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2025.07.11 髙井 清司 | ガバナンス・コンプライアンスとは

[31] カイゼン活動を見直そう・オフィス編(その2)

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラスト専門家 ガバナンスコンサルタント髙井清司先生ブログ

第30回テーマは「カイゼン活動を見直そう・オフィス編(その2)」です。

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 先回は、オフィスや現場のカイゼン活動についてスポットを当ててお話ししました。そういったカイゼン活動は、トヨタ生産方式に基づいた改善活動です。今回は、「即実践出来るオフィスの具体的なカイゼン活動」についてお話したいと思いますが、まず、先回のおさらいをしましょう。

トヨタ生産方式の基本理念は「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」の2つ「ムダのない作業の実現」と「不良を造らない技術」の実現が目指す姿

 

トヨタ生産方式の特徴は、次の4つ。4つとは、①カイゼン、②見える化、③「なぜ」を繰り返す、④7つのムダ取りです。

 

トヨタ生産方式はムダを徹底的に排除することが目的です。このトヨタ生産方式における「ムダ」とは、付加価値を生まない作業と定義されています。ムダは、「7つのムダ」と言われ、次の7つです。①造りすぎのムダ、②運搬のムダ、③在庫のムダ、④手持ちのムダ、⑤加工のムダ、⑥動作のムダ、⑦不良品・手直し

 

●トヨタ生産方式には、数多くのメリットがありますが、代表的なものは、コスト削減、品質向上、生産性向上の3つ。この3つが良くなれば、会社の業績は上がり、万々歳ですよね。4つの特徴(手法)を用いて、“今”(現状)を把握・分析し、カイゼンすべき内容を明確にし、5W1Hの計画でPDCAを何度も回す

 

ここで、自働化について補足説明をしておきます。トヨタ自動車の公式サイトで分かり易いコメントを見つけたので、以下、引用します。

トヨタ生産方式における「自働化」は、いわゆる「自動化=オートメーション」に「人間の知恵」をつけた「ニンベンのついた自働化」です。「人間の知恵」とは、機械設備の異常や、品質の異常、作業遅れなど何らかの異常が生じた時に、機械設備が自ら異常を検知して自動で停止したり、作業者自身が停止スイッチを押してラインを止められるようにすることです。これにより不良の流出がなくなるとともに、異常が明確にわかり異常の再発防止を図ることができるため、「品質を工程でつくり込む」ことが可能となります。さらに、異常が発生しても自動で停止するので設備の見張りをする必要がなくなり、「省人(工数低減)」が可能となります。

つまり、「人間の知恵」が大切ということですね。多くの知恵を活用するために、「皆で話し合って、考えること」それが重要なポイントだと思っていますので、補足説明したかったのです。

では、本題のオフィスのカイゼン活動についてお話します。

 

≪オフィスのカイゼン活動の進め方≫

1.はじめに

オフィスは、製造現場と違い、なかなか改善が進まないという声をよく聞きます。私は、それは、数値目標がないこと、管理のあるべき姿がない、仕組みやルールの見直しがない等が原因ではないかと思いますし、特に中小、中堅企業ではそういった状況は多いようです。また、オフィスの仕事自体が旧態依然とした仕事が多く、ルーチン化していることもあり、“変える、やめる”といったマインドが少ないといった意見も聞きます。オフィス部門や管理部門が会社全体の改善活動をリードして、効率的に生産性が向上したり、改善が加速するような活動をしていると徐々に会社全体で実効が上がってきた状況を多くの会社で見てきました。なので、オフィス部門や管理部門の改善活動は重要だと私は、考えています。では、どうやったら、オフィス部門が業務改善についてリーダーシップを発揮して、そういう状況を創れるかは何かしらのヒントになるのではと思います。出来るだけ、皆さんの役に立つヒントやアドバイスになるよう、今までの経験知見をベースに記憶を紐解きながら、書いてみます。

 

2.カイゼンに取り組む上で留意すること

・オフィス業務の当事者が会社から改善するよう指示された場合、真の問題”に気づきにくい傾向があること

“成果”を出すことを優先しがちで、“効率”や“業務プロセス”は軽視しがちであること。

・管理部門内の定例業務(ルーチン)をしていれば他のことに気を配らなくてもいいという傾向もあり、効率化を追求すると余裕時間が増え、むしろ、何をするか考えねばならないため、困ったと思う人が一定数いること。つまり、ルーチンに逃げる、隠れる傾向があること。

