YASUDA ISM

安田の考えをご紹介します

ホーム > 安田イズム詳細 > 【ニューリーダーを育てる五人衆⑱】技術開発とは③

2024.05.16 イノベーションコンサルティング中堅企業五人衆人材育成技術開発課題解決

【ニューリーダーを育てる五人衆⑱】技術開発とは③

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ブログを、3月2日から公開しています。

 

今回は、「イノベーション支援」担当の企画・開発コンサルタント 下俊久先生です。

下先生には、若手技術者育成およびイノベーションに向けての技術・開発支援で企業支援していただいております。

それでは、下先生よろしくお願いいたします。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんにちは、技術・開発サポート担当の下(しも)です。

本日もよろしくお願いいたします。

 

ベンチマークの重要性を教えられる

 

4月27日のブログで、新入社員の時に取り組んだ仕事、モノを評価する仕事の話をさせていただきました。

今回は、モノを評価する事に関係して、ベンチマークの重要性を教えられた、新製品開発でのお話しをいたします。

 

配属先の仕事もいくつかのプロジェクトを終え、部署としても評価部署としてのノウハウがたまり、

同じ事業部だけでなく、社内のいろいろな部署から、材料や評価方法に対する相談が来るようになりました。

 

その中の一つに、あたらしい樹脂部品の開発の話がありました。

樹脂にすることで、軽量化やデザインの自由度が高まり、会社としても将来の事業に発展する可能性を期待して取り組む

プロジェクトでした。

 

樹脂では初めての部品ということで、評価の方法や判断基準は、かなり綿密に協議し、客先も交えた議論を進めていました。

 

新しい製品には新しい評価の方法が必要

 

開発もいくつかの山を乗り越え、ある新機種への採用を働きかけていました。

客先の設計部門からは、樹脂にすることでの傷つきが心配、傷つき具合を定量化(≒数値化)してほしいという

要望がありました。

そこで、この傷つき評価に特化した傷をつける試験条件と傷を測定し数値化する方法を考案して、定量化を図りました。

 

その検討結果をもって、当社設計者が説明に行きました、が、客先の設計者からは、採用してよいレベルか判断ができない

ということで、差し戻されてしまいました。

 

客先の心配はどこにあるのか考えることが大事

 

さあ、困りました。

これまでに同じような樹脂部品はありませんので、他社品との比較というわけにもいきません。

客先は何に困っているのでしょう。

傷がついて商品価値が下がり、ユーザーのクレームになってしまう可能性について、大丈夫と言えないことに困っている

のだと思いました。

設計者は新機種の商品をより魅力的なものにするためのアイテムとして採用したい気持ちを持ちながらも、開発責任者や

会社に対して、大丈夫と胸を張って言えないことが、前に進むことを引き留めていました。

 

百聞は一見に如かず、ベンチマークの重要さ

 

何と比較したら、納得いただけるのだろうか。いろいろなものを評価して定量化してを繰り返していました。いろいろな

部品を調べている中で、当社設計者が、中東向けの最高級車で樹脂化を図った製品があるという情報を掴んできました。

同じ製品ではありませんが、車の最前部に配置されたその部品は、樹脂化が図られ、中でも中東向けは現地の砂嵐などの

過酷な環境に耐えるために、特殊な表面処理がしてあることが分かったのです。

市販されている製品ですので、中東から部品を調達、サンプルが届いたのは、次の客先設計との打ち合わせの直前でした。

今回は、設計として採否を判断するということで、客先設計の責任者が出席、私も会議に参加し、定量化の話をしました。

親身にこちらの話を聞いていただけましたが、比較するものがないとわからないよねということになり、

いよいよこちらのカードも残すところ一枚。

これは、最近入手した、○○(製品名)の中東仕様のものとの比較ですといって、実際の評価サンプルを、当社サンプルと

あわせてお見せしました。

責任者の方は、しばらく考えたあと、わかりました、設計からは採用に向けて進めましょうと、コメントをいただき、

製品化への大きな一歩が踏み出せました。

 

▶新たな挑戦は誰しも不安、腹をくくるための納得が必要

 

製品開発にせよ技術開発にせよ、新しいものに取り組むときは、開発者にとっても、採用する側にとっても

不安が避けられません。

開発者は、この製品の性能なら間違いない、そして必ず、客先に喜んでもらえるという思いが腹落ちするまで、

つきつめるでしょう。

採用する側も、提案側のその思いに共感できれば、前に進めたくなると思いますが、

100%成功するとは言い切れないものを採用するためには、腹をくくるための納得がないと、前に進められません。

その納得を得るために、とても大切な要素が、ベンチマークだと思います。

ベンチマークの重要性を知り、しっかりと比較調査ができれば、今開発に取り組んでいる新製品もその価値を

理解していただけると思います。

 

 

 

企画・開発コンサルタント / あかりを灯す案内人

下 俊久

 

▶下 俊久 先生 プロフィール

https://triangle-trust.jp/aboutus/lecturer/#shimo

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

下先生、ありがとうございました。

体験談からの学びは非常に大きいです。

技術・開発に関連する方にはたいへん興味深い内容でした。

また、この続きが楽しみです。

イノベーションおよび技術・開発支援に興味のある方は、トライアングル・トラストまでお問い合わせください。

 

 

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

▶ 課題解決コンサルティングTRIANGLE TRUST

https://triangle-trust.jp/

▶ LEGO®SERIOUS PLAY®技法と専用教材を用いたワークショップ

https://lsp.triangle-trust.jp/

▶イプロス

https://premium.ipros.jp/triangle-trust/?hub=157+4672154

▶Deliveru「たかやすWEBセミナー」

https://shop.deliveru.jp/triangle-trust/

▶ONSENWORK

https://workation.biglobe.ne.jp/onsen/

▶ なごや栄二丁目新聞社

https://www.nagoben.jp/

Copyright (c) 2020 TRIANGLE TRUST.
All Right Reserved.