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2025.06.27 髙井 清司 | ガバナンス・コンプライアンスとは

[30] カイゼン活動を見直そう(その1)

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラスト専門家 ガバナンスコンサルタント髙井清司先生ブログ

第30回テーマは「カイゼン活動を見直そう(その1)」です。

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 今回は、オフィスや現場のカイゼン活動についてスポットを当ててお話したいと思います。お話したいのは、トヨタ生産方式に基づいたカイゼン活動です。私は、トヨタグループの一員でした。事務屋ですが、新入社員当時から、その「考え方」やどう「カイゼン活動を実践」するかについて、教育や上司から叩き込まれました。トヨタ生産方式やカイゼン活動は本屋に行けば、コーナーが出来ているほど、膨大な書籍がありますし、進化しているので、どんどん新たな書籍も出ています。

 

 今回は、出来るだけ、コンセプトを明確にし、そのまま、実践頂けるようなヒントやアドバイスになるよう、頭をフル回転させ、まとめてみます。さて、新入社員の頃、大した話じゃないかもしれませんが、納得できなかったことがありました。それは、定時になり、帰ろうとしたところ、「なぜ、毎日、定時で帰れるのだ?真面目に取り組んでいるのか?」と隣の課の課長から言われたことでした。納得できなかった理由は、自分としては、一生懸命頑張って仕事をして、定時で帰れるよう、努力したのに、なぜ文句を言われたのか分からなかったからです。当時は、そういう時代だったのでしょうねえ。また、今の若い人は理解できないでしょうが、仕事が終わったからと「お先に失礼します。」と帰れないような雰囲気がありました。しかし、カイゼン活動は休みなく、日々の積み重ねが成果に結びつくものです。オフィスであれば、カイゼンで効率化されて生み出した時間で新たな創造的な仕事に挑戦する。その繰り返しだと思っていました。若かった時は、そういった活動を通じて、新たな仕事を創る、挑戦することを信条とするようにしました。新たな仕事とは、新製品開発だったり、新たな仕組みづくりだったり。そういった企画書を沢山作って提案した記憶がありますね。

 

 本題に入る前にもう一つ、雑談をします。私は、冒頭から“改善”でなく、“カイゼン”と書いています。海外でもカイゼンは英語になったと思っています。最初に海外で働いた80年代、事務効率の追求で、いかに仕事をimproveするかという議論をしていましたが、なかなか考え方がローカルスタッフに伝わらない。やはり、考え方から伝えるためには、なぜ、トヨタ生産方式が生まれかの経緯も含めて情報を共有すべきと思い、じっくりと説明と議論を続けた結果、多くのスタッフがいい仕事をしてくれるようになったと記憶しています。だから、私も「仕事の手順をスムーズにする為にどうカイゼンにするかについて話そうか。」というようにimproveでなく、KAIZENと言っていました。じゃあ、ここで雑学ネタ。どんな日本語が英語になったでしょうか。まず、思いつくのがpopularになった日本食のメニューですね。寿司(sushi)、刺身(sashimi)、天ぷら(tenpura)など。また、カラオケや盆栽、禅、俳句等も英語になっていますね。ビジネスの世界でも英語で意味を説明するより、じっくりと時間をかけて日本語をそのまま単語として使う方がいいかもしれませんね。では、本題のトヨタ生産方式の話をしましょう。

 

≪トヨタ生産方式の柱は何か?どんな特徴か?どんなメリットか?≫

●2つの柱

 トヨタ生産方式の柱は2つです。異常が発生したら機会がすぐに止まり、不良品を造ることがないようにする「自働化」。これにより、品質を向上させ、生産性を高めることができます。そして、もう一つは、各工程が必要なものだけを生産するのが最適だとする「ジャスト・イン・タイム」。在庫を最小限に抑え、ムダを削減します。この「自働化と「ジャスト・イン・タイム」の」2つの考え方がトヨタ生産方式の出発点、つまり、基本理念であると教わりました。大切なことは、ムダのない作業を実現することと不良品を造らない技術です。もし、ムダが多く不良品を造ることも多い会社であれば、生産効率は下がるし、お客様からの信頼も失います。しかし、ムダの無い作業をする、不良品を造らないことは大変難しいことです。だから、国内外の多くの会社がトヨタ生産方式を学び、その手法を取り入れているのだと思います。導入した会社は、十分成果が出て、感謝されているでしょうね。

