YASUDA ISM

安田の考えをご紹介します

ホーム > 安田イズム詳細 > [23]企業研修の新潮流:アナログとデジタルの融合

2025.05.22 課題解決_レゴ®の有効性

[23]企業研修の新潮流:アナログとデジタルの融合

こんにちは、安田です。

 

295番_22405545_mアナログとデジタルの融合.jpg

 

 

Linkedin でつながりのある、株式会社SYNQAI中本代表(AIコンサルティング会社)とオンライン面談を行った際に、安田の考え「安田イズム」を話しました。今回の安田イズムは、「生安田イズム」のご紹介です。

 

 

1.現代企業研修の課題

1-1. 組織内コミュニケーションの壁

現代の企業研修において最も顕著な課題のひとつが、組織内のコミュニケーション不全です。社内会議は、声の大きい人や職位の優位性が高い人たち、要は1割から2割の人が進めていて、あとの参加者は聞いているだけという状況が一般的です。多様性が重視される現代において、若い世代が持つアイデアや視点が十分に活かされていないことが大きな機会損失となっています。

1-2. 抽象的な言語によるコミュニケーションの限界

言葉だけのコミュニケーションには大きな限界があります。「言葉には、実はそれを選んだ理由や目的、背景といったさまざまな裏側があり、一つの言葉でも選んだ人によって意味合いが全然違います。しかし、日常的なコミュニケーションでは、この意味合いの違いを追求することがないので、真の意図が伝わらないことが少なくありません。

 

2. アナログ手法の再評価

2-1. レゴ®シリアスプレイ®の概要と特徴

この課題を解決する手法として注目されているのが「レゴ®シリアスプレイ®」です。「レゴ®シリアスプレイ®」は、レゴ®ブロックを使って課題解決やチームビルディングを行う手法です。ワークの流れは、「なぜなぜ分析」と一緒であり、「ブロックの形に対して、なぜこの色を選んだのか?なぜこの形をここに置いたのか?なぜここに隙間があるのか、この隙間の意味は何ですか?」と質問することで深い洞察を得ることができます。

2-2. 視覚化による意思疎通の促進

レゴ®シリアスプレイ®の大きな特徴は、抽象的な考えを視覚化・言語化し深めることができる点です。作ったものに説明をし質問を受けながら、自分の考えを相手に伝えていきます。物があることによって言いやすく、伝えやすい。さらに、レゴ®シリアスプレイ®は、相手の目を見ない。言葉のやりとりは、あくまでもレゴ®ブロックしか見ないため、コミュニケーションが不得意な人でも自分の考えを表現しやすい環境が生まれます。

 

3. デジタルツールの適切な活用

3-1. AI活用の現状と課題

一方、現代ではAIなどのデジタルツールの活用も急速に進んでいます。最近、チャットGPTを活用しながら仕事を進めていますが、チャットGPTから出てきた文章がそのまま右から左へと使えるかというと、こちら側の指示次第によって出てきた結果が意図したものになるかが決まってきます。つまり、AIを効果的に活用するには、使用者側の理解と指示の質が重要なのです。

3-2. 基礎理解の重要性

デジタルツールを効果的に活用するには、基礎的な理解が不可欠です。物事は必ず基本があって応用にいきます。バランスも重要なので、やはりデジタルとアナログの両輪が必要です。さらに、土台がある前提で指示をするのならば良いですが、表面上の言葉を選んだだけでカフェテリア方式のような形で進めると、見た目は良いがロジック(軸)がなかったり目的などをきっちり理解できていないと、うまくいきません。基礎知識は重要性です。

 

4. 融合型研修の設計と実践

4-1. 基本と応用のステップアップ

トライアングル・トラストが提案する研修モデルは、基礎から応用へのステップアップを重視しています。社員教育で指導しているのは「仕事の基本」、ベースのところ。伸びる会社は生産性が良いです。生産性の良い会社は標準化ができています。標準化とは、共通用語や共通認識が整っています。共通の基盤を作り、次に応用的なツールや手法を導入する流れが好ましいです。

4-2. アナログとデジタルの適切な組み合わせ

効果的な教育は、アナログ的な手法とデジタルツールを適切に組み合わせることが重要です。AIを入れる前に、まずは体制を整えます。土台が整っていることで、次にAIにも進むことが出来、それ以外にも繋げられます。基礎がしっかりしていれば、どのようなツールでも効果的に活用できるという考え方です。

 

5. 未来の企業研修モデル

5-1. 多様性と専門性の両立

未来の企業研修では、多様性と専門性の両立がさらに重要になります。基本整備と組織形成が重要。組織経営の時代に入って、その必要性がさらに高まっています。建設業でいえば設計士や施工管理者、製造メーカーであれば研修部門や開発担当者など。IT系やシステム系、ものづくり業界など、需要があります。

5-2. 持続可能な組織開発

最終的な目標は、持続可能な組織開発の実現です。イノベーションに向けて、会社は変えるのは社員のみなさん。私たちではありません。私たちはあくまでも、そのための手ほどきを行う役割であり、そのための時間などの環境を設定し、そこを上手くリードし、また皆さんと伴走しながらゴールに向かいたどり着いていただく、スタンスです。つまり、主体は常に企業の組織メンバーであり、コンサルタントは環境設定と機会を提供する役割を担うだけです。

