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2024.08.09 コンサルティング中堅企業五人衆課題解決高橋 康友

【中堅企業をめざす支援⑧】PMIの重要性

みなさんこんにちは、安田です。

トライアングル・トラストのスペシャル専門家チーム「五人衆」ブログです。

今回は、「制度設計」担当の中小企業診断士 高橋康友先生の第8回です。

テーマは「PMIの重要性」です。

 

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20240814_199番_PMI

 

前回のブログで、グループ経営による成長事例をご紹介しましたが、複数の企業が一つのグループとなるためには、

新たな企業がM&Aなどを通じてグループに加わった後の統合作業も重要であることもお伝えしました。

その統合作業はPMI(Post Merger Integration)と呼ばれ、中小企業庁が中小企業向けのPMIガイドライン

「中小PMIガイドライン」を作成しています。

 

<経済産業省のWebサイト>

https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220317005/20220317005.html

 

今回のブログでは、その「中小PMIガイドライン」の要点をお伝えいたします。

 

▶ PMIとは?

PMIとは、POST MERGER INTEGRATIONの略語であり、主にM&A成立後に行われる統合作業のことです。

M&Aの目的を実現させて統合の効果を最大化するために必要なプロセスであり、本ガイドラインでは、

幅広いM&Aの形態に対応し、例えば株式譲渡によるM&A後の譲受側・ 譲渡側が一体となって成長していくために行う

一定のすり合わせも、本ガイドラインでいう「統合」 の対象としています。

 

M&Aの「成功」は、その成立でなく、M&Aの目的として当初に期待された効果を実現できるかどうかによります。

 

▶ なぜPMIが必要となるのか?

三菱UFJリサーチ&コンサルティング「M&Aの実態調査」(2020年9月)によると、下記のようなアンケート結果と

なっています。PMIを成功させるための留意点として参考になります。

 

①中小M&Aにおける心配・重視事項とは?(複数回答)

相手先従業員等の理解が得られるか  32.4%

期待する効果が得られるか      30.8%

M&Aを進める社内体制の構築が困難 13.8%

自社役員等の理解が得られるか     8.4%

適切な相談相手がいない        6.3%

 

②中小M&Aの満足度と期待を下回った理由は?(複数回答)

相乗効果が出なかった       44.7%

相手先の経営組織体制が脆弱だった 36.8%

相手先の従業員に不満があった   28.9%

企業文化風土の融合が難しかった  22.8%

経営・事業戦略の統合が難しかった  7.9%

 

上記のアンケート結果から、M&Aを成功させるためにはPMIが重要であることが分かります。

 

▶ 中小PMIの全体像

PMIは、譲受側企業と譲渡側企業を適切に統合するため、M&Aプロセスから検討を開始し、M&A成立後概ね1年の

集中実施期を経て、それ以降も継続的に実施される取組です。

 

中小PMIの取組は、大きく

1.経営統合

2.信頼関係構築

3.業務統合

3つに分けて考えることができます。

 

そのうちの「業務統合」の管理面において、リスク・課題等を解決するための取組例がご紹介されています。

下記の内容となります。

(1)人事・労務分野

① 人事・労務関係の法令遵守等

② 人事・労務関係の内部規程類等の整備状況やその内容の適正性

③ 従業員との個別の労働契約関係等の適正性

④ 人材配置の最適化

 

(2)会計・財務分野

① 会計・財務関係の処理の適正性

② 譲受側・譲渡側間の会計・財務手続の連携

③ 業績等の管理

④ 金融費用の削減

 

(3)法務分野

① 法令遵守等

② 会社組織等に関する内部規程類等の整備状況やその内容の適正性

③ 契約関係を含む外部関係者との関係の適正性

 

(4)ITシステム分野

① ライセンス等違反の抑止

② 情報セキュリティ対策

③ ITシステム管理方針の明確化

 

組織体制、仕組み、ルールなど、組織のハードウェア面の整備を計画的かつ総合的に実施することが必要であるといえます。

 

▶ 不適切なPMIに起因する失敗事例

PMIに起因する失敗事例もタイプ別に掲載されています。

一部をご紹介します。

 

(1)経営統合に関する失敗例

長期にわたるPMIプロセスにおいて、譲渡側の従業員に対して経営の方向性を示さなかったため、譲渡側の従業員の

将来不安やモチベーション低下等によるサボタージュや離職を招いた。

 

(2)業務統合に関する失敗例

譲渡側従業員が日常的にどのような業務を行っていたか、誰がどのような取引先の対応をしていたかを十分に把握して

いなかったところ、一部の従業員の退職に伴い、重要な技術・ノウハウや取引先を喪失した。

 

(3)信頼関係構築に関する失敗例

譲渡側経営者が譲渡側を経営しているからこそ取引してもらっていた取引先についてM&A成立後に少しずつ疎遠になり、

半年後取引を停止された。

 

失敗事例から、体制や仕組みをつくるだけでなく、従業員のモチベーション向上など、組織のソフトウェア面に対する

サポートも欠かせないといえます。

 

グループ経営による成長を成功させるためのポイントとしてご参考になれば幸いです。

 

 

中小企業診断士

高橋 康友

 

▶高橋 康友 先生 プロフィール

https://triangle-trust.jp/aboutus/lecturer/#takahashi

 

 

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トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

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