・カイゼンの進め方の議論は第三者目線を入れ(直接の担当者だけでなく)、とことん議論する機会を設けること。その議論のファシリテーターは議論の成否の鍵を握っていること。また、トップの理解も重要です。ファシリテーターのあるべき姿については、別のブログで書くつもりです。

・以上のようなことを留意することが、出来栄えに大きく影響すると思います。

 

3.カイゼンは次のような考え方で考えています!

<改善活動のステップ・流れ>

業務の増加、急増➡<限られたリソーセスで対応>➡スクラップforビルドで残業なしで凌ぐ➡人の知恵、工夫で効率を推進➡新たな創造的な業務に挑戦

・忘れがちなのは、たとえ、仕事が増えても、残業ゼロで済むように努力するということです。

・第三者目線も含めて、皆で、各自のオフィス業務の棚卸とスクラップforビルド(何を残し、何を捨てるか)について話し合ってみる。

・初回の会議では、自由に身近なメンバーで問題点かなと思うことを話してもらい、議論の結果を記録しておくと今後の議論に活用しやすいと思います。例として以下、書いておきます。

 

<こんなことありませんか?>

・過去からの経緯でやっている仕事がたくさんあるけど、本当に必要?なんでやっているか不明。

・やめたい仕事があるけど、なかなか言い出せない。若輩の僕の意見は取り上げてくれない。

・隣の部署がやった方が効率がいいと思うけど、判断がつかない。等

 

・もっと他に優先することがあるんじゃないの?やりたいことが後回しになっている。

 

・棚卸、スクラップforビルドについては、次のようなステップでやったら、どうでしょう。

<スクラップforビルドのステップ・議論の流れ>

部署の役割・ミッションを書き出す。

それぞれの業務を書き出す。(細かい仕事も全て書き出すことが大事。業務毎に時間も。)

①②のギャップをチェックする。(業務についての思いやカイゼンのアイデアの記入)

やめる業務を抜き出し、優先順位を決める。(皆で考えながら決める。この④の議論が重要)

どういう手段でカイゼンを進めるかを検討し、計画(5W1H)に落とし込む。

兎に角、大切なことは、まず、行動に移すことです。是非、やってみましょう。やり始めると壁にぶつかることもあります。テップ・流れは、状況によっては、流動的です。メンバーで都度都度、話合い、軌道修正していくことが必要です。不明点等あれば、是非、相談ください。

 

では、締めくくりとしていつも自分の頭で活用している「カイゼンの8つの着眼点」を紹介します。これはJMAコンサルティング社の資料から抜粋しています。

 

<カイゼンの着眼点(カイゼンの8原則)>

原則 チェックポイント
廃止

やめる

・やめられないか

・本当に効果を挙げているか

 

削減

へらす

・枚数を減らせないか

・頻度を少なくできないか

 

容易化

かんたんにする

・資料はすぐ出せるようになっているか

・迷わず判断できるようにならないか

 

標準化

統一化する

・ミスなどでやり直していることはないか

・この通りやれば一定の成果が出るというやり方にならないか

 

計画化

計画的におこなう

・もっと短い時間でできないか

・期日を守れているか

 

同期化

連携のタイミングを合せる

・必要な情報が必要な時に届いているか

・もっとまとめて処理できないか

 

分業分担

最も効率的な分担にする

・分担を変えた方がよいか(スキル・経験は適切か)

・もっと集中化できないか

 

機械化

OA化する

・自動化できないか

・ネットワークを活用できないか

 

今回は、オフィス部門のカイゼン活動の進め方について、自分の経験、知見をベースにヒントやアドバイスになりそうなことを書いてみました。いかがだったでしょうか。参考になれば有難いです。次回は今回、皆で話し合う会議をお勧めしましたが、その会議の進め方についてスポットを当てたいと思います。今日もお読みいただき、ありがとうございました。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。

 

 

ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント

髙井 清司

 

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安田真浪

 

 

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