2025.12.31 採用支援
こんにちは、安田です。
2020年、新型コロナウイルスの発生により、大学生の価値観は大きく変化しました。
価値観が変われば、行動も変わります。
その結果、企業の採用活動も大きく変わることになりました。
本来、教育の一環であったはずの「インターンシップ」は、いつしか企業の会社説明会のような位置づけへと変化していきました。
「1dayインターンシップ」という、手軽で効率的よく企業を知る手段が浸透していったのです。
では、文部科学省、厚生労働省、そして経済産業省は、なぜ「三省合意」を行ったのか。
その背景を理解することが、「本来のインターンシップのあり方」を理解することにつながります。
ここでは、次の2点について整理していきます。
・そもそも「インターンシップ」とは何なのか
・なぜ、新しいインターンシップのスタイルに危機感を持たれたのか
トライアングル・トラストは、創業以来20年以上、キャリア支援に携わってきました。
2026年には、経済産業省が募集していた「アントレプレナーシップ教育プログラム」に採択され、大学・高校のキャリア教育にも携わることとなりました。
その過程で開催された「キャリア教育学会」にも参加し、改めてキャリア教育の目的や職業体験の意義を学ぶ機会を得ました。
そもそも「キャリア教育」とは、子ども・若者が職業観・勤労観を育むことを目的とした教育です。
その基盤となったのが、国立教育政策研究所が2002年に発表した「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み開発」、いわゆる「4能力8要素の枠組み」でした。
「4能力8要素の枠組み」
人間関係形成能力
・自他の理解能力
・コミュニケーション能力
情報活用能力
・情報収集・探索能力
・職業理解能力
将来設計能力
・役割把握・認識能力
・計画実行能力
意思決定能力
・選択能力
・課題解決能力
この「4能力8要素」は、段階を踏みながら育成していくものとされ、「小・中・高・大」の連携が重要だと考えられてきました。
その発達段階に応じた育成機会として、
・中学校では「職業体験」
・高校・大学では「インターンシップ」
が導入されていったのです。
特に大学においては、将来の就職も見据え、5日間以上を原則としたインターンシップが推奨されていました。
数カ月に及ぶ長期型や、有償型プログラムも存在していました。
トライアングル・トラストも2009年、経済産業省「中小企業高度人材確保のための長期企業内実務研修制度事業」に採択され、約1カ月のインターンシップを実施しました。
大学・企業・商工会議所と連携し、プログラムの実証にも取り組んできました。
当時、大学の就職課(現在のキャリアセンター)の責任者は大学教授が務め、インターンシップはあくまでもキャリア教育の一環、つまり「現場実践教育」を目的としたものでした。
そのため、「インターンシップ=採用活動」となることはタブーとされていました。
状況が大きく変わったきっかけが「リーマンショック」です。
企業の経営が厳しくなり、採用は抑制。
その結果、大学は就職率の低下に直面し、就職率向上に力を入れざるを得なくなりました。
外部から「就職のプロ」を招くなど、大学側の姿勢も大きく変わっていきました。
トライアングル・トラストはその後も、
・2009年:愛知県教育委員会事業「若年者即戦力人材育成就職支援事業(高校生の就職塾)」
・2010~2011年:厚生労働省の緊急雇用事業「地域人材育成事業」「重点分野人材育成事業」
を受託・実践し、現場の変化を肌で感じてきました。
こうした流れの中で、キャリア教育としての「インターンシップ」は次第に企業側の都合や思惑を重視したスタイルへと変化していきました。
就職率が一定水準で安定してきた今、「もう一度、本来の目的に立ち帰ろう」という意図が、今回の「三省合意」にあるのではないかと考えられます。
ただし、ここまで変わってしまったインターンシップを、完全に元の姿に戻すことは、決して簡単ではありません。
次回は、「三省合意」によって、結果として「インターンシップ」はどう変わったのかについて、整理していきたいと思います。
制度背景から実務設計までを、段階的に整理しています。
① 2023年制度改正で「インターン」の定義はどう変わったのか ☜
② インターンシップの要件と、オープン・カンパニーとの違い ☜
⑤ 有益なインターンシップは、採用思想から始まる( オープン・カンパニーを軸にした設計論) ☜
~組織づくりが企業を変える!組織の課題解決コンサルティング~
安田真浪
トライアングル・トラストは、組織における各種課題解決のお手伝いをしています。
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