YASUDA ISM

安田の考えをご紹介します

ホーム > 安田イズム詳細 > [40] 会社に貢献する昇進試験とは

2025.11.28 髙井 清司 | ガバナンス・コンプライアンスとは

[40] 会社に貢献する昇進試験とは

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラスト専門家 ガバナンスコンサルタント髙井清司先生ブログ

第40回テーマは「会社に貢献する昇進試験とは」です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

20251128_347番_会社に貢献する昇進試験とは

 

 

 今回は、昇進試験(アセスメント)のあり方について私の経験を元にお話したいと思います。昇進とは、ここでは、係長から課長という管理職になることと定義します。では、始めに私が思う「失敗しない“良い昇進試験”作り」についての懸念点を述べます。それは、皆さんの会社の現状のチェック項目になりますね。

 

 

1.懸念点

 

①この人は管理職に相応しいか?相応しくない人を昇進させると会社にとって悲劇になる心配。

会社の貢献する技術を持っている人はその道で頑張ってもらうのが会社も本人もハッピー

➂昇進するかの判断するのは審査員。審査員の“眼”は確かか?教育はされているか?

 

 他にもあるかとは思いますが、私はこの3つが主な懸念点で、それについて、今まで経営改善のお手伝いしていた会社でも同じようにお話しました。皆さんの会社はどうでしょうか。ご心配なことはありますか?これらの懸念点がカバーされている社内ルールになっていれば〇。社内規程になっていて定期的により良い内容に見直されていれば、更に◎だと思います。いかがでしょうか。では、次はその懸念点を解決する方法についてお話します。

 

 

2.解決の方法としての昇進試験

 担当者として優秀な人(仕事が出来る人)が必ずしも管理者として優秀とは限りません。これは、以前私のブログでも述べましたが、昇進試験では管理者としての優秀な素質があるかどうかを担当者(係長)当時の行動、言動から見抜かねばなりません。私は、現役時代、それを“再現性あるパーフォーマンス”と教えられました。昇進試験の面接において徹底的にQ&Aで見抜く、それを審査員が担います。皆さんの会社では、昇進試験はありますか?審査員(アセッサー)のレベルはいかがですか?

 ここでは、私の思う試験内容・方法や審査員(アセッサー)のレベルアップをお話し、皆さんにとって、一つのヒントとして考えていただければ嬉しいです。昇進試験の内容ですが、発表会にすると発表のテクニックとか、想定問答に重きが置かれてしまうので、なかなかマネジメント能力を見抜くことが難しいと感じます。よって、ここ数年に受験者(管理職候補者)が取り組んできた業務の成果、部下の育成、組織を強化してきた活動等についてA3一枚にまとめ、その内容についてアセッサーが徹底的に質疑で確認し、管理者に相応しいかどうか見抜くことがいいと思いますし、現役時代もその方法でアセッサーを多くやっていました(係長➡課長、課長➡次長、次長➡部長)。また、昇進試験制度のレベルアップに取り組みました。

 それと懸念点②で書きました技術などの専門職で技術を磨いた方が会社にとってハッピーという人もみえます。それも試験で見極める必要があります。加えて、公平・公正・平等をベースに考えると処遇をどうするかも大切なポイントです。これについては、別の機会で述べたいと思います。

 

 

3.昇進試験の事前に提出してもらう帳票

 A3の帳票については、次のような内容がいいのではないかと思います。大半は業務の成果についてですが、今後の進路の希望や直面している課題、悩み等も記載できるスペースを作っておくといいと思います。業務成果はA3紙面の多くを使いますが、次の流れでいかがでしょうか。

 

《帳票に織り込むべき中身》

①どんな状況か。(取り巻く環境、期待されていた役割、組織運営等)

②どんな仕事か、目標は何か。(中期、短期の目指す目標、数値目標)

➂どんな行動をしてきたか。(個人としての行動、組織としての行動、関係部署との連携も書き、そ

れぞれのスケジュールを計画・実績ともに記載)

➃業務以外の記載事項。(今後の業務内容や進路についての希望・意見、来期への課題)

参考になれば有難いです。

 

 

