2025.12.19 【高橋 康友】中堅企業をめざす支援
みなさんこんにちは、安田です。
トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」中小企業診断士 高橋康友先生ブログ
第29回テーマは「下請法から取適法へ」です。
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最近でも下請けいじめに対する公正取引委員会による勧告が行われています。
スズキ完全子会社のスニックが、量産が終了した後に使用される「補給部品」の価格を据え置いたことが下請法違反の「買いたたき」にあたるなどとして、公正取引委員会はスニックに再発防止を求めて勧告したとの発表がありました。
同社は、協力会社10社に対し、量産が終了したため発注量が大幅に減ったにも関わらず、318種類の部品の価格を協議せずに据え置き価格で発注していました。
また、長期間発注をしていない部品の製作に必要な金型など約880個を無償で保管させていたことも指摘されています。
他の事例では、三菱ふそうトラック・バスが、金型などを無償保管させたとして、公正取引委員会は三菱ふそうトラック・バスに再発防止を勧告しています。
三菱ふそうトラック・バスは、協力会社61社に対し、金型など5,694個の無償保管をさせていました。現状確認のための金型の棚卸作業も行わせていたとのことです。
元請けと下請けの力関係による長年の商慣習で染みついてしまっていることですが、このまま放っておいてよいことではありません。
令和8年(2026年)1月1日から、「下請法」が改正され、「中小受託取引適正化法(通称:取適法(とりてきほう)」として新たに施行されます。
これにより、適用対象となる取引や事業者の範囲が拡大され、中小受託取引の公正化と受託側の中小企業の利益保護が強化されます。
「取適法」では、「下請」などの用語の見直しがされます。
「下請」という言葉には、委託側と受託側の上下関係を連想させる側面がありました。そのため、法律の名称以外にも、従来の「親事業者」は「委託事業者」に、「下請事業者」は「中小受託事業者」に変更されます。そのほかにも、「下請代金」は「製造委託等代金」に変更されます。
「取適法」の目的は、中小受託事業者が不当な負担を強いられることのない、公正な取引環境を整えることです。
委託事業者と中小受託事業者が対等なパートナーシップを築くことを後押ししようとしています。
「取適法」となることでの主な変更点は「適用対象の拡大」です。
①事業者の基準の見直し
②対象取引の追加
の2つがあります。
①事業者の基準の見直し
下請法では、資本金基準で下請法の適用範囲が決められていました。
取適法では、それに加え、従業員数による基準(常時使用する従業員数300人(製造委託等の場合)または100人(役務提供委託等の場合))が新たに追加されます。
製造委託等の場合は、委託事業者が従業員数300人超の場合、中小受託事業者が300人以下ですと取適法の適用範囲となります。
それにより、今後は委託事業者・中小受託事業者が資本金基準または従業員基準のいずれかの基準を満たす場合、取適法の適用対象となります。
②対象取引の追加
従来の製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託に加え、新たに「特定運送委託」が追加されました。
特定運送委託は、事業者が販売する物品や、製造や修理を請け負った物品などについて、その取引の相手方に対して運送する場合に、運送業務を他の事業者に委託する取引です。
また、委託事業者の以下の2つの行為が新たに禁止されます。
・協議に応じない一方的な代金決定の禁止
・手形払等の禁止
それにより、委託事業者の禁止行為は以下の11項目となります。
①受領拒否
②代金の支払遅延(手形払等の禁止を含む)
③代金の減額
④返品
⑤買いたたき
⑥購入・利用強制
⑦報復措置
⑧有償支給原材料等の対価の早期決済
⑨不当な経済上の利益の提供要請
⑩不当な給付内容の変更、やり直し
⑪協議に応じない一方的な代金決定
新たに施行される取適法を遵守することは当然のことです。
しかし、法令を遵守すればよいのではなく、委託事業者と中小受託事業者が対等なパートナーシップを築くことにより、各企業やサプライチェーンの強化、それによる日本のものづくりの発展へとつなげていってほしいです。
中小企業診断士
高橋 康友
▶高橋 康友 先生 プロフィール
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トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント
安田真浪
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