2026.03.30 課題解決コンサルティングとは
こんにちは、安田です。
今回は、「その業界の当たり前を置き換える」ということについて考えてみたいと思います。
中部地域に特化した経済紙を見ていたところ、ある小売業界のトップに関する特集記事がありました。
その方は、もともと大学卒業後に制御機器メーカーに勤務していましたが、義父からの誘いを受けて小売業界へ転身。
トップ就任から30年以上の間に、店舗数は40倍、営業収益は16倍にまで成長させたそうです。
その方が小売業に転じた際に持ち込んだのが、メーカーでは当たり前とされる考え方でした。
それが、「フェイルセーフ」という考え方です。
「フェイルセーフ」とは、故障やエラーが起きたあとでも、安全な状態を保てるようにしておく仕組みのことです。
つまり、「何かが起きても、全体として大きな問題にならないようにする」という設計思想です。
この考え方を、小売業の経営に取り入れたという点が、とても興味深く感じられました。
ここで重要なのは、大切な考え方は、業界を超えて活かせるということです。
一般的に、日本の産業は縦割りの傾向が強く、その業界では当たり前のことでも、他業界ではあまり知られていないことが少なくありません。
だからこそ、他業界の当たり前を自社に置き換えてみることで、思いがけない価値が生まれることがあります。
この会社では、社員が自社を「自分ゴト」として捉えるための仕組みづくりも行っていたようです。
小売業では、一般的に正社員よりもパートやアルバイトなど、非正規社員の比率が高い傾向があります。
しかし、この会社では、正規・非正規の区別なく、会社の業績をすべて公開していたそうです。
良い情報も、悪い情報も共有する。
そして、厳しい状況のときには「何とかしよう」と率直に伝える。
そうすれば、社員はきちんと理解し、動いてくれるという考え方です。
この姿勢には、社員を信頼し、組織を一つにしていこうとする意思が感じられます。
M&Aについても、この会社では、まず相手先の良い点を見つけることから始めるそうです。
人は何かを比較するとき、つい自分たちが優位に立てるように、相手の弱みや欠点を探したくなりがちです。
しかし、そうではなく、まず「いいとこ見つけ」をする。
この姿勢は、組織や関係性の中に健全なバランスを生み出す考え方だと感じます。
私は、これはとてもすばらしいことだと思いました。
そして、「フェイルセーフ」と対になる考え方として、「フールプルーフ」があります。
「フールプルーフ」とは、そもそもミスが起こらないように設計する考え方です。
つまり、
・フールプルーフ:ミスを未然に防ぐ(予防)
・フェイルセーフ:ミスが起きても安全を保つ(事後対策)
という違いがあります。
大切なのは、この二つがセットで整っていることです。
サービス業では、一般的に「ミスはしてはいけない」という考え方が前提になりやすい面があります。
一方で、ものづくり業界では、「ミスは起こるもの」という前提で仕組みを設計することが少なくありません。
この違いは、非常に大きいと感じます。
「起こしてはいけない」と考えるのか、
「起こりうるものとして備える」のか。
その発想の違いが、現場の仕組みづくりやマネジメントの質に大きく影響するのではないでしょうか。
ビジネスチャンスは、こうした「他業界の当たり前」の中に隠れているのかもしれません。
自社にその考え方を取り入れてみることで、これまでの固定観念に揺さぶりがかかり、新しい可能性が見えてくることがあります。
みなさまの業界では、いかがでしょうか。
他業界では当たり前でも、自社ではまだ取り入れていない考え方があるかもしれません。
そうした視点で見直してみることが、新たな一歩につながるのではないでしょうか。
ご参考にしていただければと思います。
中堅企業について⑥ ~その業界の当たり前を置き換える?~(本記事)
~組織づくりが企業を変える!組織の課題解決コンサルティング~
安田真浪
トライアングル・トラストは、組織における各種課題解決のお手伝いをしています。
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