【技術・開発とは⑪】材料開発

2024.09.19 コンサルティング下　俊久中堅企業五人衆技術開発課題解決

【技術・開発とは⑪】材料開発

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ブログ、

今回は、「技術・開発とは」第１１回、テーマは『材料開発』です。

企画・開発コンサルタント　下俊久先生が担当です。

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こんにちは、企画・開発コンサルタントの下（しも）です。

これまでは、技術開発にまつわる大見出し的なキーワードを中心に、書いてきましたが、これからは少しブレイクダウンしてより細かなところを書いていこうと思います。

本日もよろしくお願いいたします。

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▶材料開発における材料設計とプロセス開発

私の職歴は一般的には材料開発と呼ばれる分野の研究開発でした。

何か新しい機能を持った材料を開発する、あるいは、これまでよりも性能が高い材料を開発するというようなテーマになります。

製品にその材料が搭載される場合には、当然のことながら、素材そのものがそのままの形で使われるわけではなく、製品にあった状態で搭載されます。

例えば、自動車の車体の塗装を考えるならば、塗料の形で製品にはならず、ある範囲、ある膜厚を持った塗膜という形で搭載され、その状態で性能発揮することが求められるわけです。

そのような場合の開発は、塗料の組成を工夫して、いわゆる材料設計をする開発と、その塗料を塗装して乾燥させて塗膜として製品にするプロセス開発、この二つがかみ合わさって、新しい製品が産まれてきます。

ここが、材料開発の難しいところなのですが、プロセスは変えずに材料設計だけを行って、開発を進めると、改良はできるけれども、その材料の特性を100％引き出した製品にはならず、材料にあったプロセス条件を検討しなければいけません。仮に材料にあったプロセスが決まったときに、そのプロセスにおける最適な材料であるともいえず、最適化を図る場合には材料の見直しも必要になります。

▶材料開発者は調理人？

話がだんだんややこしくなってきました、料理に喩えてみますね。

チャーハンを作ります、玉子、玉ねぎ、ニンジン、お肉、ニンニク、ごはん、調味料。材料の量の配分を変えたり、あるいは、お肉を豚バラ肉から牛肉に、安いお肉から高いお肉へなど、材料を検討するのが材料設計。

玉子から炒めるのか、野菜から、あるいはお肉から炒めるのか、炒める順番を決めたり、火加減を決めたり、はたまた、フライパンで作るのか、中華鍋で作るのか．．．

という作り方の工夫がプロセス開発。

そして、おいしいチャーハンを作るために、材料のレシピと作り方のレシピを試行錯誤して何度も試作を繰り返すということになります。

チャーハンという料理で考えても、ものすごく選択肢が多いことがわかります。

こうした中で如何に美味しいチャーハンを作るのかというのが開発者の腕の見せ所でもあり、だいご味。

▶材料開発は難しい

一般的には、材料開発は難しいと思われています。

これまでの自分の経験でも、プロセス開発ではまりにはまって、結局あきらめたという事例もありました。企業の中では、材料開発は時間がかかるし、うまくいくかどうかわからないから無駄という経営者と、何が出るかわからない、ブレークスルーが起きるのは材料からだからやってみようと言われる経営者と二分していました。

▶イノベーションにつなげたい