4.審査員の教育を考える

 失敗しない昇進を行う為に審査員の教育は必須だと思いますが、どんな教育がいいでしょうか。教育の目的は限られた時間でより多く質問し、管理職に相応しい人を見極めることです。私が現役当時、事務全般の担当役員だった頃、審査員(アセッサーと呼んでいました)に選ばれた人たちとの懇談を数回した覚えがあります。その懇談のメモが残っていたので、そのポイントだけ書いておきます。

 こういった懇談の積み重ねがよい教育効果に繋がったと思っていますし、アセッサーごとの持ち味を磨くことになったと思っています。さて、どんな意見があったでしょうか。メモを書き写してみましょう。

 

《アセッサーの意見》

・受験する人は大半、係長としてのルーチン業務は全く問題ない(担当者としてはOK)

・慣れていないのかsomething newの提案が何を提案しているのかよくわからない(要訓練)

・全体像を描きながら、自分のすべき業務を語っていない(シンプルに説明する力)

・自分がしたことを答えてほしい(チームとしての分業も大切)

・自分がいかに考え、自分がいかに行動し、自分がいかに悩んだか(苦労した点を強調)

・質問に対して的確に答えてくれていないことが多い

(まずは、YesかNoかを答え、そしてその理由をシンプルに答えるような指針を試験の通知案内に書いておくといい)

・アセッサーは“再現性あるパーフォーマンス”かどうか時間内に出来るだけ多く聞きたい  等

 

 まずは、昇進試験のプログラムを見直し、このブログ内容も参考にして頂くことをお勧めします。見直し変えるべきところは、審査員(アセッサー)が集まり、議論を通じて(ブレーンストーミング)で立案されることは実効があると思います。アセッサーは、人事と連携をしてそれぞれの候補者について情報を集め、最終的にトップが決定することになります。専門家のヒントやアドバイスはよい制度にする為には必須かと思います。いつでもお声をおかけください。待っています。

 では、最後に決められた昇進試験内容に基づき、私見を受ける人へのアドバイスというか心構えについてお話します。これは、逆に試験案内に織り込むことの確認にもなりますね。

 

 

5.受講者へのアドバイス

 受験に当たって、次のような準備をするといいのではないでしょうか。

 

《受講者が試験準備としてすべきこと》

・人事からの受験案内を熟読し、準備の内容とスケジュールを考える。そして、準備することを計画表にして、フォローすると良いでしょう。

・評価要素を熟読し、各要素について“自分の位置”を確認する。言い換えれば、自分の強み、弱みである。

・業務内容としてテーマ案を複数用意し、どれにするかを決める。テーマ案について骨子を400字程度でストーリーにしてみる。これはアセッサーとの質疑応答のいいトレーニングになるのではないかと思います。

・アセッサーからの質問を想定し、どのようにシンプルに答えるかの準備をする。

 

 

以上です。いかがでしたか?皆さんの会社の現状を踏まえ、試験内容を見直すことをお勧めします。それによって、失敗しない昇進試験が実現するといいですね。

 

 今日もお読みいただき、ありがとうございました今回は、昇進試験(アセスメント)について経験を元にお話しました。ご参考になれば有難いです。実は私は、先月、古希になり、家族も含め、色んな方からお祝いをしてもらいました。次回は、ガバナンスから離れ、年齢にまつわる“雑学”についてお話します。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。

 

 

 

ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント

髙井 清司

 

▶髙井 清司 先生 プロフィール

講師紹介

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ガバナンス・コンプライアンス」についてのご相談ほか、

トライアングル・トラストまでお問い合わせください。

 

~組織づくりが企業を変える!~

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

お問い合わせや弊社事業に対する詳細説明など面談をご希望の方は、事務局までご連絡ください。

トライアングル・トラスト事務局 info@triangle-trust.jp

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

▶YASUDA ISM(安田イズム)

※安田がプロデュースする取組み、考察ページです。

 

▶ 課題解決コンサルティングTRIANGLE TRUST

https://triangle-trust.jp/

▶ LEGO®SERIOUS PLAY®技法と専用教材を用いたワークショップ

https://lsp.triangle-trust.jp/

▶イプロス

https://premium.ipros.jp/triangle-trust/?hub=157+4672154

▶Deliveru「新任人材育成担当者向け研修」

https://shop.deliveru.jp/triangle-trust/

Copyright (c) 2020 TRIANGLE TRUST.
All Right Reserved.