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2025.11.21 高橋 康友 | 中堅企業をめざす支援

[29] イノベーションを生む発想

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」中小企業診断士 高橋康友先生ブロ

第28回テーマは「イノベーションを生む発想」です。

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イノベーションとは、経済成長や社会的課題解決など、社会に貢献する技術革新のことです。

技術革新の「技術」は、ものづくりやサービスの技術だけでなく、マーケティング、投資、マネジメントなど企業経営におけるプロセス全般に関するものです。

 

イノベーションを生む方法には色々なパターンがありますが、その一つに異なる業界の取り組みをヒントにした独自の発想から生む方法があります。

その一例として、トヨタ自動車株式会社様の「トヨタ生産システム」を挙げることができます。

トヨタ生産方式の二本柱は、必要なものを、必要なときに、必要なだけ生産する「ジャスト・イン・タイム」と、異常を自動で検知し停止させる「自働化」であり、このシステムを運営する道具が「かんばん」と呼ばれるものです。

この「かんばん方式」が、アメリカのスーパーマーケットからヒントを得ていることは有名な話です。

 

トヨタ生産システムの生みの親である大野耐一氏の著書「トヨタ生産方式」(ダイヤモンド社)で詳しい内容を確認できますので、そこから引用します。

 

大野氏は、アメリカのスーパーマーケットに大いに関心を持ち、視察されました。そして、

「スーパーマーケットというのは、顧客にとって、必要とする品物を必要なときに、必要な量だけ入手できる店である。」

と定義しました。

 

「スーパーマーケットから得られたヒントとは、スーパーマーケットを生産ラインにおける前工程とみてはどうかということであった。顧客である後工程は、必要な商品(部品)を、必要なときに、必要な量だけ、スーパーマーケットに当たる前工程へ買いに行く。前工程は、すぐに後工程が引き取っていった分を補充する。」

と独自の発想を得ました。

そこから、従来の生産ラインのように前工程でつくったものを後工程に届けるのではなく、「かんばん」を使って後工程が使ったものを前工程に取りにいくという生産方式を生み出しました。それによって、必要なものを、必要なときに、必要なだけ生産することが可能になりました。

 

中堅企業でも異なる業界の取り組みをヒントにしたイノベーションの例があります。

以前のブログでも取り上げました、富山県滑川市に本社を置く産業機械メーカーの株式会社スギノマシン様です。

 

同社ホームページからの引用ですが、創業の精神「自ら考え、自ら造り、自ら販売・サービスする」を受け継ぎながら高圧水技術、空気圧技術、管機器技術、エネルギー市場関連の技術開発を重ね、現在では、「切る・削る・洗う・磨く・砕く・解す」の6つの「超技術」を展開しています。

ウォータージェットカッターなど、他社ではできない多種多様な商品を開発販売しています。

 

ウォータージェットカッターは、高圧ポンプで昇圧した水をノズルから噴射することで発生する、数十~数百m/秒の高速水噴流でモノを切断、破壊、分離、除去することができる機械です。

 

特長として、

①加工エネルギー密度が高い。噴流が細く、所要動力が小さい。

②水を使用するため維持費が安い。

③加工物に作用する力が局所的。

④非接触加工のため、工具寿命が加工物に依存しない。

⑤加工点の温度が低い。発火、引火性の環境で使用でき、熱変性・ガス化・軟化を発生させない。

⑥発生した粉塵が飛散しない。作業環境が改善される。

 

が挙げられています。

チタンのような難加工金属が厚さ10cmあっても切ってしまいます。

また、食材のような柔らかいものも難なく切ってしまいます。

 

1960年代のお話ですが、自動車の樹脂部品を発熱せずに切りたいニーズがありました。

同社において、それを実現する機械の開発は難航していましたが、2代目社長があるとき、ドイツの論文で「飛行機が雲の中を飛ぶと、金属製の翼に水で傷がつく」という内容を見つけました。

そして、「高圧ポンプを改良して、物凄い速さの水を噴射すれば熱を出さずに切ることができるのではないか?」と発想しました。

そこから10年の歳月をかけて開発し、ウォータージェットカッターを世の中に出すことができました。

 

株式会社スギノマシン様が実現できたのは、連続して動かせる高圧ポンプ技術という、同社が持つ唯一無二のコア技術があったからです。

モノづくりにおけるイノベーションには、唯一無二のコア技術の存在が必要不可欠であり、自社の強みを磨き続ける努力が大切だといえます。

 

 

中小企業診断士

高橋 康友

 

▶高橋 康友 先生 プロフィール

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~組織づくりが企業を変える!~

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

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