2025.06.20 高橋 康友 | 中堅企業をめざす支援
みなさんこんにちは、安田です。
トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」中小企業診断士 高橋康友先生ブログ
第24回テーマは「適材適所」です。
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「適材適所」という言葉があります。
広辞苑には、「人を、その才能に適した地位・任務につけること」とあります。
今回は、その「適材適所」に関連する内容です。
宮大工の道を極め、「最後の宮大工棟梁」と称された西岡常一氏(1908年9月4日 – 1995年4月11日)が語られていたお話を取り上げます。
西岡常一氏は、飛鳥時代の優れた木造建築技術を現代に伝えた宮大工と言われており、数百年に一度という法隆寺の全伽藍解体大修理の棟梁を務め、奈良の名刹・薬師寺の金堂および西塔を1300年前の様式で再建させた方です。
西岡常一氏の名言として
「木組は木の癖組なり。 人組は人の癖組みなり」
が有名です。
日本経済新聞の「私の履歴書」の内容を中心にまとめられた書籍『宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み』(日本経済新聞社)で、「適材適所」について語られています。
その箇所を引用いたします。
『法隆寺の五重塔にとりかかったとき、木の配置にもまた大変な気配りがあった。
解体調査では、柱の太さ、各部材の寸法なども詳細に計測し、記録していった。で、どうかといえば、みんなバラバラだったのである。柱も斗栱も、一つとして同じものはない。近藤の屋根の垂木にしても、平均すれば角が4寸・5寸が多いが、4寸に4寸8分、4寸5分に5寸と、まるで統一がない。回廊の連子格子など、四角も菱形もと、後の時代に修理されたのがみな同じ寸法で、間隔も規格通りなのとは対照的である。
・・・・さらに山の頂上、中腹、斜面、南か北か、風の強弱、密林か疎林かで、それぞれに木質は異なる。そうした木の性も考慮に入れて、みごとに使い分けた。まさに、「適材適所」を実践している。口伝にいう「木は生育の方位のままに使え」の通りだった。
木はねじれ、反る。これまた生育の条件によってまちまちである。その木の癖を見抜き、簡単にいえば右に反る木と左に反る木を組み合わせて、力が相殺されるように用いる。』
「木」の適材適所に関するお話ですが、「木」を組織における「人」に置き換えることができるのではないでしょうか。
P.F.ドラッカー氏の著書「マネジメント」(ダイヤモンド社)に組織の原則について書かれています。
『マネジメントの課題として、第一に、部分の総和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出すことである。
そのためには、自らの資源、特に人的資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消すことができなければならない。これこそ真の全体を創造する唯一の方法である。』
とあります。
組織の目的は成果を上げることです。
そのためには、メンバーそれぞれの強み(得意分野、長所)を活かし、逆にメンバーそれぞれの弱み(苦手分野、短所)を補い合うことが組織に求められ、リーダーは組織を機能させて成果を上げることが役割となります。
また、書籍『宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み』には、西岡常一氏とご一緒に仕事をされた、技師だった石川博光氏のお話も掲載されています。
以下に引用いたします。
『決して人には甘い顔はしないのですが、その心底はやさしい親切な人でした。
そういうやさしい気持ちは、木に対しても同じでした。同じ寸法の木を組む場合、棟梁は「木にも弱い木と強い木があるから、それを同じに扱ったのでは木がかわいそうや」と言うのです。強い木には重い負荷を、弱い木にはその半分の負荷をというように考えてやれば、一本一本の木は目いっぱい力を発揮するんだとおっしゃっていました。』
こちらのお話も「木」を組織における「人」に置き換えることができるのではないでしょうか。
人材育成の要諦がここにあると思います。
「人材」の「材」の字には、深い意味があるのだと思います。
中小企業診断士
高橋 康友
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トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント
安田真浪
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