2026.06.12 組織づくりとは
みなさん、こんにちは。安田です。
前回は、組織運営の原理原則についてお伝えしました。
組織は、人が集まるだけで自然に機能するものではありません。
目的を共有し、意思疎通を図り、協働意識を育てていく。
この三つが整ってくることで、組織は少しずつ力を発揮できるようになります。
では、その土台の上に、次に何を整えていくとよいのでしょうか。
それが、仕事の基礎です。
今回は、「会社の基本理解」と「生産性向上の基盤づくり」について考えていきたいと思います。
組織をより良くしていこうとするとき、多くの会社では戦略や新しい施策に目が向きます。
もっと売上を上げよう。
新しい取り組みをしよう。
付加価値をつくろう。
変革を進めよう。
もちろん、これらはとても大切です。
ただ、その前に一度確認しておきたいことがあります。
それは、日々の仕事の基礎がどれだけ整っているか、ということです。
仕事の進め方が人によって少しずつ違う。
報連相の基準が曖昧になっている。
役割や責任の範囲が分かりにくい。
ルールの理解にばらつきがある。
段取りや優先順位のつけ方が、人によって違っている。
こうしたことは、どの会社でも起こり得ます。
だからこそ、いきなり大きな成果を求める前に、まずは仕事の土台を整えることが大切です。
組織づくりは、特別なことから始まるわけではありません。
日々の基本を整えることから始まります。
まず、あらためて考えていただきたいのが、「会社とは何か」ということです。
会社は、働く場所であると同時に、価値を生み出す場でもあります。
人が集まり、それぞれの役割を果たしながら、お客様や社会に価値を届けていく場所です。
会社とは、価値を生み出し、社会に必要とされ、永続していく組織です。
理念やパーパスに基づき、社会に価値を提供する。
お客様に役立つ商品やサービスを届ける。
利益を生み、その利益を再投資し、さらに成長していく。
これが、企業経営の基本です。
つまり、一人ひとりの仕事は、会社の価値づくりにつながっています。
自分の仕事が、どこでお客様の役に立っているのか。
どのように会社の成果につながっているのか。
どのように組織全体を支えているのか。
ここを理解することで、日々の仕事の意味が見えやすくなります。
管理職には、この基本を理解し、部下にも分かりやすく伝えていく役割があります。
次に考えたいのが、「働くとは何か」です。
働くとは、単に時間を使うことではありません。
与えられた作業をこなすことだけでもありません。
働くとは、自分の役割を通じて価値を提供することです。
会社は、価値を生み出し、その対価として売上を得て、利益を出し、その利益を次の成長につなげていきます。
この流れがあるから、会社は続いていきます。
だからこそ、自分の仕事がどのような価値につながっているのかを理解することが大切です。
お客様にどのように役立っているのか。
会社の成果にどう結びついているのか。
一緒に働く仲間をどう支えているのか。
ここが見えてくると、仕事への向き合い方も変わってきます。
管理職は、部下に仕事を任せるだけでなく、その仕事の意味や目的を伝えることが大切です。
管理職になると、現場の仕事に加えて、押さえておきたい基礎知識が増えていきます。
例えば、労働基準法。
就業規則。
売上。
経費。
利益。
利益の使われ方。
コンプライアンス。
社内ルール。
安全衛生。
評価や育成の基本。
これらは、組織を預かるうえで大切な知識です。
管理職は、単に現場の仕事ができる人というだけではありません。
組織を支え、部下を育て、会社の方針を現場につなげる立場です。
だからこそ、会社の仕組みやルール、数字の意味を理解しておくことが大切になります。
基本を理解していることで、現場で起きる問題に対して、より適切に判断しやすくなります。
また、部下にも納得感のある説明ができるようになります。
次に重要なのが、仕事の計画性です。
その場その場の対応が続くと、どうしても生産性は下がりやすくなります。
段取りを考える。
優先順位を決める。
先を読む。
必要な準備をする。
関係者と共有する。
これらは、仕事を進めるうえで大切な基本です。
しかし、忙しい毎日の中では、この基本が後回しになってしまうこともあります。
目の前の仕事から片づける。
急ぎと言われたものを優先する。
全体を見ずに、個別対応だけで進める。
こうした状態が続くと、現場が常に慌ただしくなりやすくなります。
その結果、ミスや手戻り、確認のやり直しが増えてしまうこともあります。
だからこそ、生産性を上げるためには、まず仕事の進め方を整えることが大切です。
今、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。
人口減少。
生産年齢人口の減少。
採用難。
人手不足。
これからは、人が増えることを前提に組織を考えることが難しくなっていきます。
だからこそ、限られた人数で成果を出していくことが求められます。
ここで重要になるのが、生産性です。
ただし、生産性向上というと、すぐに効率化やデジタル化を思い浮かべる方も多いかもしれません。
もちろん、それも大切です。
しかし、その前に整えておきたいことがあります。
それが、日々の仕事の中にある無駄や負担を減らしていくことです。
多くの会社が、付加価値を高めようと努力しています。
新しい企画をしよう。
新規事業を始めよう。
もっと価値を高めよう。
他社と差別化しよう。
これらは、どれも大切な取り組みです。
ただ、その前に意識したいのが順番です。
まずは、仕事の中にある無駄や非効率を減らす。