 

以上のように、アナログとデジタルを融合させた新しい企業研修の形が模索されています。レゴ®シリアスプレイ®ような視覚化ツールは、言葉だけでは伝わりにくい真意を共有する手段として高い価値を持ちます。同時に、AIなどのデジタルツールも、基礎的な理解の上に立って活用することで大きな効果を発揮します。両者のバランスを取りながら、組織全体の成長を促す研修モデルが、これからの時代にはますます重要になるでしょう。

 

 

≪株式会社SYNQAI中本代表の感想≫ 

※こちらは、中本代表がZoomレコーディング内容をAIで整理し、安田イズムの取り纏めをいただきました。ご紹介します。

 

安田イズムを聞いて・・・

企業研修の新潮流:アナログとデジタルの融合

 

中小企業の組織開発を支援するトライアングル・トラストでは、近年の企業研修における変化を「アナログとデジタルの融合」として捉えています。本稿では、現場の声と実践に基づき、その背景と今後の方向性について整理いたします。

 

企業研修において顕著に表面化しているのは、組織内コミュニケーションの非対称性です。会議の場では、声の大きい一部の職員が議論を主導し、その他の参加者が形式的に同意を示すといった構図が見られがちです。多様性の尊重が求められる現代においては、若手の意見が埋もれることが組織にとっての機会損失となっており、改善が急務とされています。

 

また、言葉というものは、選んだ背景や意図によって意味が大きく変容します。しかし、日常の業務コミュニケーションでは、その文脈の深掘りが行われることは少なく、表層的なやりとりに終始する傾向があります。このような限界が、研修における理解の非対称を引き起こしています。

 

こうした課題に対し、トライアングル・トラストが注目している手法の一つが「レゴ®シリアスプレイ®」です。レゴ®ブロックを用いた課題解決アプローチは、ビジュアルによる思考の外在化を促し、「なぜこの形を選んだのか」「なぜこの色を用いたのか」といった問いによって、個人の思考プロセスを深く掘り下げることが可能となります。

 

この手法の大きな特徴は、視覚を媒介としたコミュニケーションにあります。制作物が存在することで、思考の説明が容易になり、かつ相手の目を見ずにやりとりが行えるため、対人コミュニケーションに苦手意識を持つ人でも参加しやすくなっています。

 

一方で、AIツール、とりわけChatGPTなどの活用も広まりを見せていますが、これらは決して万能ではありません。トライアングル・トラストでは、「出力される内容は、入力側の指示の質に大きく依存する」と指摘しており、AIを活かすには使用者の理解と目的の明確化が不可欠です。

 

応用的なツールの活用には、基礎的な知識と構造理解が土台として求められます。表面的な操作だけでは、業務の本質に迫る活用は困難であり、「アナログとデジタルは車輪の両輪」とする同社の姿勢がその重要性を示しています。

 

同社の研修モデルは、まず「仕事の基本」を標準化・言語化するところから始まります。その上で共通用語を軸とした共通理解を築き、応用的なツールやフレームワークを導入していく、段階的な育成設計を採用しています。

 

AIツールを導入する前に、まずはスタートラインを揃える。これは、AIだけでなく、あらゆる技術・制度の導入においても共通する要件です。基盤が整っていれば、各種ツールの効果も最大化されるという考え方に基づいています。

 

未来型研修の鍵は、多様な視点と専門的スキルの両立にあります。特に設計部門や開発部門など、専門性の高い業界においては、「個の力」ではなく「組織としての連携力」が経営の中心に移行しつつあり、それを支える研修設計が求められています。

 

最終的な目標は、支援者主導ではなく、組織構成員が自ら学び、組織を進化させていくプロセスの確立です。トライアングル・トラストでは「環境を整え、対話を設計することで、組織自身が目的地にたどり着く」ことを支援の基本方針としています。

 

アナログ手法とデジタル技術の相互補完によって構築される新たな研修モデルは、組織の「学習する力」を引き出す上で、今後ますますその重要性を増していくと考えられます。可視化と指示の質、内省と共創、それらをつなぐ設計思想が、これからの企業研修の鍵となるでしょう。

 

 

 

 

~組織づくりが企業を変える!~

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

 

トライアングル・トラストは、組織における各種課題解決のお手伝いをしています。

オーダーメイドプログラムで、担当者様と一緒に取り組んでいます。

お気軽にご相談ください。

 

 

▶ 課題解決コンサルティングTRIANGLE TRUST

https://triangle-trust.jp/

▶ LEGO®SERIOUS PLAY®技法と専用教材を用いたワークショップ

https://lsp.triangle-trust.jp/

▶イプロス

https://premium.ipros.jp/triangle-trust/?hub=157+4672154

▶Deliveru「新任人材育成担当者向け研修」

https://shop.deliveru.jp/triangle-trust/

Copyright (c) 2020 TRIANGLE TRUST.
All Right Reserved.