 

●4つの特徴

 では、どんな特徴があるでしょうか。4つの手法があると言われています。その4つとは、①カイゼン、②見える化、③「なぜ」を繰り返す、④7つのムダ取りです。4つの特徴(手法)について一口コメントを書きます。

 

①カイゼン:常に現場の状況を見直し、カイゼン活動を継続することで、生産性を高め、品質を向上させることを狙います。

②見える化:問題や異常を誰が見ても分るように表示することで迅速な対応を可能にします。

③5回のなぜ:問題の原因を究明するために、5回の「なぜ?」と質問を繰り返すことで、迅速な対応を可能にします。若い頃、「なぜ?」の真剣さが足りないんじゃないのか?」とよく上司から言われましたね。

④ムダ取り:7つのムダを徹底的に排除することで、生産効率と品質を向上させます。

 

 この4つの手法を駆使してカイゼンを実現するという活動です。真摯な姿勢での日々の努力の積み重ねがベースになります。4つの手法の中からムダ取りにスポットを当て生産現場とオフィスの両方でのムダ取りのシンプルな着眼点を書きます。私は事務屋ですので、特にオフィスのカイゼンについては、力説したいなと思います。

 

●7つのムダ取り

 以下の表ですが、<>内は生産現場でのカイゼンの着眼点、【】内はオフィスのカイゼンの着眼です。カイゼンの実施に当たっては、まずは、“今”の認識から始めましょう。着眼点を一つづつ、続けるか、やり方を変えるか等を皆で話し合い、決めていくことですよね。こういった活動の進め方については別の機会でお話したいと思います。ポイントは、メンバーが同じ方向に向かって、真剣に話し合うこと、上司が活動に理解を示すこと、そして、ファシリテーターの力量と思っています。

 

7つのムダ取り <生産現場での着眼点>・【オフィスでの着眼点】
1.造りすぎのムダ <計画よりも多く生産しないように需要に合わせた生産をする>
【必要以上の資料作成、目的なプロセスが不明確等】
2.運搬のムダ <運搬の距離を短縮し、不要な運搬をなくす>
【メールの写しを送り過ぎ、データの一時保管、人や物の移動距離が長い等】
3.在庫のムダ <余分な在庫を抱え過ぎないように、ジャスト・イン・タイムを実践し、必要な時に必要なものを必要な量だけ供給する>
【紙・データの複数箇所での保管、机の上の書類等】
4.手持ちのムダ <作業が完了するまで待たず、次の作業をスムーズに行えるよう、作業間の連携を良くする>
【前工程からの情報待ち、タイミングの不一致等】
5.加工のムダ <不要な加工や過剰な加工をなくし、必要な加工だけを行う>
【後加工がない資料作成、資料の体裁を整える、過剰な検討・検査等】
6.動作のムダ <作業者のムダな動きをなくし、k峰率的な作業の体制を構築>
【資料の保管場所が不明確、発言しない会議への出席等】
7.不良品・手直しのムダ <不良品や手直しを減らし、品質管理を徹底する>
【後工程からの手戻り、手直しありきの資料作成等】

 

●メリットについて

 トヨタ生産方式には、数多くのメリットがありますが、代表的なものは、コスト削減、品質向上、生産性向上でしょう。この3つが良くなれば、全ての会社の業績は上がり、万々歳ですよね。4つの特徴(手法)を用いて、“今”(現状)を見直し、カイゼンすべき内容を明確にし、5W1Hの計画でPDCAを回すことです。いかがでしょうか。

 

 今回は、カイゼン活動の考え方や実践方法について、参考になりそうな内容を自分の経験、知見をベースに書いてみました。いかがだったでしょうか。ご参考になったのであれば有難いです。次回は、もう一度、カイゼンについて取り上げ、即実践できるオフィスの具体的なカイゼン活動にスポットを当てたいと思います。今日もお読みいただき、ありがとうございました。ガバナンス・コンプライアンス担当講師の髙井でした。

 

 

ガバナンスコンサルタント / 語り合うコンサルタント

髙井 清司

 

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安田真浪

 

 

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