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2025.05.16 高橋 康友 | 中堅企業をめざす支援

[24] マエカワ流人材育成

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」中小企業診断士 高橋康友先生ブロ

第23回テーマは「マエカワ流人材育成」です。

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今回は、株式会社前川製作所様について取り上げます。

同社は、大正13年(1924年)創業で、東京都江東区に本社がある、産業機械の製造、工場・プラントの設計エンジニアリング会社です。

従業員数 国内従業員数2,058名、海外グループ従業員数3,237名、

売上高 国内売上高941億円、海外関連会社総売上高1,408億円< 2024年12月期 >、

国内に54拠点、海外43か国に103拠点があります。

(同社Webサイトより)

 

冷やす技術」を100年近く追求し続け、ユニークな製品開発により、様々な産業を支えていらっしゃいます。

独自のコア技術を確立し、無競争のビジネスモデルを実現しています。

 

それを可能にしているのは、人材育成にカギがあります。

現在は同社の顧問となられている前川正雄様の著書『マエカワはなぜ「跳ぶ」のか』にヒントがあります。

 

20代~40代を「動」の時代とし、50代~70代を「静」の時代としています。

会社で60年間仕事をしてもらうことを前提とされています。

 

以下は著書から引用した内容です。

『匠にも2種類あって、システムを広げる匠とシステムを深める匠がいる。

人材育成で肝心なのは、20代で大きな冒険をさせることである。20代で冒険できた人は30代で跳ぶことが体験できる。40代になったら自分流の跳ぶ世界を実現できる。確かにこれは簡単なことではない。それに、一人ひとり物事の感じ方が違うので、跳び方も変わってくる。

若手を跳ばせるには、50代、60代の先輩が一人ついて、2,3人のチームを組ませるのがいい。共同作業をさせながら、ギリギリまで自分たちで物事を判断させ、最後のところで手を貸して成功体験を積ませるのである。失敗もあるが、これは人材育成のコストと考えるべきである。動と静の共同体性を活かしたこのような育成方法を繰り返すことで、幅広い視野を持ち、場所の重要性、場所の連続性を理解することのできる人材が生まれてくるのだ。

マエカワでは、入社後10年から20年の経験を経てベテランになる。30年の経験を積むと匠の域に入り、動の時代が終わりを告げる。そして50代、いよいよここから70代までが静の時代だ。ここまで来ると「眼光紙背に徹する」ことができるようになり、市場との対話力がいちだんと高まり、場所的な理解がぐっと深まる。市場が次に求めているものは何か、という答えが見えてくる。

 

動にできることを静はやるべきではなくて、動にできないことを静が手助けし、問題を解決するということだ。そのためには、動とはまったく違う世界で静は存在感を発揮しなければならない。

世界の産業機械のものづくりやサービスは、年々、新しい価値を求めている。それにうまく対応するには動だけの力では無理で、静なりの勘、世の中の雑音情報からサインを掬い取る力、知恵袋としての役割がどうしても必要だ。

 

静には2つの役割があると考えている。一つは、動のなかに混じって、動をサポートすること、もう一つは、動が困った場合の知恵袋になることである。どちらも大切だが、とりわけ後者の役割が期待される。』

 

20代~40代はもちろん、50代~70代にも活躍してもらうことで無競争のビジネスモデルが実現できています。

文中に「跳ぶ」という言葉が出てきます。

新たな「場所」を感じ取り、そこに向かってチーム全体で「跳ぶ」ことでイノベーションを起こしています。

 

 

そして、自社の組織のことを「共同体」と表現されています。

同社は、日本的経営の良いところを実践されています。

欧米企業は「特定の目的を達成するために結成された組織」であると定義としています。

一方の日本企業については、仕事があって人がいるのではなく、人がいて仕事があると捉えています。

そうすると、自然に雇用は長期になります。仕事の難易度によって給与が決まる欧米企業と比べ、基準が定めようがないから、地位も給与も、自然に年功的処遇となります。こういうやり方でいくと、自然に組織は共同体化していく、それを実践されています。

 

現在のトレンドとしてジョブ型雇用がありますが、欧米企業のモノマネではなく、日本企業の良さをあらためて認識すべきではないでしょうか。

 

株式会社前川製作所様は、世代の異なるメンバー編成で「学習する組織」をつくっているといえます。

 

 

 

中小企業診断士

高橋 康友

 

▶高橋 康友 先生 プロフィール

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~組織づくりが企業を変える!~

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

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