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2025.01.24 コンサルティング中堅企業五人衆課題解決高橋 康友

【中堅企業をめざす支援⑲】BCPを策定する(3)復旧活動

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」中小企業診断士 高橋康友先生ブロ第19回

テーマは「BCPを策定する(3) 復旧活動」です。

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20241213_249番_BCPの策定・運用で強靭な企業となる

 

BCP(事業継続計画)において、BCP発動後のステップは、

ステップ1:初動対応

ステップ2:復旧活動

となります。

 

前回のブログでは、ステップ1:初動対応についてお伝えしました。

 

今回は、ステップ2:復旧活動について取り上げます。

復旧活動の計画は、

(1)重要な要素の区分設定

(2)重要な要素の洗い出し

(3)影響度評価

(4)対応策および行動計画の作成

の流れで検討します。

 

(1)重要な要素の区分設定

最優先で復旧させる業務として選定した重要業務に対して、復旧活動に必要である重要な要素(経営資源)を明確にします。

経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の観点で区分を設定すると整理しやすいです。

【ヒト】

①人材 (誰が必要か、何人必要か?)

【モノ】

②建物 (どの施設が必要か?)

③設備・車両 (どの設備などが必要か?)

④原材料・製品 (どの原材料や部品が必要か、調達先は大丈夫か、在庫は必要か?)

⑤倉庫・物流網 (原材料や製品の物流は?)

⑥インフラ (電気など必要なインフラは?)

【カネ】

⑦資金 (運転資金がどれぐらい必要か?)

【情報】

⑧システム・データ (どのシステムやデータが必要か?)

 

 

(2)重要な要素の洗い出し

(1)で設定した区分ごとに、復旧活動に必要な重要な要素を洗い出します。

金属加工部品メーカーの例で示します。

①人材

工場長、リーダー、加工作業員、検査員、梱包作業員、金型技術者、営業担当者

 

②建物

本社工場

 

③設備

1号プレス機、1号曲げ加工機、溶接機、金型

 

④原材料・製品

鋼材調達先、材料在庫、仕掛品在庫、完成品在庫

 

⑤倉庫・物流網

倉庫、自社便

 

⑥インフラ

電気、道路

 

⑦資金

運転資金、設備資金

 

⑧システム・データ

設計データ、生産管理データ、販売管理データ

 

(3)影響度評価

(2)重要な要素の洗い出しで挙げた各要素について、重要業務に対する影響度を5段階評価します。

例えば、影響度を「5:重大」「4:大」「3:中」「2:小」「1:軽微」の5段階で評価します。

 

(4)対応策および行動計画の作成

各要素に対する対応策および行動計画を作成します。

特に影響度が「重大」「大」「中」の要素に対しては、早急に対応策を検討します。

金属加工部品メーカーの例で示します。

①人材

工場長⇒影響度評価「5」 対応策:A課長へのマネジメント教育を実施する。

リーダー⇒影響度評価「5」 対応策:B担当をサブリーダーとし、リーダー教育を実施する。

加工作業員⇒影響度評価「5」 対応策:ジョブローテーションにより多能工を育成する。

 

③設備

1号プレス機⇒影響度評価「5」 対応策:レーザ切断機が稼働すれば代替生産。または第2工場で代替生産する。

1号曲げ加工機⇒影響度評価「4」 対応策:手動で加工が可能であれば代替生産。または第2工場で代替生産する。

 

④原材料・製品

鋼材調達⇒影響度評価「5」 対応策:仕入先を新たに1社確保する。

材料在庫⇒影響度評価「5」 対応策:棚の固定対策を実施する。

 

対応策が挙がったら、それぞれの対応策について、誰が(責任者・担当者)、いつまでに、どのように実行するのかの行動計画を作成します。

 

<BCP発動フローの作成>

前回のブログでBCPにおける初動対応、今回のブログで復旧活動についてお伝えしました。

実際の災害発生時にBCPをスムーズに実行するために、災害発生からの経過時間・日数ごとのフェーズでの行動必須項目を「BCP発動フロー」としてまとめておくと分かりやすいです。

 

製造業での例を示します。

・初動対応

【災害発生~3時間】

・避難計画に基づく避難

・二次災害発生防止

・災害対策本部の設置

・安否確認、点呼

・負傷者の救護

・非常電源への切り替え

・被害状況のチェック(施設、設備、システムなど)

・外部情報の収集(災害状況、インフラなど)

 

【3時間~1日】

・外部情報の情報収集

・設備メーカーへの連絡

・対外的な情報発信(顧客、協力先、地域住民、行政まど)

・帰宅希望の従業員への対応:食料・水の配給

・残留者への対応:宿泊準備、食料・水・毛布の配給

・緊急性の高い修繕への対応

・簡易トイレの設置

 

・復旧活動

【2日~3日】

・安全と交通インフラの確認をして順次帰宅させる

・工場の片付け

・重要な外部関係者への連絡&情報収集

・復旧のための人員確保の確認

・在庫の確認

・設備の稼働チェック

・ネットワークの稼働チェック

・復旧計画の策定

 

以降、4日~10日、10日以降のフェーズについても明確にして、BCP発動フローを作成するとよいです。

 

ご参考にしてください。

 

 

中小企業診断士

高橋 康友

 

▶高橋 康友 先生 プロフィール

https://triangle-trust.jp/aboutus/lecturer/#takahashi

 

 

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トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

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