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2024.09.03 イノベーションコンサルティングダイバーシティ中堅企業安田 真浪課題解決

【人材育成とは㊺】人的投資経営とは

みなさんこんにちは、安田です。

 

2023年3月期決算以降、上場企業約4000社は有価証券報告書で人的資本情報の開示が義務付けられました。

今回は、2024年6月発表の「人的資本経営に関する調査結果」を踏まえ、「人的投資経営とは」について、

書いていきたいと思います。

 

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▶まずは、「人的資本」について

「人的資本」とは、企業の人材が保有するスキルや能力、資格などを資本として捉えて、それを投資の対象

とする考え方です。

従来、企業は人材への費用は「コスト」と見ていました。それを、「投資」と捉えるわけです。

人的資本に投資をして、人材の価値を最大限に引き出すことが、結果、企業価値向上に繋がる。

この繋げることが、「人的投資経営」のあり方です。中長期的な視点から期待するものです。

 

▶「人的資本経営」とは

スキルアップを支援する研修の実施や資格取得などを支援する、といった社員の能力開発への投資を行う

ことで、企業価値を高める経営手法を指します。

 

▶「人的資本」情報開示の背景

今の投資家は何を見ているのか。財務状況なのか。企業資源が「ひと、もの、かね、情報」となり、

特にSociety5.0をめざす現代では、「人力」が注目されています。

投資家のみなさんも、当然企業の見方が変わってきます。

 

ここで、2020年に経済産業省産業人材政策室が発表した、「経営戦略と人材戦略」事務局説明資料の内容

を見ていきたいと思います。

 

◆株主総会における質問内容の順位は、

≪2008年≫

1位:経営政策・営業政策

2位:配当政策・株主還元

3位:株価動向

4位:財務状況

5位:子会社・関連会社関連

6位:リストラ・人事・労務

≪2019年≫

1位:経営政策・営業政策

2位:配当政策・株主還元

3位:株価動向

4位:リストラ・人事・労務財務状況 → 2013年からほぼ4位

5位:財務状況 → 3~4位から下がる

6位:子会社・関連会社関連

 

◆株主総会で人事関係が議論になった会社

2009年 ・・・ 11.0%

2019年 ・・・ 21.8% ※ほぼ2倍

 

◆国内外CEOが懸念している脅威TOP3

世界のCEO1378名≫

1位:過剰な規制 ・・・ 35%

2位:不透明な政策 ・・・ 35%

3位:鍵となる人材の獲得 ・・・ 34%

日本のCEO150名≫

1位:鍵となる人材の獲得 ・・・ 55%

2位:技術進歩のスピード ・・・ 51%

3位:貿易摩擦 ・・・ 45%

 

◆人材マネジメント実践について

1位:効果的にできているかはどちらともいえない ・・・ 54%

2位:どちらかというと効果的に実践できている ・・・ 24%

3位:どちらかというと効果的に実践できていない ・・・ 11.3%

 

◆従業員300名以上の日本企業に勤める人事部門課長相当以上役職者アンケート結果

・人事戦略が経営戦略に紐づいていない ・・・ 33.7%

・組織的な意思疎通決定に時間がかかる ・・・ 26.0%

・詳細な人事データを活用できるほど人事制度に柔軟性がない ・・・ 25.0%

・管理職層の職場メンバーへの指導・育成スキルが低い ・・・ 24.3%

・収集・管理すべき人事情報が増加し、正確に把握しきれていない ・・・ 22.3%

・人材マネジメントに関する情報が各所に散在し、有効に参照できていない ・・・ 22.3%

 

いかがでしたでしょうか?

企業にとって、「鍵となる人材の獲得」は必須で、そのようにCEOの方々がおっしゃっています。

この「鍵となる人材」とは、やはり、Society5.0を思うと、デジタルネイティブ世代の若手は必要不可欠ですね。

若い次世代リーダーと、その世代を育てていく世代ほか、新しい価値を生むためのしくみが必要です。

このように必須「人材投資」ですが、その前の事前準備から入らないと、いくら投資してもうまくいきません。

まずは「人材投資」に対する理解ができている組織づくりです。

事前の態勢整備から入らねばなりません。

つまり、人材活用に至っていない状況を打破し人材戦略の構築を行うことが必須です。

 

では、もう少し「人的資本」について、見ていきたいと思います。

 

▶「人的資本」世界はどお?

欧米は日本よりも早く義務化が進められています。

EUでは、2014年「非財務及び多様性情報の開示に関する法令(NFRD)が運用され、

2023年刷新、開示範囲や対象企業が拡大、日本を本社とする企業も対象になり始めている。

NFRDは、社員500名を超える大企業において、環境・社会・雇用・人権の尊重等に関する事項に

関して開示することを定めています。

 

▶「ISO30414」

2018年に国際標準化機構(ISO)が「ISO30414」を発表、ガイドラインで以下の領域に関する指標を

定めています。

 

<人的資本エリア・概要>

・コンプライアンス・BUSINESS規範に対するコンプライアンスの測定指標

・コスト・採用・雇用・離職等労働力のコストに関する測定指標

・ダイバーシティ・労働力とリーダーシップチームの特長を示す指標

・リーダーシップ・従業員の管理職への信頼等の指標

・組織文化・エンゲージメント等従業員意識と従業員定着率の測定指標

・健康、安全・労災等に関連する指標

・生産性・人的資本の生産性と組織パフォーマンスに対する貢献をとらえる指標

・採用・異動・離職・人事プロセスを通じて適切な人的資本を提供する企業の能力を示す指標

・スキルと能力・個々の人的資本の質と内容を示す指標

・後継者計画・対象ポジションに対しどの程度承継候補者が育成されているかを示す指標

・労働力・従業員数等の指標

 

 

・・・

ということで、約4000社の上場企業のみなさんは、自社の現状を直視し問題点を理解して、目標に向けて

問題意識と課題解決をし、人材活用のためのしくみづくりをしていただきたい。

すべては、現状把握からです。

 

トライアングル・トラストは、企業様の各種課題解説のお手伝いをしています。オーダーメイドプログラムで、

企業の担当者様と一緒に取り組んでいます。

 

お気軽にご相談ください。

 

 

 

トータルプロデューサー / 課題解決コンサルタント

安田真浪

 

 

▶YASUDA ISM(安田イズム)

※安田がプロデュースする取組み、考察ページです。ご参考までにお読みください。

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