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2026.01.02 採用支援

[10]有益なインターンシップとは⑤ ―有益なインターンシップは、採用思想から始まる― オープン・カンパニーを軸にした設計論

こんにちは、安田です。

 

この年末年始にかけて、「有益なインターンシップとは」をテーマに、安田イムズで連載してきました。
今回は、ここまでの内容を踏まえ、あらためて主題である『有益なインターンシップの設計』について整理してみたいと思います。

ご参考になれば幸いです。

 

前回の「有益なインターンシップとは④ ―三省合意後、就職・採用は本当に変わったのか?―☜」では、私なりの見解をお伝えしました。

 

三省合意は一定の役割を果たしたものの、学生と企業の行動そのものは、大きく変わっていない。

学生は、できるだけ早く内々定を確保したい。
企業は、できるだけ早く優秀な人材と接点を持ちたい。

問題の本質は、制度そのものではなく、企業が学生とどう向き合うのかにあります。

「この学生と、どんな関係を築きたいのか」

ここを明確にできるかどうか、つまり、自社の採用思想をどう設計するかが、これからの採用競争の分かれ目になる。

これが、前回の結論でした。

 

 

🧭 今回のテーマ:「有益なインターンシップ設計」

今回は、その具体策として、「有益なインターンシップ設計」について考えていきます。

 

そもそも、「有益」とは、誰にとっての有益なのでしょうか。

まずは、学生にとって有益であること
その結果として、企業にとっても有益になること

これが、もっとも健全で理想的な形だと考えています。

学生と企業の関係は、5:5(フィフティ・フィフティ)

相手に価値を提供することで、結果として自社にも価値が返ってくる。

その発想が重要です。

 

 

🔍 そもそも、学生にとっての「有益」とは

業界や職種が多様化する一方で、学生がそれらに触れる機会は、決して多くありません。

そのため、多くの学生は、

「会社とは何か」

「働くとはどういうことか」

を十分に理解しないまま、就職活動に臨んでいます。

だからこそ、まず必要なのは、会社組織を知るという、基本的な知識です。

そのうえで、

・自分の個性や長所・短所、興味・関心を把握し

・それを職業に照らし合わせ

・業界・職種を絞り込み

・該当する企業を選択していく

これが、本来あるべき就職活動の「キレイな形」です。

 

 

🧩 整理すると、就職活動の流れはこうなります

1.会社組織とは何かを知る

2.自分の個性や長所短所・興味関を把握する

3.②を職業と照らし合わせる

4.業界・職種を絞り込む

5.該当する企業を取捨選択する

6.就職活動解禁と共にエントリー

 

この流れをスムーズに進めることは、決して簡単ではありません。

従来は、就職活動の中で失敗や試行錯誤を通じて学び、自分なりの正解に近づけていくこと自体が、就職活動の醍醐味でもありました。

 

 

📌 今の「あるべき姿」とは何か

では、今の「あるべき姿」は何か。

それが、①にあたるオープン・カンパニー」です。

ここが、すべてのスタート地点になります。

だからこそ企業は、採用活動」の前段階として、まずはオープン・カンパニーに徹することが重要になります。

文部科学省・厚生労働省も、その方向性を明確に示しています。

 

 

🏢 企業視点で見た「キレイな採用活動」

ここまでは、学生側の視点でした。

続いて、企業側から見たの採用活動の「キレイな形」を整理します。

 

まず取り組むべきは、「会社とは何か」を理解してもらうための「オープン・カンパニー」の実施です。

そのためには、以下の準備が必要です。

 

 

🧭 採用活動の基本となる5つのステップ

1.採用計画の枠組みを決める

  (事業計画に基づき、各部署の適正人員や今後の動向を整理し、募集人数を確定する)

2.求める人物像を明確にする

3.採用計画を社内に共有し、協力体制をつくる

4.採用計画の詳細を設計し、実践する

5.結果を検証し、随時改善する

 

 

⚠️ 最も重要なのは②「求める人物像を明確にする」

この②ができるかどうかが、採用活動の成果を大きく左右します。

 

ターゲット設定では、

・出身地域

・大学のレベル

・家族構成

・育った環境

・学校生活の様子

・学生生活で大切にしていること

 

などを、できるだけ具体的にイメージします。

そのうえで、

「この学生は何を求めているのか」

「何に反応し、何をもって『良い』と感じるのか」

を明確にし、青写真を描いていきます

 

 

💡ここまで準備ができたら、あとはシンプルです

 あとは、ターゲットが求めている学び、ターゲットにとってプラスとなる内容を「オープン・カンパニー」のプログラムに落とし込むだけです。

 

ここで大切なのは、あくまでも「学生にとっての価値」。

エントリーがあるたびに、

・参加した学生は、求める人物像に近いのか

・それとも遠いのか

を確認し、軌道修正を繰り返しながら、ヒット率を高めていきます

 

ここでいうヒット率とは、「参加者(分母)」に対して「求める人材(分子)」がどれだけ含まれているのか、という視点です。

 

※詳しく知りたい方は、別途ご確認ください。

 

 

🌱 最後に ―「有益さ」は設計できる―

 ここまで、

・学生にとっての「有益」とは何か

・企業にとっての「キレイな採用活動」とは何か

・その接点としてのオープン・カンパニーとインターンシップ

について整理してきました。

 

あらためてお伝えしたいのは、有益なインターンシップは、偶然生まれるものではないということです。

制度が変わっても、学生と企業の行動が大きく変わらないのは、「どう採るか」ばかりが先行し、「どんな関係を築きたいか」という思想の設計が後回しにされてきたからです。

 

だからこそ、

・誰に来てほしいのか

・その学生に、どんな学びを提供したいのか

・その結果、どんな関係性を築きたいのか

 

これらを言語化し、プログラムに落とし込むことが、これからのインターンシップ・採用活動には欠かせません。

採用活動は、もはや一社だけの問題ではなく、業界全体、ひいては社会全体の課題です。

学生にとって「参加してよかった」と思える経験をつくること。
その積み重ねが、結果として企業の採用力を高めていく。

本連載が、そのための設計を考える一助になれば幸いです。

 

採用活動準備の流れと、その中での重要なポイントを説明しました。

大切なのは、目先の採用成果だけを追うのではなく、採用活動そのものが業界全体の課題であるという認識を持ち、プログラムを設計することです。

その視点が、「有益なインターンシップ」を生み出す土台になります。

 

 

🌱 連載まとめ|有益なインターンシップとは(全7回)

制度背景から実務設計までを、段階的に整理しています。

 

2023年制度改正で「インターン」の定義はどう変わったのか ☜

インターンシップの要件と、オープン・カンパニーとの違い ☜

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三省合意後、就職・採用は本当に変わったのか? ☜

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安田真浪

 

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