ミスが起きやすい部分を見直す。
混乱しやすい業務を整理する。
属人的になっている仕事を少しずつ共有する。
やり方のばらつきを整える。
こうした基礎を整えることが、次の成長につながります。
土台が整っていない状態で新しい取り組みを増やすと、現場に負担がかかりやすくなります。
忙しいのに成果が見えにくい。
新しいことを始めても定着しにくい。
やることが増えて、基礎を整える時間が取れない。
こうした状態を避けるためにも、まずは土台を整えることが大切です。
そのうえで、付加価値を生み出していく。
この順番を意識したいところです。
では、仕事の土台を整えるために何が必要か。
その一つが、標準化です。
標準化というと、「縛られる」「自由がなくなる」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、標準化とは、人を縛ることではありません。
標準化とは、共通言語、共通認識、共通行動をつくることです。
例えば、「ちゃんと報連相をして」と伝えたとします。
しかし、この「ちゃんと」の基準は、人によって違うことがあります。
ある人は、メールで送れば報告したと考える。
ある人は、口頭で伝えれば十分だと考える。
ある人は、結論だけ伝えればよいと考える。
ある人は、経緯まで共有した方がよいと考える。
どれが良い悪いということではなく、基準が揃っていないと、仕事の中で行き違いが起こりやすくなります。
だからこそ、基準を整えることが大切です。
報連相とは何か。
いつ報告するのか。
誰に相談するのか。
どこまで共有するのか。
どの状態を完了とするのか。
こうした基準を共有することが、標準化です。
組織の中で大切なのは、言葉の定義を揃えることです。
「早めにやっておいて」
「きちんと確認して」
「しっかり考えて」
「なるべく急いで」
こうした言葉は、日常的によく使います。
ただ、人によって受け取り方が違うことがあります。
だから、仕事の中では、できるだけ基準を明確にすることが大切です。
いつまでに。
どのレベルで。
誰に確認して。
何をもって完了とするのか。
ここが揃ってくると、意思疎通がスムーズになります。
手戻りが減ります。
ミスが減ります。
結果として、生産性も上がりやすくなります。
標準化とは、組織の自由を奪うものではありません。
むしろ、組織が安心して動くための土台なのです。
そして必要になるのが、実務スキルです。
段取り。
報連相。
コミュニケーション。
伝える力。
考える力。
判断する力。
問題解決力。
これらは、仕事を進めるうえで欠かせない力です。
ただし、ここで大切なのは、「知っている」だけで終わらせないことです。
報連相を知っている。
段取りが大事だと分かっている。
コミュニケーションが必要だと理解している。
ここから一歩進んで、実際に現場で使えるようにしていくことが大切です。
行動に表れる。
仕事の進め方が変わる。
結果につながる。
ここまでいって、初めて力になります。
だからこそ、教育は知識提供だけで終わるのではなく、実践につなげていくことが大切です。
仕事の本質とは何か。
私は、仕事の本質は問題解決だと考えています。
仕事をしていれば、予定通りに進まないこともあります。
お客様から要望が変わる。
ミスが発生する。
人が足りない。
情報が足りない。
判断に迷う。
こうしたことは、日々起こります。
つまり、仕事とは、ただ作業をこなすことだけではありません。
状況を見て、考えて、判断し、解決していくことです。
そのために必要なのが、思考力です。
状況把握力です。
判断力です。
そして、社会人としての基礎力です。
管理職は、部下に作業を任せるだけでなく、考える力を育てていくことも大切です。
最終的に目指したいのは、自律型人材です。
自分で考える。
自分で判断する。
自分で動く。
必要なときには周囲に相談する。
目的を理解し、自分の役割を果たす。
こうした人材が増えていくと、組織はより強くなります。
管理職がすべてを指示しなくても、現場が考えて動ける。
問題が起きたときにも、自分たちで考えられる。
改善点に気づき、行動に移せる。
そうした状態が生まれると、無駄が減り、生産性も高まりやすくなります。
もちろん、自律型人材は一朝一夕に育つものではありません。
基礎を教える。
基準を揃える。
実践の場をつくる。
振り返りを行う。
その積み重ねによって、少しずつ育っていきます。
最後に、今回の内容を整理します。
生産性向上には、順番があります。
まず、会社や仕事の基本を理解する。
次に、言葉や仕事の進め方を標準化する。
そして、無駄やミスを減らす。
そのうえで、付加価値を生み出す。
この順番です。
いきなり大きな成果を目指すのではなく、まずは土台を整える。
そのうえで、付加価値を生み出していく。
このステップを意識することが大切です。
組織づくりは、派手な取り組みだけで進むものではありません。
むしろ、日々の基本をどれだけ整えられるかが大切です。
会社とは何か。
働くとは何か。
管理職として何を理解すべきか。
仕事の基準をどう揃えるか。
どうすれば自律型人材が育つのか。
これらを一つひとつ整えることが、生産性向上の基盤になります。
次回は、この基盤を踏まえたうえで、経営方針・計画の整合と戦略構築について考えていきたいと思います。
~組織づくりが企業を変える!組織の課題解決コンサルティング~
安田真浪
トライアングル・トラストは、組織における各種課題解決のお手伝いをしています。
オーダーメイドプログラムで、担当者様と一緒に取り組んでいます。
お気軽にご相談ください。