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2024.06.06 イノベーションコンサルティング中堅企業五人衆人材育成技術開発課題解決

【ニューリーダーを育てる五人衆㉒】技術開発とは④

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ブログを、3月2日から公開しています。

 

今回は、「イノベーション支援」担当の企画・開発コンサルタント 下俊久先生です。

下先生には、若手技術者育成およびイノベーションに向けての技術・開発支援で企業支援していただいております。

今回は4回目の投稿です。

それでは、下先生よろしくお願いいたします。

 

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こんにちは、技術・開発サポート担当の下(しも)です。

本日もよろしくお願いいたします。

 

開発はコンセプトが肝

 

今回は、開発におけるコンセプトの位置づけについてお話ししたいと思います。

 

さて、私は事業部の評価部署で、技術開発の仕事を約10年行ったのち、本社の研究開発部門に異動になりました。

異動先の部署では、自主テーマの材料開発に特化して研究開発を進めていました。

そこへ事業部から新たな開発依頼がありました。

対象としている製品は、これまでの製品と作動機構が異なる新製品で、成立させるためには材料開発を必要としていました。

 

 

開発におけるコンセプトとは

 

開発では『コンセプト』という言葉をよく使います。

“コンセプト”を辞書で引くと、言葉の意味は、「概念」「発想」と書いてあります。

 

私は、『開発という新しい価値創造の行為に対し、どのような考え方、着想をもって取り組むかという

具体的な実現手段を示す言葉』と理解しています。

そして、開発するもの一つ一つのカテゴリーに対し、コンセプトは存在します。

 

今回の例で言うと・・・

・事業部の新製品には、新製品の製品コンセプトがあり

・新たな作動機構を実現する設計コンセプトがあり

・そこに使われる新材料には、材料コンセプトがある

わけです。

 

材料開発の話に戻りますね。

 

開発の全体像を掴むために、新製品の開発スケジュールや材料に求められる特性、そしてコストなど、

大まかなニーズを把握します。

設計サイドも手に入れられる材料はある程度試しており、候補材としていくつか検討したものの性能面で

及ばず、材料開発の必要性を判断し、依頼となりました。

 

これらの情報を整理することで、材料開発のゴール地点(目標値)と制約条件である『納期』や『コスト』がわかります。

また、既存材料の現象を詳細に解析することで、目標に達しない、足らない特性というものも見えてきます。

では、この足らない特性を、どのような着想、考え方で解決するのか、材料のコンセプトを考えるわけです。

 

 

▶理想のコンセプトは “理詰め” で、具体化は “ひらめき” で

 

私たちは2つの特性に注目しました。

できるかできないかはさておき、注目した2つの特性が、両立してある領域に入れば、成立するはずだということが

理屈としてわかってきました。

であるならば、次は、それを実現するためには現実世界でどうすればよいのかということを考えます。

 

つまり、注目した2つの特性を両立するアイデアがあれば、コンセプトは成り立ちます。

 

結果、そのアイデアは、「別の製品向け材料開発で使用経験のある、2つのアイテムを組み合わせる」という発想が生まれ、

コンセプトはできました。

 

こうした考えの道のりを言語化して、開発コンセプトとして設計部隊や開発関係者と共有することで、

ぶれない開発」「無駄のない開発」ができると思います。

 

逆にコンセプトがしっかり言語化されていない開発は、いきあたりばったりで、

子供のサッカーのように一つのボールを全員で追いかけるというようなプロジェクトになってしまいます。

 

 

▶最後に笑ったのは

 

この開発、実は後日談があって、私たちは材料開発に着手し、開発した試作材料を設計に提供していたのですが、

設計も改良を続け、何とか既存材料でも成立できるようにしていました。

 

それを聞いた私たちは、いったん開発を棚上げしようと考えましたが、

このまま最適化をすれば望む特性が得られるはずとの信念で、あきらめずに開発を進めました。

 

ところが、最終局面で、既存材料では成立しない評価結果がでてきて、再度、進化した開発材を提供。すべての要求に

応えることができ、量産に進みました。

 

設計も私たちも、お互いの貢献を讃え合い、おいしいお酒が飲めました。

 

 

▶開発は先行きが不透明、だからこそ、拠り所となるコンセプトが必要

 

開発をお願いする側もされる側も、出てきた料理を食べて始めて味がわかったのでは、

想定以上の場合は良いけれど、そうでない場合は、開発そのものがとん挫してしまいます。

 

お互いが同じボートに乗り、信頼し合って進むためにも、

コンセプトをしっかり言語化し、共有化すること』が、大切だと思います。

 

そしてそのコンセプトをしっかりと考え抜いて作れば、

今回の例のように、開発者自身にとっても、自分自身の拠り所になるのです。

 

どんな開発でもコンセプトが肝というのはそういうことだと思います。

 

企画・開発コンサルタント / あかりを灯す案内人

下 俊久

 

 

 

▶下 俊久 先生 プロフィール

https://triangle-trust.jp/aboutus/lecturer/#shimo

 

 

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下先生、ありがとうございました。

今回の「コンセプト」についての事例紹介と学びは、他の業務にも引用できます。

大切なのは、基本となる「考え方」だな、とあらためて理解しました。

 

みなさんも、参考して仕事の進め方で活用してください。

 

 

イノベーションおよび技術・開発支援に興味のある方は、トライアングル・トラストまでお問い合わせください。

 

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

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