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2026.03.30 課題解決コンサルティングとは

中堅企業について③ ~知恵をどう積ませるか~

こんにちは、安田です。

前回は、中堅企業の現場では、まず「世間を知る」ことが大切であり、そのためには繰り返し触れ、学ぶことが必要だとお伝えしました。
今回は、そこからさらに一歩進めて、技術継承の場面で欠かせない「知恵を積む」ということについて考えてみたいと思います。

 

技術の伝承は、ものづくり企業の大きな課題

企業、特にものづくり業界における大きな課題の一つが、「技術の伝承」です。
ベテラン社員が持つ「知見・技術・暗黙知」を、いかに若手へ伝えていくか。
50代のベテラン社員が多く退職期を迎える2040年に向けて、限られた時間の中でどのように伝承を進めていくのか、多くの企業が不安を感じています。

「伝承」とは、古くからの制度や風習、しきたりなどを受け継ぎ、伝えていくことです。
では、「伝える」方法には、主に次の二つがあります。

・人を介して伝える
・物を活用して伝える

 

 

これまでの伝承は「人」を介して行われてきた

これまで「伝承」は、主に「人」を介して行われてきました。
「背中を見て覚えろ」「目で盗め」といった昔ながらのやり方もあれば、近年では、一人ひとりに合わせて丁寧に指導する形も増えています。

ここで思い出したいのが、「守・破・離」という言葉です。
これは、日本の武道や茶道などにおける修行の段階を表した言葉です。

「守」:素直な心で師匠の流儀や型を学び、徹底して身につける
「破」:師匠の流儀や型をしっかり身につけたうえで、それをもとに工夫を加え、自分に合ったより良い型をつかむ
「離」:師匠から自立し、自分ならではの境地を切り拓き、独自の型を生み出す

これは、『一人前になる』までの成長のプロセスともいえます。

 

 

特に大切なのは「破」の段階

この中で、特に大切なのが「破」の段階です。
ここには、「問題解決の手法を身につける」という意味が含まれています。
それができてはじめて、「離」へ進むことができるのです。

学習によって得られるのは「知識」です。
しかし、本当に大切なのは、その先にある「知恵」をどう身につけるか、ということです。

 

 

「知識」ではなく「知恵」をどう積むか

「知恵」とは、物事の筋道を理解し、状況に応じて適切に対処できる力、言い換えれば「問題解決能力」のことです。

これからの時代の「技術の伝承」は、従来のように「人を介して伝える」ことに加えて、「物を活用して伝える」方向へと少しずつ移っていくと考えられます。
この変化は、「伝承」というよりも、むしろ「継承」、つまり「技術継承」と呼ぶほうが近いかもしれません。

その中で大きな課題になるのが、「問題解決に必要な知恵を、どう積ませていくのか」という点です。

 

知恵は失敗体験の中で育まれる

「知識」は学習によって身につきます。
一方で、「知恵」は経験、とりわけ失敗体験の中で育まれます。
人は失敗を通して鍛えられ、少しずつ賢くなっていくものです。

つまり、「技術継承」において重要なのは、この「知恵」をいかに積ませるかにあるのです。

 

 

中堅企業では、失敗の機会が生まれにくい

では、どうすればよいのでしょうか。
私は、「失敗の疑似体験」を設計することが欠かせないと考えています。

中小企業では、仕組みがまだ十分に整っていない分、仕事の中で自然と失敗の機会が生まれやすい面があります。
一方で、中堅企業では、失敗を防ぐ仕組みが整っているため、簡単には失敗が起こりません。
たとえ若手社員がミスをしても、上司や先輩がフォローすることで、結果として本人の経験として残りにくいケースも少なくありません。

本来であれば、製品不具合への対応、営業トラブル、新製品開発など、知恵を積む機会は数多くあるはずです。
しかし実際には、そうした機会があっても、本人が深く考えたり、試行錯誤したりする前に周囲が支えてしまい、「知恵を積む経験」にならないことがあります。

 

 

「知恵をつける」のではなく「知恵を積む」

ここで大事なのは、「知恵をつける」ではなく、あくまでも「知恵を積む」という考え方です。

トラブル対応などの経験を一つひとつ積み重ねることで、自分なりの判断基準や目安が育っていきます。
これこそが、「守・破・離」における「破」の段階なのです。

知識は教えることができます。
しかし、知恵は教え込むものではなく、経験の中で少しずつ積み上がっていくものです。
だからこそ、本人が考え、迷い、判断する機会をどうつくるかが重要になります。

 

 

自社に合った「疑似体験」の設計が必要

ここまで述べてきたように、これからの「技術継承」における大きな課題は、「知恵をどう積むのか」にあります。
その方法は、業界や会社によって異なります。
だからこそ、自社に合った「失敗の疑似体験」を設計し、意図を持って取り組んでいくことが求められるのです。

若手にただ知識を与えるだけでは、十分ではありません。
実際の現場で起こりうる判断や対応を疑似的に経験させながら、少しずつ知恵を積ませていくこと。
それが、これからの中堅企業における技術継承の大切な鍵になるのではないでしょうか。

 

 

🌱 連載まとめ|中堅企業について

 

中堅企業について① ~中堅企業への期待~

中堅企業について② ~繰り返すことの大切さ~

中堅企業について③ ~知恵をどう積ませるか~(本記事)

中堅企業について④ ~女性管理職比率?~

中堅企業について⑤ ~女性議員が3割いれば国は変わる?~

中堅企業について⑥  ~その業界の当たり前を置き換える?~

 

 

 

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