2026.03.30 課題解決コンサルティングとは
こんにちは、安田です。
今回は、中堅企業を取り巻く課題の一つとして、「女性管理職比率」について考えてみたいと思います。
「改正女性活躍推進法」が2026年4月に施行され、従業員101人以上の企業では、管理職に占める女性比率の公表が義務化されます。
今から10年以上前、愛知県の大村知事が副知事に女性を登用した際、女性管理職比率を具体的な数値目標によって引き上げる方針を打ち出しました。
それを受けて、市町村でも女性管理職を増やしていこうという動きが広がった時期がありました。
当時、ある市から女性リーダー研修の依頼を受け、20名ほどの女性職員を対象に研修を行ったことがあります。
また同じ頃、別の市では、キャリア職員の早期離職を防ぐことを目的として、男女混合のリーダー職員研修も実施しました。
その際、総務部の人事担当者から、印象に残る話を伺いました。
有望な女性職員にリーダー就任を打診しても、なかなか引き受けてもらえないというのです。
理由を尋ねると、「私たちに、これ以上もっと頑張れと言うのですか?」という声が返ってきたそうです。
私はその言葉が強く印象に残っています。
また、先の女性リーダー研修でのディスカッションでも、次のような本音が出ていました。
「異動のたびに新しい分野の法律を理解しなければならず、大変です。部下への指示や質問にもすぐに答えなければならず、責任の重さを感じます」
「家に帰れば子育てや親の介護があり、これ以上仕事の負担が増えるのは厳しいです」
「ほかにできる人がいないからと言われても困ります。簡単には引き受けられません」
こうした声を聞くと、単に「女性管理職を増やす」というだけでは、現場は動かないということがよくわかります。
ここで、私は日本の政策や企業施策に共通する傾向として、「いきなり導入される」という点が気になっています。
本来であれば、段階を踏み、仕組みを整えながら進めるべきものが、突然「これをやりましょう」と降ってくる。
現場の感覚としては、「いきなり、ボン」と降ってくるような印象です。
ISO、SDGs、健康経営、DXなども、その一例ではないでしょうか。
もちろん、どれも本来は大切な取り組みです。
ただし、導入の仕方を誤ると、「やること」そのものが目的になってしまいます。
人事評価も同じです。
多くの会社で人事評価制度は導入されていますが、はたして本来の目的を十分に果たしているでしょうか。
本来、人事評価とは、評価して終わるものではありません。
何が足りないのかを明らかにし、今後どのように育成していくかを考えるためのものです。
つまり、人材育成と一体で機能してこそ意味があります。
しかし実際には、昇給や賞与の査定を決めるためだけの仕組みになっており、「評価して終わり」になっているケースが少なくありません。
中には、教育体系そのものが整っていない企業や、制度があっても十分に機能していない企業も多く見られます。
ISOやSDGs、健康経営、DXも、本来の目的は、会社の業務改善や企業価値の向上にあるはずです。
それにもかかわらず、「導入すること」や「やっている形を整えること」が目的になってしまっている企業も少なくありません。
ここに大きな問題があります。
女性管理職比率の公表についても、同じことが言えるのではないでしょうか。
数字を出し、見た目を整えることが目的になってしまえば、本質的な意味は薄れてしまいます。
特に中堅企業では、制度や言葉だけが一人歩きし、本来の目的を十分に理解したうえで運用できている企業が、どれほどあるのだろうかと感じることがあります。
政府の施策も、「いきなり導入する」のではなく、現場の負担や実情を踏まえながら、段階的に進めていく必要があるのではないでしょうか。
10年以上前と同じように、「負担感だけが増す女性管理職」を増やすことになってしまっては、本当の意味での前進にはならないはずです。
ここでひとつ、「3割いれば…」という言葉にも触れておきたいと思います。
今から約25年前、ある女性市議会議員の方が、「女性議員は3割必要」と話していました。
そして最近では、ある女性大学教授のコラムでも、「女性議員が3割いれば国は変わる」と書かれていました。
では、この「3割」という数字は、どこから来ているのでしょうか。
その背景にあるのが、「クリティカル・マス(臨界量)」という考え方です。
次回の安田イズムでは、この「女性3割」という言葉の意味について、もう少し掘り下げてみたいと思います。
~組織づくりが企業を変える!組織の課題解決コンサルティング~
安田真浪
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