2024.11.22 コンサルティング中堅企業五人衆課題解決高橋 康友
みなさんこんにちは、安田です。
トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ブログを、3月2日から公開しています。
今回は、中小企業診断士 高橋康友先生の「中堅企業をめざす」ブログ第15回、
テーマは「設備の生産性について考える」です。
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企業が設備投資をする理由は主に下記の3つです。
1.生産・施工能力の増強
2.生産・施工の合理化・技術革新
3.新たな事業の開発
いずれにせよ生産性の向上につなげることになります。
生産性の定義は、アウトプット/インプットであり、アウトプットは社内で生み出す付加価値です。
インプットは視点によって様々な設定ができます。
「設備生産性」という指標があります。
設備投資によって取得した有形固定資産がどれだけ効率的に付加価値を生み出しているかを測定する指標です。
設備生産性=付加価値/有形固定資産
で算出します。
では、分母となる有形固定資産の金額が少なければ少ないほど良いでしょうか?
設備投資を極力抑えた方が良いのでしょうか?
やはり、故障しがちで生産性の低い設備から生産性の高い設備にすること、新しい付加価値を生み出す機能を保有する設備へと適切な設備更新や増強を続けることで事業継続をしやすくなります。
もちろん投資に見合った効果、すなわち利益を生み出すことが前提です。
ただし、その設備だからこそ差別化された商品を作り出すことが可能なケースもあります。
その機械だからこそ出せる風合いの繊維、美味しい餃子の皮もあったりします。
自社の経営ビジョンの実現や経営戦略の遂行のために、色々な要因を考慮して投資判断をすることが求められます。
企業における投資には、設備への投資以外に人材への投資もあります。
人材への投資と設備への投資の特徴を簡単に比較すると下記のようになります。
<人材への投資> | <設備への投資> |
・人材は基本的に1日8時間労働
・採用から継続的に投資する |
・設備は24時間労働が可能
・導入時の初期投資が主体となる |
必要な人材を採用して育成し、適材適所によって社員の活躍の場をつくっていくこと、こちらも欠かせない投資です。
長期的な視点で人材と設備のバランスを取った投資が望まれます。
また、国内においては労働人口が減少し、人手不足の企業が発生しています。
人材の取り合いになっています。
そのような状況においては、省人化を可能とする設備への投資も検討対象となります。
キャッシュフローの観点からも設備投資を適切に実行すると良いです。
古い設備と新しい設備とではどちらがキャッシュ(現金及び現金同等物)を稼ぐのでしょうか?
項目ごとに比較すると下記のようになります。
<項目> | <古い設備> | <新しい設備> |
・生産性 | ・低い | ・高い |
・減価償却費 | ・少ない | ・多い |
・中古設備としての売却 | ・売れない | ・高く売れる |
新しい設備の方がキャッシュを多く獲得しやすいといえます。
また、設備投資をしたときに活用できる税制優遇措置があります。
特別償却と特別税額控除です。
特別償却とは、通常の減価償却費とは別に経費の追加計上ができる制度です。
特別税額控除とは、法人税額から税額を直接控除する制度です。
具体的な税制として下記の2つがあります。
・中小企業経営強化税制
中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、対象設備の取得や製作等をした場合に、即時償却又は取得価額の10%の税額控除(資本金の額等が3,000万円超1億円以下 の法人は7%)が選択適用できるものです。
対象となる資産は、機械装置、ソフトウェア、工具・器具備品、建物附属設備です。
なお、本制度の適用を受けるためには、①生産性向上設備(A類型)、②収益力強化設備(B類型)、③デジタル化設備(C類型)又は④経営資源集約化設備(D類型)を導入して実施する経営力向上計画の認定を受けることが必要になります。
・中小企業投資促進税制
機械装置等の対象設備を取得や製作等をした場合に、取得価額の30%の特別償却または7%の税額控除が選択適用できるものです。
税額控除は、個人事業主、資本金3,000万円以下法人が対象です。
対象となる資産は、機械装置、測定工具及び検査工具、ソフトウェア、貨物自動車、内航船舶です。
短期的な視点でなく、長期的な視点で設備投資を実行することが大切です。
中小企業診断士
高橋 康友
▶高橋 康友 先生 プロフィール
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