。

この流れをつなぐ存在が、管理職です。

 

管理職は、単なる現場責任者ではありません。

経営の考えを現場に伝える。
現場の状況を経営に返す。
会社の方針を自部署の行動に落とし込む。
部下が意味を理解して動けるようにする。

つまり、管理職は、経営と現場の橋渡し役なのです。

 

この役割を果たすためには、会社の方針を理解し、計画とのつながりを見て、実行できる形に整えていく力が必要です。

 

経営を実行につなげる

最後に、今回の内容を整理します。

経営で大切なのは、理念を掲げることだけではありません。
方針を発表することだけでもありません。
計画をつくることだけでもありません。

大切なのは、それらを現場の実行につなげることです。

 

理念と方針がつながっているか。
方針と計画がつながっているか。
計画と現場の行動がつながっているか。
現場の実行が成果につながっているか。

このつながりを整えていくことが、経営方針・計画の整合です。

そして管理職は、その整合を現場で実現していく大切な存在です。

 

経営を理解し、現場を理解し、その両方をつなぐ。
これが、これからの管理職に求められる力です。

次回は、戦略を実際にどう動かしていくのか。
マーケティング・企画と実行プロセスについて考えていきたいと思います。

 

 


~組織づくりが企業を変える!組織の課題解決コンサルティング~

安田真浪

 

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